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「子どものスマホ規制、時間ではなく“見せ方”が大切」

「子どものスマホ規制、時間ではなく“見せ方”が大切」

愛知県豊明市が提案した「余暇におけるスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にする」という条例案について、前回「法的観点」からお伝えしました。法的観点からは、そもそも今回の条例案は理念条例であるため、罰則もありません。ゆえに行政による規制という言葉に振り回される必要は一切ありません。しかし、スマホに関しては「依存症」の一部として国際的にも研究され、また問題視もされつつあるので、子どもとスマホの関係はご家庭でも考えてみるべきかなと思います。
https://lycopo.com/スマホ規制条例案を考えてみるー法的視点と幼児/(前回のブログ記事)
──では、どんなルールを定めるべきなのか。「絶対に見せない」という選択肢も現実的ではありません。大切なのは“時間で縛る”のではなく、“見せ方”を工夫すること。研究結果や実際の事例から、スマホとの付き合い方を整理し、子どもの健やかな成長を守るためのポイントをお伝えします。わが社のアドバイザー鈴木アトム先生の意見を踏まえてお伝えします。


なぜ「時間で区切る」やり方はナンセンスなのか

スマホを完全に遮断することの難しさ

保護者にも予定や都合があります。「スマホは一切見せない!」という極端なルールは、親子双方にストレスを生みがちです。

問題は「時間」ではなく「質」

「1時間まで」などと時間で区切っても、内容が受動的であれば子どもに良い影響を与えません。逆に、短時間でも有意義な使い方なら発達を助ける可能性があります。


スマホ使用のデメリット3つ

デメリット1. 言語やコミュニケーション能力の低下

「1歳児のスクリーン時間と発達の関係」について、7,000人規模の大規模コホート研究が存在します。これは「東北メディカルメガバンク・バース&三世代コホート研究」の一環として行われたもので、7,097組の母子ペアを対象に追跡調査されました(JAMA Pediatrics, 2023)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10442786/

この研究では、1歳の時点でのスクリーン時間(テレビ・スマホ・タブレットなど)を保護者が自己申告し、その後の2歳と4歳時点での発達(コミュニケーション能力や問題解決能力)との関連を解析しました。
結果として、スクリーン時間が長いほど発達の遅れのリスクが高まるという傾向が確認されています。特に「コミュニケーション能力」と「問題解決能力」において、顕著な関連が見られました。

※この研究は「観察研究(コホート研究)」であり、「実験」ではありません。つまり「スクリーンを見せたから必ず遅れる」と断定するものではなく、因果関係を直接証明するものでもありません。
しかし、統計的に明確な関連があることは事実であり、専門家の間でも子どものスクリーン時間に注意を促す根拠のひとつになっています。

デメリット2. 依存性のリスク

TikTokやYouTubeショートのような受動的コンテンツは、脳内のドーパミンを過剰に刺激し、依存を生みやすいことが知られています。子どもが自分から「終わり」にしづらい点が問題です。

デメリット3. 生活リズムへの影響 (←結局、現段階ではこの部分が大事です。)

スマホ時間が長くなれば、その分だけ運動や睡眠が削られます。結果として生活リズムが崩れ、心身の発達に悪影響を与えかねません。スマホを見せることにより、学習や睡眠時間が自然と減ることになります。つまりスマホ使用時間の増加すると、学習や睡眠時間が減少するという「相関関係」になります。


「見せてもいい」スマホの使い方

しかし、前述し通り「スマホを絶対に禁止する」というのは現実的でもなく、必ず効果的であるとも言えません。子どもの発達を支える「良いスマホの使い方」には、次の3つがあります。

  • ビデオ通話:親戚や友人との会話は、リアルなコミュニケーションの練習にもなります。
  • 質の高い幼児学習アプリ:問いかけやパズルなど能動的に参加できる内容は効果的です。
  • 親子の共同視聴:親と一緒に見ながら会話することで、内容を生活に結びつけられます。これは絵本の読み聞かせにも通じる部分があると思います。子どもと意識して会話することで、多種な能力を高められます。

→これらに共通するのは、一方的な動画視聴になるのではなく「受動的ではなく相互作用的」「能動的」であることです。


どのくらいの時間が目安?

「何時間まで」と言い切れないのが現実です。しかし、乳幼児期は1時間以内に収めることが望ましいと考えられます。ただこれは1時間以上が健康に害を及ぼすといった因果関係があるからでは、ありません。
デメリット3で話した「他のことが出来なくなる」ということが理由です。保育園に行っている子と幼稚園に行っている子という違いだけでも推奨時間は変わってきます。

例えば保育園に9:00〜19:00で通っている5歳児であれば7:00起床、22:00就寝であったとしたら朝はバタバタでしょうから家に帰ってきて19:30、そこから2時間のスクリーンタイムを設けると他にできることは何もなくなります。しかし幼稚園児で14:00には帰る5歳児であれば質の高いスクリーンタイムであるならば2時間程度なら許容範囲かとも思います。

つまり、大切な注意点は「他にできることが、スマホを使用することによって奪われないかどうか」です。


まとめ 保護者の方にお伝えしたいこと

  • 時間で縛るより「見せ方」が大切
  • 受動的なコンテンツは避ける
  • 相互作用的・能動的な使い方を意識
  • 生活リズムを最優先に考える

スマホは敵ではなく、使い方次第で学びの味方にもなります。大切なのは、保護者が「選び」「一緒に関わる」ことです。もちろん、行政が提示するような一律の規制に従う必要もないでしょう。

このスマホの問題点もしっかり把握し、子どもの適正を知り、子どもとしっかり向かい合うことが大事です。

今後もこういった時事的教育問題にも触れていきます。

もし自分でどう考えたらいいか迷っている、子どもの教育について定期的に相談にのってほしいということであれば、ぜひ一度半額の体験+アドバイザーによるカウンセリングをぜひ利用してみてください。https://lycopo.com/contact/

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