「完璧じゃなくていい」─“悩める親”こそ、子どもに寄り添える人
最近、子育てに悩む方の話を聞いたので、今日はこんな記事です。なかなか子育てや教育がうまくできないと思う方もいらっしゃると思います。しかし、その悩むことこそとても重要な感情・感覚です。
「今日も怒ってしまった」「つい他の子と比べてしまった」「もっとちゃんとできたらいいのに…」
こう思ってしまうこともあると思いますが、そんな風に感じる夜、あなたの胸の奥にあるものこそ“愛情”です。子どもを大切に思うからこそ、うまくいかない自分を責めてしまうのです。
子育て・教育に完璧なんてありません。むしろ、悩みながら向き合うことそのものが、親として大事なことであり、教育そのものだと思います。
「完璧な親」なんて、どこにもいない
SNSや育児本には、“理想の子育て”の姿があふれています。
笑顔で対応するお母さん、穏やかに叱るお父さん。
そんな姿を見るたび、「自分はまだまだだ」と感じる人も多いでしょう。
でも、心理学的に見れば「完璧さ」は子どもにとって必ずしも良い影響を与えません。
ここのブログでもよく取り上げている発達心理学の専門家であるジャン・ピアジェは、発達を「試行錯誤を通じた学び」と定義しました。
子どもは失敗し、間違い、何度もやり直しながら“自分なりの世界”を理解していきます。
それは親も同じです。
親だって、「親になる」ことを日々練習していると思います。
失敗も、戸惑いも、成長の一部です。
親だけでなく、先生も、子どもと一緒に成長していきます。
悩むことは「子どもを見つめる力」
子どもが泣き止まないとき、
思うように食べてくれないとき、
どう関わればいいのか分からなくなる瞬間があります。
でも、それは「無関心」ではなく「観察」の始まりです。
心理学では、このような親の“気づきと振り返り”の力を
**内省的機能**と呼びます。
研究では、内省的な親ほど子どもの感情を正確に理解し、柔軟に対応できることが分かっています。
つまり、「どうすればいいか悩む」という行為は、子どもをよく見ている証拠です。
たとえ答えが出なくても、
「どうして泣いているのかな」「この子は今どんな気持ちだろう」
そう考える瞬間に、子どもとの“心の対話”が生まれています。
親の心が穏やかだと、子どもの心も穏やかになる
子どもが不安定なとき、
親が「どうしたら落ち着くの?」と焦ってしまうことがあります。
でも、教育心理学では、親の安定が子どもの安定につながるとされています。
心理学者ダニエル・ゴールマンの「感情コンピテンス理論」によると、
人は周囲の感情に影響される“共鳴の生き物”です。
特に乳幼児期は、親の表情・声のトーン・呼吸のリズムを感じ取って、自分の情緒を整えていきます。
だからこそ、「完璧に接する」よりも、
“安心している親の姿”を見せることが、最大の教育効果なのです。
焦ったら深呼吸してみましょう。
「今の私、ちょっと疲れてるな」と自分に優しく声をかける。
その小さなセルフケアが、子どもの心に“安心のメッセージ”として届きます。
※参考によかったらどうぞ!
子どもの幸せを育てる力 幼児期から育つ「感情コンピテンス」とは?

※感情コンピテンスについての専門的な部分はこちらをご覧ください。
感情コンピテンス (Emotional Competence) に関する理論解説(PMC)
ひとりで抱えない。“頼る力”も育児の一部
「人に頼るのは恥ずかしい」「ちゃんとやれない自分を見せたくない」そう思って、すべてを一人で抱えてしまう方がいます。とりわけ日本は子育ては親が何よりも優先して、全責任を持ってするものという「子育てファースト」の精神がありますから、より心理的に負担がのしかかります。
でも、教育心理学の観点から見ると、「助けを求める力」も立派な非認知能力です。
親がいろいろなところから助けを受ける姿勢を見せることで、子どもも「人に頼っていい」「助け合うことは素敵なこと」と学びます。親を中心に、みなで子どもを育てていくという姿勢こそ、より良く子どもを成長させます。
私たちリコポ幼児教育では、“親の頼る力”を支える仕組みを整えています。
リコポの特徴
- 365日いつでも相談可能な子育て・教育サポート
(シッター利用がない日でも、ライン・メール、場合によっては電話・訪問も可能) - 教育アドバイザーが、発達・感情・学習の視点から助言
- 「親の安心」が子どもの成長につながるという理念のもと、定期的なカウンセリングも実施
たとえば、
「夜中に不安になって眠れない」
「最近、子どもの感情の波が激しい」
そんなときも、すぐに相談してください。即・・・とまではいきませんが、みなで相談して、なるべく早くに返事をさせていただきます。
子育てに正解はないからこそ、一緒に寄り添って考えます。
悩むあなたは、すでに「いい親」です
子どもにとって一番大切なのは、完璧な親ではありません。
「いつも見てくれている」「話を聞いてくれる」――そんな親の存在です。
悩んでいるということは、それだけ子どもを想っている証拠。
その悩みが、子どもの幸せを願う“心の証明書”です。
子どもは、親の“背中”を見て育ちます。
失敗しながら立ち上がるあなたの姿が、
「人は優しく、たくましく生きていける」というメッセージになります。
今日のおさらいQ&A3問
Q1:子育てで「悩んでばかりいる私はダメ親」だと思ってしまいます。
それは、子どもを真剣に見つめている証拠です。
心理学では、子どもの感情や行動を振り返る力を「内省的機能」と呼びます。
悩むことは“観察していること”であり、“成長を支えたいという愛情の現れ”です。
完璧でなくても、「見て、考えて、寄り添おう」とする姿こそ本当のいい親なのです。
Q2:子どもの前でイライラしてしまうと、やはり悪影響がありますか?
A:感情を見せること自体は悪いことではありません。
大切なのは、「そのあとどう行動するか」です。
心理学者ダニエル・ゴールマンの感情コンピテンス理論によれば、
自分の感情に気づき、言葉にして伝える力が人間関係を豊かにします。
「さっき怒っちゃったけど、ごめんね」「ママもちょっと疲れてたんだ」と伝えるだけで、
子どもは感情の扱い方を学び、安心感を得ます。
Q3:子育ての不安を人に話すのは、甘えではないですか?
A:むしろ“頼る力”は、親としての成長です。
教育心理学では、他者に助けを求める力も「社会的スキル」や「非認知能力」として重視されています。相談できる親は、子どもに「助け合う生き方」を見せる良いモデルです。
☆リコポ幼児教育では、子どもの成長に寄り添うために
会員様に対して365日いつでも子育て相談を受け付けています。
「うまくいかない日」も「嬉しい日」も、いつでも連絡ください。
ご家庭に合った解決策を、一緒に見つけていきます。