「日本版DBS」と教育現場の安心─リコポ幼児教育の取り組み

以前にも触れましたが、昨日もニュース記事になっていたので、また触れておきます。「教員による児童の盗撮事件」に関してです。
ニュースで見た瞬間、「まさか教師が」「どうして子どもを守る立場の人が」と、怒りと不安を感じた方も多いかもしれません。いや、もはや「またか」という気持ちになった人すらいるかもしれません。
一つ言っておきますが、私はほとんどの教員の方が自分の時間や心身を削り、子どもにと向かい合っている方々と思っています。だからこそこの教員、教育に携わる方全体の品位を落としてしまうこの一連のニュースを許せなく思います。
幼い子どもを預ける親にとって、信頼こそが最も大切な安心の基盤となります。
その信頼が崩れるような事件が続いている今、教育や保育の現場に求められているのは「徹底した安全管理」と「透明性のある仕組み」です。
本記事では、事件の概要と日本版DBS(性犯罪歴確認制度)の重要性、行政や企業の取り組み、そして私たちリコポ幼児教育が実践する「子どもを守る安心システム」についてお伝えします。
以前書いた記事です。今回の内容とかなり被ることも書いていますがご容赦ください。
子どもを守る壁を築く 性暴力防止のため「しなければならない」こと
教員グループ盗撮事件の概要
昨日10月14日の記事にもありましたが、時間経過によって消えてしまうこともありますので、簡単に概要だけまとめておきます。
校内に隠しカメラ探知機も 教員グループ盗撮事件受け各地で対策強化(毎日新聞)
「教員による児童盗撮事件が愛知、神奈川、東京、北海道で相次ぎ、6人が逮捕された。SNS上で女子児童の画像を共有していたとされ、教育現場に大きな衝撃を与えている。これを受け、文部科学省は全国の教育委員会に盗撮防止策の徹底を通知。名古屋市や横浜市、北海道などではスマートフォンの持ち込み制限や隠しカメラ探知機の導入を進めるなど、再発防止に向けた対策が急がれている」
2024年6月以降、愛知・神奈川・東京・北海道の4都道県で、現職教員6人が女子児童を盗撮し、SNS上で画像を共有していたとして逮捕されました。グループチャットでは盗撮された写真が共有され「うらやましい」といった不適切なやり取りが交わされていたとされ、被害児童は30人を超える規模に・・・というのが今回の事件の一連の流れです。
教育現場に携わる者として、この事件はあまりにも許しがたいものです。
なぜこの事件がひどいか改めて下記にまとめます。立場を悪用し、子どもを性的対象とした行為は、教育者としてだけでなく人としての信頼を根底から裏切る行為です。
事件後、文部科学省は全国の教育委員会に再発防止策を通達。
名古屋市では教員のスマートフォン持ち込みを原則禁止し、隠しカメラ探知機を導入する方針を決定し
横浜市や北海道でも緊急点検や第三者委員会の設置など、教育現場の透明化が進められています。
許せないのは「子どもを守る立場の裏切り」
この事件で許せない、悪質性が高い点はたくさんありますが、注目すべきポイントは主に3点です。そして、3点ともベースにあるのは児童が被害者であることにつきます。
1,子どもは善悪の判断がまだつきづらい
極めて悪質なのは、何をされているかまだはっきりとわからない子どもをねらっているということです。親に言ったら迷惑をかけるかも、恥ずかしい、そもそも嫌な気持ちはするけど、何をされているか分からない子どもをターゲットにしている(おそらく加害者も反抗できないことを計算している)点は許しがたいと思います。
子どもは大人が思っている以上に小さい頃からプライドがあり(家族や人に迷惑をかけたくないという想いでもあります)、家庭外で泣いてしまったことや、いじめのことすらなかなか言えない子どもが、信頼している(せざるを得ない)先生にされていることをほかの大人に伝えるのはかなり勇気がいります。まさに弱者の弱みに付け込んだ犯罪と言えます。
2,心の傷を一生残し、社会、大人に対しての信頼をなくしてしまう
性犯罪は子どもの心に一生の傷を負わせてしまいます。未来ある子どもが、子どものうちにトラウマを抱えてしまい、社会や大人を信頼できず、たくさんの希望や機会を失わせてしまいます。子どもの時期はたくさん経験し、学んでいく時期です。社会に対して積極的になれずに、学ぶ機会が失われたり、大人に対する不振で、やはり社会に出ること、頼ることを躊躇したりと、たくさんの学ぶこと、楽しむことを阻害することになります。もちろん、それは成長にたいする大きくて深い壁を作ることになってしまいます。
3,「傷跡」が消えない。不安が一生払しょくできない
今回の事件は盗撮であり、加害者はSNS上でその動画や画像を共有していました。つまり、その画像や動画が外部に流出し、一生被害者を苦しめるデジタルタトゥーになってしまう可能性があります(もちろん警察やそのほかの行政機関は盗撮された画像や動画は深追いして削除してくれます)。
そうはいっても、被害に遭われた方は精神的に自分の盗撮された画像が出てくるかもと一生おびえなければなりません。友人や恋人ができても、その画像が出回ってしまったら・・・・と不安を抱えて生きていかなければならないかもしれません。つまり、未来のある子どもにたいして、とても重い荷物を背負わせてしまいます。
こうした犯罪は氷山の一角にすぎない可能性も指摘されています。
「教師」「保育士」「ベビーシッター」など、子どもに関わる職業に就く人の中で、ごく一部でも不適切な行為があれば、その影響は社会全体に波及します。だからこそ今、教育・保育業界全体で信頼の再構築が求められています。
日本版DBS(性犯罪歴確認制度)の重要性
こうした背景の中、注目されているのが日本版DBS(Disclosure and Barring Service)制度です。
これは、イギリスなどで導入されている「性犯罪歴のある人物を、子どもと関わる仕事から排除するための制度」です。
英国ではすでに、教師・保育士・ボランティアなど、子どもや高齢者と接するすべての職業でDBS確認が義務化されています。
日本でも文部科学省や内閣府が検討を進めており、2025年以降の法制度化を目指しています。
日本版DBSが導入されれば、採用時に性犯罪歴を確認し、不適格者を教育現場から排除できる仕組みが整います。
これは「個人の再犯防止」だけでなく、「子どもを守る社会の最低限の防波堤」として不可欠な制度です。
(wikipediaの記事です。前歴開示および前歴者就業制限機構)
※あらためて、日本版DBSに関してこちらで詳しく触れています。たびたびすみませんが、参考にしてください。
子どもを守る壁を築く 性暴力防止のため「しなければならない」こと

行政と教育機関の取り組み
事件後、各自治体の教育委員会は対応を強化しました。
名古屋市はスマートフォンの持ち込み制限を設け、隠しカメラ探知機を導入。
横浜市では第三者委員会を立ち上げ、校内点検を実施。
北海道教育委員会も、撮影機能のある端末を教室に持ち込むことを原則禁止しました。
これらはすべて、「技術的な防止策」です。
同時に大切なのは、倫理教育の再構築と、採用段階での徹底した審査体制です。
行政が動き始めた今、民間教育サービスにも同様の透明性と安全性が求められています。
社会全体で取るべき対策
まず必要なのは、「信頼の可視化」です。
教育や保育の現場では、保護者が安心して子どもを預けられるよう、映像・記録・情報公開を積極的に取り入れるべきです。反対意見もあり、その気持ちも分かります。
私も授業をしている時保護者に見られてと思うと、相当プレッシャーですし、正直嫌です。
ですが、もうそうはいっていられない時になっていると思います。そういうものと受け入れる時代になっていると思います。
また、性犯罪だけでなく、ハラスメントや虐待、心理的暴力に対しても明確なルールを設け、「不適切な行為を発見できる環境」をつくることが重要です。
そして何より重要なのは、子ども自身にも「不快」「怖い」と感じたことを大人に伝える力を育てる教育が必要です。普段から、そういった不快に思ったことを大人に伝える教育をしておく必要があります。
非認知能力教育の一環として、自己表現力や自己防衛の感覚を育てることは、これからの幼児教育に欠かせないテーマと言えるでしょう。
子どもを守るために本当に大切なこと
どんな制度や技術が整っても、最も大切なのは「大人の倫理観」と「信頼の文化」です。
子どもは大人の姿を見て生き方を学びます。
そのため、教育者・保育者が「正しくある」ことを常に意識しなければなりません。
信頼を取り戻すためには、透明性を高め、安心して子どもを預けられる環境を社会全体で作ること。
「信じるに足る仕組み」を作ることが、今の日本に求められています。
リコポ幼児教育の取り組み──安心を“見える化”する

私たちリコポ幼児教育では、こうした事件を受けて、「見えない不安」を見える安心へ変える取り組みを進めています。
- 監視カメラでいつでも保護者が確認可能
お子さまを預けている間、保護者の方はスマートフォンからいつでも様子を確認できます。
これは「見張るための仕組み」ではなく、「安心を共有する仕組み」です。 - 採用時の徹底した身元・経歴確認
応募時に犯罪歴や前職の評価などを厳しくチェックし、教育的倫理観を持った人材のみ採用します。 - 契約時の再確認と研修制度
契約更新の際には再度適性確認を行い、全スタッフに倫理教育と心理的安全性の研修を実施しています。 - 子どもと保護者の声を直接反映する制度
定期的なアンケートとフィードバック会を設け、現場の改善を継続的に行います。
リコポでは「信頼=見える安全」と考え、安心できる教育型ベビーシッターの新しいスタンダードを築いています。
最後に、信頼につながるか分かりませんが、代表である私も、パートナーである鈴木もこの件に関して、極めて不快に思っています。この児童に対する性犯罪、盗撮は徹底的に防止していくことをお互い共有しています。
また私たちは会員様に向けて365日いつでも子育て・教育相談可能な体制を作っています。不安に思うことは、ぜひご相談ください。即答は難しいかもしれませんが、できうる限り迅速に対応いたします。
Q&A(まとめ)
Q1:日本版DBSとは何ですか?なぜ教育現場で必要なのですか?
A:日本版DBSとは、性犯罪歴のある人が子どもと関わる仕事に就くことを防ぐための「犯罪歴確認制度」です。
イギリスなどではすでに導入されており、教育・保育・医療の現場では採用時にこの確認が義務化されています。
日本でも近年、教員や保育士による不祥事が相次いだことを受け、政府が制度化を進めています。
教育現場に信頼を取り戻すためには、採用段階での“安全なフィルター”が欠かせません。
Q2:制度以外に、子どもを守るために家庭ができることはありますか?
A:まずは「安心して話せる家庭環境」をつくることが大切です。
子どもが違和感や恐怖を感じた時に、親に伝えられる関係性を築くことが最大の防御になります。
また、年齢に応じて「自分の体を守る教育(ボディ・セーフティ教育)」を行うのも効果的です。
親の言葉で「触っていい場所・いけない場所」や「イヤな気持ちは伝えていいんだよ」と教えるだけでも、子どもは自信を持って行動できます。
Q3:リコポ幼児教育ではどんな安全対策をしていますか?
リコポ幼児教育では、“安心の可視化”を徹底しています。
お子さまの様子を保護者がいつでも確認できる見守りカメラシステムを導入し、透明性を高めています。また、採用時には経歴・適性の徹底確認を行い、契約更新時にも再確認を実施しています。
「見えない不安を、見える安心に変える」──それが私たちリコポの使命です。
☆リコポ幼児教育では、子どもの成長に寄り添うために会員様には365日いつでも子育て相談を受け付けています。ご家庭に合った解決策を一緒に考えましょう。