思考・言葉・集中力を育てる!発達ピラミッド上層の幼児教育と遊び

「どうしてあの子は、話をしっかり聞けるの?」「集中して学習できる力はいつ育つの?」――その秘密は、発達のピラミッドの“上層”にあります。前々回に基礎の「感覚統合」、そして昨日前回に「体と視覚の協応」を紹介いたしました。そして、それらが積み重なっていき、次はピラミッドの上層部です。発達ピラミッドの上層部に位置する段階こそが「高次機能」「言語・学習」「集中力」にあたります。
これは単なる知識の暗記ではなく、思考・判断・表現といった“学びの本丸”を担う力です。幼児期にこの上層をバランスよく育むことは、小学校受験や中学校受験に直結する直接的な力となり、将来の学びや社会性を大きく支えます。本記事では、遊びを通じて育てる具体的方法と保護者の方の関わり方を詳しくご紹介します。
※前回・前々回 発達ピラミッドの中層部・下層部の記事です。
(前回・見て動く力・ボディイメージの強化)
https://lycopo.com/見て動く力とボディイメージ%e3%80%80中層発達を遊びで/
(前々回・感覚統合の記事)
https://lycopo.com/五感で育てる知性%e3%80%80幼児の感覚統合はすべての学/

(子どもの成長の発達ピラミッドについてまとめています。まずはこちらからご覧ください。)https://lycopo.com/幼児期に大切な感覚統合と発達ピラミッド〜小学/
発達ピラミッドの上層とは?
発達ピラミッドの「上層」には以下の要素があります:
- 高次機能(実行機能)
計画性・自己制御・柔軟な思考を指す。例:順番を守る、問題を解決する、集中を切り替える。 - 言語・学習
語彙の習得、文章理解、表現力、記憶力を伴う学びの基盤。 - 集中力
注意を持続させる力。外部の刺激に惑わされずに取り組む力。
これらは幼児教育でしっかり育てることで、小学受験や中学受験で求められる「言語理解(聞く力)・表現、指示理解(考える力)、課題持続力」へ直結します。
なぜ大切なのか?科学的な視点から
- 実行機能の発達は学力に直結
幼児期の実行機能(ワーキングメモリ・抑制・切り替え)は小学校での成績予測因子とされます。 - 集中力と学力の関係
OECDのPISA調査では、注意力・自己制御が高い子どもほど学習成果が高い傾向が示されています。 - 言語発達と非認知能力の関連
言語で気持ちを表現できる子は、共感・協力といった非認知能力も高まりやすいと報告されています。
※海外の記事ですが、実行機能=認知の柔軟性・ワーキングメモリ・抑制制御といった構成要素を、わかりやすく紹介しています。(https://theeducationhub.org.nz/executive-function-in-early-childhood/?)
具体的な遊びの例
カテゴリー | 活動 | ねらい | 効果 |
---|---|---|---|
見て動く力 | 図形模倣(積み木・ブロック) | 目で見た形を再現する力を育てる | 視覚と運動の協応、空間認知の発達 |
折り紙(お手本を見て真似る) | 手順を視覚から理解して実行 | 計画性、集中力、巧緻性 | |
絵カードの指示で行動 | 言葉や絵から行動に結びつける | 指示理解、実行機能の強化 | |
言語機能 | 絵本読み聞かせ+質問 | 内容を理解して言葉にする | 語彙力、表現力、読解力 |
しりとり | 言葉の連想・発話 | 語彙拡大、柔軟な思考力 | |
カードで分類遊び | グループ分けを考える | 論理的思考、カテゴリー理解 | |
学習・情緒・集中力 | パズル(形合わせ・ジグソー) | 形の認識・完成への粘り強さ | 問題解決力、集中力、達成感 |
数や図形の簡単な課題 | 学習の基礎を遊びに取り入れる | 数量感覚、論理的思考 | |
ワークシート(線引き・塗り絵) | 指示を守って作業を進める | 注意持続力、 fine motor skills(手先の巧緻性) |
育むために必要なこと
- 反復+成功体験:繰り返しできる遊びで「できた!」を積み重ねる。
- 段階的な難易度:簡単→少し難しい→挑戦、と伸ばしていく。
- 言葉と体験のリンク:遊び中に「今は順番を待ってるね」など言葉で補足。
- 安心感ある環境:失敗しても責めない。「またやろう」と促す雰囲気づくり。
親がするべきこと・気をつけること
- 時間を区切る:「15分だけ集中してやってみよう」と枠を決める。
- 褒め方を工夫:結果だけでなく「集中できた」「工夫した」などプロセスを褒める。
- 家庭内での言語環境:会話を増やし、本や絵本に触れる機会を豊かにする。
- 過度な詰め込みに注意:学びは“楽しい”が前提。焦らせすぎない。
Q&A(まとめ)
Q1:高次機能って何歳くらいから育つの?
A:2~3歳から芽生え、5~6歳で急成長します。この時期の経験が小学校以降の学習に直結します。
Q2:集中力が続かない子は問題?
A:心配はいりません。幼児の集中は年齢+1分が目安。最初は短くても、回数を重ねることで伸びていきます。
Q3:受験対策と幼児教育は同じ?
A:重なります。特に実行機能・言語・集中は受験課題(指示理解・口頭試問・行動観察)に直結するため、遊びを通じた教育がそのまま受験準備になります。幼児教育についてよく勉強している当社のベビーシッターなら、さらに効果が高まります。