子どもを守る壁を築く 性暴力防止のため「しなければならない」こと

子どもに対する性暴力という極めて不快なものですが、向き合わねばならない問題ですので本日はこの問題について触れていきます。
いつも大体午前の時間が空いているときにブログを書くようにしているのですが、その前にまずはメールをチェックし、インターネットのニュースを見るようにしています。
9/16午前、早速このニュースでした。(塾生にわいせつ疑い 元教室長逮捕 ※時間経過と共に消えているかもしれません。)
今回のものだけではありません。ここ最近起きた小学校の盗撮、その画像を共有していた事件もありました。(NHKニュース 画像共有グループ開設の名古屋市教員ら2人再逮捕 女子生徒の着替え盗撮の講師など 教員5人を懲戒免職 愛知 ※これも時間経過で消えているかもしれません。)
私がこのわいせつ、盗撮の件に関して許しがたい点はたくさんあるのですが、まずは善悪の判断がまだつきづらい、何をされているかまだはっきりとわからない子どもをねらっているということです。親に言ったら迷惑をかけるかも、恥ずかしい、そもそも嫌な気持ちはするけど、何をされているか分からない子どもをターゲットにしていることが極めて悪質です。いじめのことすらなかなか言えない子どもが、信頼している(せざるを得ない)先生のことをほかの大人に伝えるのはかなり勇気がいります。まさに弱者の弱みに付け込んだ犯罪という点で許しがたい。
さらに、性犯罪は子どもの心に一生の傷を負わせてしまうことです。未来ある子どもが、トラウマを抱えてしまい、社会や大人を信頼できず、たくさんの希望や機会を失わせてしまい、たくさんの学ぶこと、楽しむことを阻害することになります。
もう一点は、盗撮であることです。今回のケースに関して、加害者はスマホで盗撮しただけでなくSNS上でその動画や画像を共有していました。つまり、その画像や動画が外部に流出し、一生被害者を苦しめるデジタルタトゥーになってしまうという可能性があるということです(ちなみに警察やそのほかの行政機関は盗撮された画像や動画は深追いして削除してはくれます)。警察が削除してくれるといっても、被害に遭われた方は精神的に自分の盗撮された画像が出てくるかもと一生おびえなければなりません。つまり、未来のある子どもにたいして、とても重い荷物を背負わせてしまうという点で許しがたい犯罪です。
子どもを持つ親ならだれでも、「もし自分の子が性暴力の被害に遭ったら…」という不安を抱えています。近年、子どもに対する性暴力の報道が増え、その「他人事ではない感」がさらに強まっているように感じます。
私もいくつかの教育機関に勤めたことがありますが、この傾向のある人を見たことも、聞いたこともありますし、実際知り合いが盗撮を行ったことで逮捕されたこともあります。※ただしそのケースは施設内ではなく、外部でのプライベートな時間に盗撮をしていて、現行犯にて逮捕されたケースでした。
そんな奴らの気持ちも、行動も全く分からないといったらその通りですが、一方でそれまでですので、本日はどうやったら外部からの対策で防げるのか、私たちも教育を行うものとして、何をしなければならないのかを考えます。
私たち教育機関で働く者として、情報を正しく理解し、具体的な対策を取ることが急務です。本記事では、最近の情勢、有効な防止策、そして2024年に成立した「日本版DBS(こども性暴力防止法)」の内容と海外との比較、さらに私たちLycoPo(リコポ)の取り組み、そして私たちができることを整理します。子どもにも善悪の判断が未熟な時期があり、そのなかで性犯罪が起きることは、どんな理由があっても決して許されない最低の行為です。
(参考までにNHKニュース 「子どもへの性暴力防止 “防犯カメラの設置が有効” 国の検討会」)
最近の子どもに対する性暴力の状況
- 日本では警察や子ども家庭庁の統計で、子ども虐待全体の中で性暴力(性的虐待・わいせつ行為など)の件数が依然として多く、検挙・相談件数が増加傾向にあります。
ただ、一方私は犯罪者が増えてきたというより、「明るみに出てきた」という方が正しいと思っています。昔の方が教師の権威・権力があり、学校もはるかに閉鎖的でした。つまり、昔は今よりさらに被害者が言い出しづらい状況にあり、また「よくあること」でもみ消されてきたのではないかと感じています。
例えば、昔は「しつけ」ととらえられていたのが、今は「暴力」として認識されるようになっています。私は今の先生方の質が特別に悪くなったと思っていません。昔も悪質な教師は一定数いました。明るみに出ない分、さらにたちが悪かったとも言えます。
また、今回の事件は公立校で起こりましたが、それならば私立なら公立と違い安心と、安易に捉えない方がよいと考えています。公立校と私立高なら、私立の方が独自のシステムで動き、外部からのチェックがより効きづらいので、学校にもよりますが私立のほうがより閉鎖的であると思っています。どんな対策をとっているかしっかり見極める必要があるのではないでしょうか。 - 特に「オンラインでの被害」「SNS・動画共有サイトを通じた性的搾取」など新しい形態も目立つようになっています。
これが今の性犯罪の非常にやっかいなところであり、被害に遭われた方を一生苦しめてしまうことになりかねません。 - また、性暴力が起きた後の支援体制が十分でないと感じる被害者の声や、発見・通報の遅れが問題になるケースがたびたび報じられています。
有効な対策
以下は、子どもを性暴力から守るために実際に効果が認められる対策です:
対策 | 内容 |
---|---|
法制度の整備 | 日本版DBSのような性犯罪歴の照会制度、罰則の強化、被害者を保護する法律の整備。 |
教育・啓発 | 子ども自身への「身体のプライバシー」「同意」教育、親・保育者への研修。 |
通報・相談体制 | 匿名でも通報しやすい窓口、専門カウンセリングの確立。 |
技術的抑止策 | 防犯カメラ、監視システム、アプリなどでの見守り。 |
日本版DBSとは ― 子どもを守るための新しい制度
〇制度の内容
2024年6月に成立した「こども性暴力防止法」に基づき、日本でもいよいよ 日本版DBS が導入されます。
これは「教育や保育の現場で働く人に性犯罪歴がないかを確認する仕組み」で、子どもを性暴力から守るための法的枠組みです。
- 対象となる事業者:小中高校、認可保育所、児童養護施設、そして認定を受けた民間教育・保育事業者。
- 義務となる内容:教員や保育士などに対して性犯罪歴を確認すること。研修を行い、相談体制を整備することも求められます。
- 適用範囲:新規採用者だけでなく、すでに勤務しているスタッフにも確認が義務付けられます。もし性犯罪歴が確認された場合は、子どもと接しない部署への配置転換などの措置が必要です。
- 施行時期:現時点で 2026年12月25日 をめどに制度が動き出すとされています。
☆ 私たちも法制度が定まり次第、勉強しつつ、見極めて取り入れます。
〇なぜ必要なのか
これまでの日本では、性犯罪歴のある人物が教育や保育の現場で働くことを完全には防げていませんでした。再発防止の仕組みが弱く、被害が繰り返されるリスクが課題となっていました。
日本版DBSはこの不安を取り除き、「子どもと関わる仕事をする人は安全に選ばれている」という信頼を築く仕組みです。
〇海外との比較
日本版DBSは、イギリスの DBS(Disclosure and Barring Service) を参考にしています。イギリスでは子どもと関わる仕事に就く際、前科照会は必須で、加害歴がある人は「就業禁止リスト」に登録されます。
オーストラリアやスウェーデンでも「Working with Children Check」のような仕組みがあり、性犯罪歴だけでなく不適切な行動履歴も考慮されます。
これら海外の制度に比べると、日本版DBSはまだスタート段階ですが、研修や相談体制の整備も含めている点が特徴です。
〇今後の課題
もちろん、課題もあります。
- プライバシーと安全性の両立
- 冤罪や判断基準の曖昧さへの懸念
- 事業者の運用コストや準備の負担
- 「初犯」を未然に防ぐ仕組みの弱さ
つまり、制度だけでは不十分であり、教育・啓発・相談体制などを組み合わせることが不可欠です。
日本版DBSは「子どもを性暴力から守るための一歩目」。保護者にとっても、教育機関にとっても、安心を広げる大きな意味を持つ制度です。
(wikipediaの記事です。前歴開示および前歴者就業制限機構)
私たちLycoPo(リコポ)の取り組みと対策
教育機関として、私たちも子どもが安心して過ごせる環境づくりに細心の注意を払っています。具体的には:
- 個別監視カメラ設置:入会時に一人ひとりに監視カメラをお渡しします。また体験時にも、アプリをダウンロードしていただき、いつでも確認できるようにいたします。授業の場において、保護者の方がアプリでいつでも確認可能な体制を整備しています。
- 面接の徹底:スタッフ採用時に面接を重視し、過去の勤務歴・性格・倫理観など確認します。加えて保護者との面談で施設の安全性・方針を共有させてもらいます。
私も、パートナーである鈴木も10年以上の教育機関(保育施設も含めて)での経験もあり、その傾向のある人間を見てきた経験もあります。もちろん100%見抜けるものではありませんが、少しでもその傾向がある人物は、採用から除外します。 - 契約書による確認:利用契約書に性暴力防止に関する条項を明記し、責任の所在を明確にします。
これらにより、保護者の方が安心して子どもを預けられるよう努めています。
防犯は「私たちの特徴」大事な一つです。

そのほか取り組めること
- 子どもへの自己防衛教育:幼年期から「いやなことをいやと言う」「からだを守る場所」を教える。プライベートゾーン(秘すべき場所)の尊重。
- 定期研修:性暴力の兆候・対応マニュアルをスタッフ全員で共有・訓練する。
- 保護者との情報共有:会社の安全方針・防犯対策を公開し、透明性を高く保つ。
善悪の判断が未熟な子どもに対する性犯罪は絶対に最低なこと
子どもは善悪の基準や性的同意をまだ持っていません。そのため、大人が子どもの信頼を悪用して性的な行為を強いることは、どんな理由であっても決して許されるものではありません。心身の成長に深刻なダメージを残し、将来にわたり深いトラウマを引きずる可能性があります。子どもの無力さを利用した性犯罪は、人としての倫理・法律・社会正義のすべてに反する最低の行為です。私たちは被害を防ぎ、子どもが安心して育つ社会を作る責任があります。
Q&A(まとめ)
Q1:性暴力防止のために家庭でできることはありますか?
A1: はい。子どもに「いやなことをいやと言っていい」「体には触れていい部分といけない部分がある」など、年齢に応じたプライベートゾーン教育を日常会話の中で伝えることが大切です。また、信頼できる大人に何でも話せる雰囲気を作ることが最大の予防につながります。
Q2:日本版DBSは本当に効果がありますか?
A2: 性犯罪歴のある人が教育や保育の現場で働けないようにする仕組みであり、再犯防止に有効とされています。ただし「初犯」を完全に防ぐことはできないため、研修や相談体制、監視体制など他の対策と組み合わせることが重要です。
Q3:リコポでは具体的にどんな安全対策をしていますか?
A3: 私たちリコポは、保護者が安心してお子さまを預けられるように、個別の監視カメラ設置・アプリでの映像確認、採用時の丁寧な面接、契約書での安全確認を徹底しています。透明性を高めることで「見える安心」を提供し、信頼を守ります。
子どもへの性暴力防止は、大人が声を上げ、制度を整え、日々の教育の中で子どもを尊重することから始まります。家族も教育機関も、共に守っていきましょう。