「どうして?」と自問する子ども──ひとりごとに表れる思考の芽生え
「どうして雨は降るんだろう」「どうしてダメって言われたんだろう」
気づくと、子どもが“誰に聞くでもなく”つぶやいていることがあります。
一見すると独り言のようですが、そこには子どもなりの思考のプロセスが動いています。
この「どうして~だろう」という自問自答は、知的好奇心や論理的思考が芽生え始めたサインであり、同時に大人との関係性にも変化をもたらします。
本記事では、子どもが「どうして」と考え始める意味、そのひとりごとが示す発達、時に“やっかい”に見えてしまう行動の背景、そして大人がどう関わればよいのかを、具体例を交えて整理します。
目次
- 「どうして~だろう」と自問する子ども
- ひとりごとが意味するもの──思考の内在化
- “やっかい”に見える子どもたちの背景
- 子どもの特性を理解し、冷静に関わる
1. 「どうして~だろう」と自問する子ども
4歳前後になると、子どもは次第に「どうして~なんだろう」と、自分に問いかけるような独り言を言い始めます。
たとえば、ブランコが揺れるのを見ながら「どうして前に行くんだろう」とつぶやいたり、注意された後に「どうしてダメなんだろう」と小さく考え込んだりする姿です。
この時期の子どもは、単に“知りたい”だけでなく、「物事には理由がある」ということに気づき始めています。
そして、その理由を大人から与えられるのを待つだけでなく、自分なりに考えようとする姿勢が芽生えてきます。
たとえ答えが的外れであっても、「考えようとしている」こと自体が大きな成長です。
2. ひとりごとが意味するもの──思考の内在化
子どものひとりごとは、単なる独り言ではありません。
発達の観点から見ると、これは思考が外に漏れ出ている状態とも言えます。
幼い子どもは、考えることと話すことがまだ分化していません。
そのため、頭の中の思考がそのまま言葉として表に出てきます。
「どうしてだろう」「さっきママが言ってたのは…」といった言葉は、
子どもが経験を整理し、意味づけしようとしている途中経過なのです。
やがて成長とともに、この“声に出た思考”は内面化され、
黙って考えられるようになっていきます。
つまり、ひとりごとは考える力が育っている証拠であり、決して「おかしな行動」ではありません。
3. “やっかい”に見える子どもたちの背景
「どうして?」と考える力が育つと、行動にも変化が現れます。
中には、大人から見ると扱いづらく感じる子どももいます。
たとえば、理由のない一方的な命令に従わなくなる子ども。
「とにかく言うことを聞きなさい」と言われると納得できず、「どうして?」と問い返したり、動こうとしなかったりします。
また、大人の言葉をよく覚えていて、後になって「前はこう言ってたよね」と反論する子もいます。
こうした姿は、「素直じゃない」「かわいくない」と受け取られてしまうこともあります。
しかし実際には、相手の言葉を理解し、理由を考え、自分の中で整合性を取ろうとしているだけなのです。
論理的に考え始めた結果、表面的には“扱いにくさ”として見えているにすぎません。
※関連記事です。
「自分と会話できる子」は強い—幼児期に育てたい“自己内対話能力”

4. 子どもの特性を理解し、冷静に関わる
このような時期の子どもと関わるうえで大切なのは、
「言うことを聞かせる」ことよりも、「考える力をどう支えるか」という視点です。
たとえば、子どもが「どうしてダメなの?」と尋ねたとき、
時間や余裕があれば、できる範囲で理由を伝えてみることが有効です。
「危ないからだよ」「今はみんなが使う時間だからね」といった簡単な説明でも、
子どもは“納得できる理由がある”ことを学びます。
一方で、毎回丁寧に説明できない場面も当然あります。
その場合でも、「今は説明する時間がないけれど、あとで話そうね」と伝えるだけで、
子どもは“理由を聞こうとした自分”を否定されずに済みます。
大人が感情的に否定せず、子どもの特性を理解したうえで冷静に関わること。
それが、子どもの「どうして?」を、反抗ではなく思考の芽生えとして育てる関わり方につながっていきます。
※関連記事です。
子どもの「ひとりごと」は心が育っている証拠
参考:子どもが「why(どうして)」と質問することの研究(PMC)
関連Q&A 三問
Q1. 子どもが「どうして~だろう」と独り言を言うのは問題ありませんか?
問題ありません。むしろ、物事には理由があると気づき、自分なりに考える力が育ってきたサインです。思考が言葉として表に出ている発達段階と捉えることができます。
Q2. 理由のない命令に従わない子どもは、反抗的なのでしょうか?
必ずしも反抗ではありません。「なぜそうする必要があるのか」を理解しようとする思考の成長が背景にあります。理由を知りたい気持ちが強くなっている状態です。
Q3. 「素直じゃない」「かわいくない」と感じてしまうとき、どう向き合えばよいですか?
その子は大人の言葉をよく理解し、自分の中で整理しようとしている可能性があります。感情的に否定するのではなく、「考えられるようになってきた成長」と捉え、落ち着いて関わることが大切です。
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