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「16歳未満SNS全面禁止」に関して 日本社会といじめ

「16歳未満SNS全面禁止」に関して 日本社会といじめ

今回の先日施行され、世界的にも注目されているオーストラリアの「16歳未満のSNS禁止」についてです。本当は前編後編で終わらせるつもりでしたが、どうしても書きたいことがあり、長くもなりすぎましたで、3回に分割してお伝えします。
※関連の記事です。
 オーストラリアの「16歳未満SNS全面禁止」をどう読むか【前編】
 【後編】豪州のSNS規制法案ー日本はどうすべきか

前回、前々回とオーストラリアの規制に関しての前提と比較、日本はどうすべきかお伝えしましたが、
今回は、前回の【「SNSを禁止すると別の問題が起きる」子どもの人間関係が「学校コミュニティ一極集中」】この部分に注目します。
この前提を無視してSNSだけを規制すると、別の問題──いじめ・孤立・自殺リスク──がむしろ高まる可能性があります。

(目次)

  1. 日本特有の問題構造(簡単なおさらい)
  2. 子どもが「同級生コミュニティ」から抜け出せない理由
  3. 脳科学・心理学から見る“コミュニティ依存”
  4. 宗教団体やカルトとの構造的な共通点
  5. いじめ問題と直結する可能性
  6. SNS規制が日本で難しい「本当の理由」
  7. 子どもをコミュニティ依存から解放するために、家庭ができること
  8. 規制の前に、“土台となる社会構造”を変える必要性

以上の流れで、「安易に規制に賛成してはいけない理由」を丁寧に解説します。

16歳未満のSNS制限、豪州で世界初の法施行 企業に巨額罰金も(朝日新聞)
豪が16歳未満のSNS禁止法施行、世界初 首相「誇らしい日」(ロイター通信)


1. 日本特有の問題構造(簡単なおさらい)

すでに前回も述べた通り、日本の子どもたちの人間関係は学校コミュニティに極端に集中しています。
放課後の活動も、遊びも、塾も、ほとんどが学校の延長線上にあるため、同級生との関係が“人生の中心”になりやすいのです。

さらに日本では、
「クラス替えは年に一度」「授業は固定メンバー」「学年は横並びで進む」
といった仕組みが強く働いています。

この構造は世界でも珍しく、子どもにとって学校は唯一の居場所になりがちです。
そのため、学校でのつまずきは「世界全体が壊れる」ほどの衝撃になります。

SNSは、ここから抜け出すための“もうひとつの窓”として機能してきました。

※特に前回記事の「2-①」をご覧ください。
  【後編】豪州のSNS規制法案ー日本はどうすべきか


2. 子どもが「同級生コミュニティ」から抜け出せない理由

大人はつい「学校以外で友達を作ればいい」と言いがちですが、子どもには簡単ではありません。

理由は明確で、
子どもにとって学校は“唯一の社会”だからです。

大人には会社、近所、趣味、オンライン、家族など複数のコミュニティがあります。
しかし子どもにはその選択肢がほとんどありません。

さらに、子どもは心理的に
「同じ学年の仲間に認められること」
を強く求めます。

これは脳の発達段階として自然なことで、
仲間から排除されることが“死活問題”のように感じられる時期なのです。

だからこそ、学校が合わなくても、子どもはそこから離れられません。


3. 脳科学・心理学から見る“コミュニティ依存”

脳科学では、人間は「社会的排除」を身体的な痛みと同じように感じることがわかっています。
研究では、仲間外れにされたときに働く脳の領域が、ケガをしたときと同じ場所でした。

つまり子どもにとっては、

「クラスから外れる」
=「ケガをするほど痛い出来事」

なのです。

さらに、心理学では「帰属欲求」と呼ばれる、
“集団に属したい”という強い本能が説明されています。

子どもはまだ複数の居場所を形成する力が弱いため、依存しやすくなります。


4. カルトとの構造的な共通点

これは決して子どもを侮辱する意図ではなく、構造の話です。

学校から抜け出せない理由は、
搾取的な団体から抜けられない人が抱える苦しみと、驚くほど似ています。

カルトも学校も、

● 世界がその中で完結している
● 外に出ると“危険”だと感じさせる構造
● 仲間とのつながりが生活の中心
● 外れたら自分の価値が揺らぐ

という共通点があります。

つまり、
コミュニティへの依存は「弱さ」ではなく人間の特性です。

だから、子どもが学校から離れられないのはある意味“普通”のことなのです。


5. いじめ問題と直結する(重要)

ここが今回の記事の核心です。

私はいじめに関して「いじめをなくすこと」「自殺を防ぐこと(子どもを守ること)」を分けて考えるべきだと考えています。
簡単に言うと「いじめ自体をなくすことはかなり難しいが、自殺を防ぐ、子どもの心身を守ることはできる」と思っています(いじめ問題に関してはまた詳しく書きます)。

いじめにおいてはまずは最悪の事態から子どもを守らなければなりません。そのためには「学校」というコミュニティ依存からひとまず線を引くことが大事だと私は考えています。

学校が子どもにとって唯一のコミュニティである限り、
いじめは“ただのトラブル”ではなく、
子どもにとって世界の崩壊を意味する危機になります。

大人から見ると「そんなに思い詰めなくても」と感じられる場面でも、
子どもは逃げ場を失います。

いじめられることはもちろん、
「クラスで浮いている」「グループに入れない」
という程度の孤立でも、
子どもにとっては“存在否定”のような痛みになります。

もしSNSを取り上げられた場合、
学校で孤立した子は、つながりの全てを失うことになりかねません。

国レベルの規制は、
この「日本の構造的な弱さ」を見逃して議論されがちです。

オーストラリアは地域クラブや宗教コミュニティなど、
学校以外のつながりが豊富ですが、
日本にはそれがありません。

だから単純に真似するわけにはいかないと思っています。

オーストラリアのSNS規制

6. SNS規制が日本で難しい「本当の理由」

日本では、SNSは

● いじめの温床
● 誹謗中傷の場

として語られがちですが、
現実には “逃げ場”としての役割 も果たしています。

学校でつらい思いをしている子どもにとって、
SNSのつながりは「別の居場所」そのものです。

もし規制でそれを奪ったら、
子どもは学校という一つの世界に閉じ込められます。
これは危険です。

規制を議論するなら、
「SNSを取るなら、代わりの居場所をどう用意するのか」
をセットで考えなければいけません。


7. 子どもをコミュニティ依存から解放するために、家庭ができること

家庭ができることは「学校以外の世界を見せる」ことです。

一度に大きく変える必要はありません。

自然と視野が広がる経験を積ませるだけで、
子どもは「学校がすべてではない」と理解できます。

たとえば、

● 家庭内に“安心して弱音を吐ける空気”をつくる
● 学校以外の趣味や習い事を試してみる
● 家族以外の大人とつながる機会をつくる
● 子どもが「逃げる」ことに罪悪感を持たないように伝える

SNSを禁止する前に、
“学校以外にも自分を受け入れてくれる世界がある”
という感覚を育てることが大切です。


8. 規制の前に、“土台となる社会構造”を変える必要性

SNS規制そのものを“良い・悪い”で語る前に、
日本が抱える根本問題を理解しなくてはいけません。

日本では、

● 学校の流動性が低い
● 子どもの居場所が1つに偏りやすい
● 横並び文化が強く、外れることに恐怖がある

こうした構造的な弱さが存在します。

このままSNSだけを規制すると、
子どもは逃げ場を完全に失い、いじめ・孤立・心の危機が深刻化する可能性があります。

オーストラリアと日本で「規制の効果が違う」のは当然なのです。

SNSをどうするかの前に、
なぜ日本の子どもたちはSNSに頼らざるを得ないのか
という土台から議論する必要があります。

3回にわたってこSNS規制に関しての問題を取り上げました。
スマホ規制条例の時もそうですが、こういったニュースが出ることで国民的議論、家族間議論が高まることはとてもいいことだと思います。
これからも、何か教育に通じる時事問題があれば取り上げて、私の考えを伝えることができればと思います。


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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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