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【幼児期の競争心は悪くない】でも、こだわらせ過ぎない

【幼児期の競争心は悪くない】でも、こだわらせ過ぎない

4・5歳ごろから始まる“勝ち負け”との上手な向き合い方

「ぼくのほうが速い!」「わたしの勝ち!」
4~5歳ごろになると、子どもたちは急に“勝ち負け”を強く意識するようになります。
かけっこやじゃんけん、簡単なゲームの中で、「勝ちたい」「強いって言われたい」という気持ちが芽生え、負けると悔し泣きをする姿も見られるようになります。

この姿を見て、
「競争させるのはよくないのでは?」
「勝ち負けにこだわりすぎると性格がきつくならない?」
と心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、競争そのものは子どもの成長にとって決して悪いものではありません。
競争心は、子どもの「もっとやってみたい」「次はできるようになりたい」という意欲を引き出す、大切な原動力にもなります。

ただし同時に、勝ち負けに“こだわらせ過ぎる”ことは注意が必要です。
勝つことばかりを重視すると、負けた相手への配慮ができなくなったり、ルールを軽視したりする気持ちが育ってしまうこともあります。
競争を経験させることと、競争に振り回されない心を育てること。
このバランスこそが、幼児期の関わりでとても大切なポイントです。


目次

  1. 子どもが競争を意識し始める時期
  2. 「勝ちたい」「強いと言われたい」子どもの心理
  3. 競争心が引き出す子どもの潜在能力
  4. 競争に“縛られない”ための大人の関わり
  5. 負ける経験が子どもの社会性を育てる
  6. 悔し泣きとの向き合い方
  7. 「負けても次がある」という感覚を育てる

1.子どもが競争を意識し始める時期

多くの子どもは、4~5歳ごろになると「自分」と「他者」をはっきり意識できるようになります。
それまでは一緒に遊んでいるだけで楽しかった遊びも、次第に「どっちが速いか」「誰が勝ったか」といった比較が生まれるようになります。

かけっこで順位を気にしたり、じゃんけんの勝敗に一喜一憂したりする姿は、「他の子」と自分を比べる力が育ってきた証でもあります。
これは、社会性が発達してきた自然な変化であり、決して問題行動ではありません。


2.「勝ちたい」「強いと言われたい」子どもの心理

子どもは、大人の言葉や態度をとても敏感に受け取ります。
「すごいね」「勝ったね」「強いね」といった言葉は、子どもにとって大きな喜びであり、自信につながります。

一方で、「勝つこと=価値がある」「負けること=ダメなこと」という受け取り方になってしまうと、勝敗へのこだわりが強くなり過ぎることもあります。
負けたときに極端に落ち込んだり、勝つためなら多少ルールを無視してもいいと考えてしまったりする姿が見られる場合、子どもは“勝つことそのもの”に縛られている状態かもしれません。

※これはほめ方にも関係してきます。
 子どもを伸ばす正しい「ほめ方」―才能ではなく努力を認める

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3.競争心が引き出す子どもの潜在能力

競争心は、うまく育つと子どもの挑戦意欲を引き出します。
「次は勝ちたい」「もう一回やりたい」という気持ちは、繰り返し挑戦する力や粘り強さにつながります。

ただし、競争心が「勝たなければ意味がない」「負ける人は価値が低い」という方向に傾いてしまうと、社会性の芽が育ちにくくなります。
競争は、誰かを打ち負かすためのものではなく、自分の中の“成長したい気持ち”を刺激するためのもの。
この視点を、大人が意識して示していくことが大切です。

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4.競争に“縛られない”ための大人の関わり

競争の場面で、大人がどこに目を向けるかはとても重要です。
勝ったか負けたかだけでなく、
ルールを守れたか、
相手を思いやる態度があったか、
最後まであきらめずに取り組めたか、
といった“過程”を言葉にして伝えることが、子どもの心の育ちにつながります。

勝ったときも「すごいね」だけで終わらせず、
「ルールを守って遊べたね」
「相手の子にも優しくできたね」
と声をかけることで、競争の中にも大切なマナーや配慮があることを学んでいきます。

※他者のことをしっかり考えられる子どもの方が幸福な人生を歩みます。
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5.負ける経験が子どもの社会性を育てる

負けることは、子どもにとってつらい経験です。
しかし、その経験があるからこそ、負けた人の気持ちを想像できるようになり、「どうすれば次はうまくいくかな」と考える力も育ちます。

もし常に勝つ経験ばかりが続くと、思い通りにならない場面に出会ったときに、気持ちの整理が難しくなることがあります。
負ける経験は、子どもが社会の中で人と関わっていくための大切な土台でもあります。


6.悔し泣きとの向き合い方

負けて泣いてしまうのは、決して悪いことではありません。
悔し泣きは、子どもが本気で取り組んだ証拠でもあります。

大人がすぐに「泣かないの」「次は勝てるから」と気持ちを切り替えさせようとするよりも、
「悔しかったね」
「負けるとつらいよね」
とまず気持ちを受け止めることで、子どもは少しずつ感情を整理する力を身につけていきます。


7.「負けても次がある」という感覚を育てる

競争を経験しながらも、勝ち負けに縛られ過ぎない心を育てるためには、「一回の結果がすべてではない」という感覚を大人が伝え続けることが大切です。

「今回は負けたけど、次はどうなるかな」
「練習したら変わるかもしれないね」

こうした言葉は、子どもに“続きがある世界”を感じさせます。
競争を、白黒をつける場ではなく、成長の途中にある一つの出来事として受け止められるようになると、子どもはよりしなやかに人と関われるようになります。

参考:The Power of Competition: Effects on Effort and Learning(Frontiers)


Q&A三問

Q1.子どもに競争させるのはよくないのでしょうか?

競争そのものは悪くありません。4~5歳ごろから芽生える「勝ちたい」という気持ちは、挑戦意欲や粘り強さを育てます。ただし、勝ち負けにこだわり過ぎると、負けた相手への配慮やルールを守る姿勢が育ちにくくなることもあります。勝敗よりも過程や態度に目を向ける関わりが大切です。


Q2.負けると泣いてしまうのですが、どう対応すればよいですか?

悔し泣きは本気で取り組んだ証拠でもあります。すぐに止めさせるより、「悔しかったね」と気持ちを受け止めてあげましょう。落ち着いたあとで「どうしたら次はうまくいくかな」と振り返ることで、感情のコントロールや工夫する力が育っていきます。


Q3.勝ち負けにこだわらせ過ぎないために家庭でできることは?

勝敗だけで評価せず、「ルールを守れた」「最後まで頑張った」「相手を思いやれた」といった行動や姿勢を言葉にして伝えましょう。「負けても次がある」というメッセージを繰り返し伝えることで、競争に縛られないしなやかな心が育ちます。


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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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