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【愛着】の発達について 親子関係の“安心の土台”をどうつくるか?

【愛着】の発達について 親子関係の“安心の土台”をどうつくるか?

子育てをしていると、子どもの甘え方や親への距離感に「この子は少し慎重だな」「この子はすごくべったりだな」など、**“個人差”を強く感じる場面があります。
実はこうした違いは、心理学でいう
「愛着(アタッチメント)」**のスタイルに深く関わっています。

愛着は、赤ちゃんが「この人は自分を守ってくれる」と信じられるかどうかで形成される “生涯の安心の土台”。そして、エインズワースの研究により、その形成過程は細かく観察され、4つのタイプに分類されました。

今日は、代表的な研究『ストレンジ・シチュエーション法』と、そこから導かれた4つの愛着タイプを分かりやすく解説しながら、「じゃあ親はどんな関わりを心がければいいの?」という実践ポイントまで丁寧にまとめていきます。

※愛着(アタッチメント)についての別の記事です。こちらも参考にどうぞ。
 教育におけるアタッチメントとは? 大切にしたい心の安全基地


愛着には大きな“個人差”がある

愛着はすべての子どもに自然と生じますが、その質には個人差があります
例えば、
・ある子は親から離れても落ち着いて遊ぶ
・ある子は少し離れただけで泣いてしまう
・ある子は甘えることより探索を優先しがち
など、行動はさまざまです。

この“違い”は、子どもの気質だけでなく、日々の関わり方・環境・生活リズム・ストレスなど多くの要素で変化していきます。

つまり、「○○型だから良い/悪い」ではなく、子どもが安心できる関係を少しずつ積み上げることが最も大切です。

教育におけるアタッチメント

エインズワースの『ストレンジ・シチュエーション法』

■ストレンジ・シチュエーション法とは

愛着を観察するために、心理学者エインズワースが開発した研究方法です。
1歳前後の子どもに、軽いストレスを感じる場面(親との別れ、他者との再会など)を経験してもらい、その行動から愛着の質を判断します。


■ストレンジ・シチュエーション法の「8つの場面」

  1. 親子+見知らぬ実験者が部屋に入る
  2. 親が子どもを部屋で遊ばせる
  3. 見知らぬ実験者が近づく
  4. 母親が退室し、見知らぬ人と子どもだけになる(第一の別れ)
  5. 母親が戻り、見知らぬ人が退出(第一の再会)
  6. 母親が再び退室し、子どもが一人になる(第二の別れ)
  7. 見知らぬ人が戻る
  8. 母親が戻る(第二の再会)

この 「離れる→戻る」の瞬間が、愛着の状態を最もよく反映するとされています。



※外部の参考サイトです。ストレンジ・シチュエーション法の概要、8つの場面、3〜4分類まで丁寧に解説されています。
メアリー・エインズワース:愛着理論とストレンジ・シチュエーション (Attachment Project)


メインとソロモンの「4つの愛着分類」

エインズワースの研究をさらに発展させたメインとソロモンは、子どもの行動パターンを次の4つに分類しました。

  1. 安定型
  2. 回避型
  3. アンビバレント型
  4. 無秩序・無方向型

ここからは、それぞれのタイプがどんな特徴を持つのか、また親の関わりの傾向とあわせて解説します。


愛着の4タイプと “親の関わりの傾向”

①安定型

●特徴

・親から離れると不安がるが、戻ると安心して甘える
・泣いてもすぐに気持ちを切り替えられる
・探索行動(遊び)と安心を行き来できる

●親の傾向

・日々の関わりが一貫している
・泣いたときに適度なスピードで応答する
・感情を否定せず、受け止めてくれる

●ポイント

安定型は「親が自分を助けてくれる」という確信があるため、安心して冒険(探索)できるタイプです。
この状態を目指すことが、最も健全な愛着の発達とされています。


②回避型

●特徴

・親が離れても泣かない
・親が戻っても大きな反応を示さない
・表面上落ち着いて見えることが多い

●親の傾向

・甘えや泣くことに対して距離を置く
・「自立してほしい」という気持ちは強いが、情緒的な応答が少なめ
・困っていても気づきにくいケースも

●ポイント

表面的には大人びて見えるものの、実は「甘えても応えてもらえない経験」を積み重ねた結果、自分で感情を抑える習慣ができやすいとされています。
責めるのではなく、“感情に応じた共感的な関わり”を少しずつ増やすことが改善の鍵。


③アンビバレント型

●特徴

・親が離れると強く不安がる
・戻ったときに甘える+怒る(よじ登るが叩くなど)両方の反応
・気持ちの切り替えが難しい

●親の傾向

・応答がときどき過剰で、ときどき不足し、一貫性が揺れやすい
・親自身が精神的に余裕がない時期に起きやすい
・「応えてもらえる時/もらえない時」の差が大きい

●ポイント

親の応答の揺らぎが、子どもの不安定さに直結するタイプです。
日々の生活リズムや、親自身のメンタルケアも大切になります。


④無秩序・無方向型 ※注意が必要

●特徴

・再会時に混乱した行動(近づきながら固まる、後ずさる、突然泣く)
・行動に一貫性がなく、不安が非常に大きい

●親の傾向

・虐待・ネグレクト・DVなど強いストレスを抱えた環境に見られやすい
・親側が恐怖の対象になる場合もある

●ポイント

発達心理学でも特に支援が必要とされるタイプです。
家庭環境のストレスが関わることが多く、親子支援・専門機関のサポートが非常に重要です。


愛着は“変えられる”―日々の積み重ねが未来をつくる

愛着タイプは「一度決まると一生変わらない」わけではありません。
むしろ、家庭環境・親の余裕・関わり方の工夫などで、何歳からでも改善する可能性があります


▼今日からできるポイント

  • 子どもが泣いたらすぐに「不安なんだね」と気持ちを代弁する
  • 生活リズムを整えて、親子ともに余裕ある状態をつくる
  • “指示”より“共感”を一つ多めに
  • 子どものペースに合わせたスモールステップで安心を積む

親子関係は「点」ではなく「線」。
毎日の小さな積み重ねが、将来の大きな安心につながります。


今日のおさらいQ&A3問


Q1. 愛着にはなぜ個人差があるの?

→子どもの気質だけでなく、親の応答の仕方、生活リズム、環境ストレスなどの積み重ねで愛着の質は変化するため。毎日の関わりが“安心の土台”をつくります。


Q2. ストレンジ・シチュエーション法では何を見るの?

→親との「別れ」と「再会」に対する子どもの反応を観察し、愛着の安定性や安心の程度を判断します。特に再会時の行動が重要とされています。

Q3. 4つの愛着タイプで気をつけるべきものは?

→無秩序・無方向型は子どもの不安が大きく、行動に一貫性がないため、家庭環境や親子関係に強いストレスが背景にあることも。専門的なサポートが推奨されます。



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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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