だだこね・自己主張が強い子への最適な関わり方
「受け止めて、切り返す」で第二の自我を育てる幼児教育
幼児期になると、「いや!」「これじゃなきゃダメ!」「もっと!」と、強い自己主張や“ただこね”が一気に増えてきます。
保護者の方にとっては大変ですが、実はこの時期の“こだわり”や“自己主張”は、子どもが自分の気持ちを形成し、他者との関係を学び始めているサインでもあります。
しかし、「言いなりになるのも違う」「かと言ってガツンと叱るのも逆効果…」。
この葛藤に悩むご家庭は非常に多く、幼児教育の視点からも支援が必要なテーマです。
本記事では、
- だだこね・こだわりの本質
- 「受け止める」と「受け流す」の違いと実践例
- 強い自己主張と第二の自我の育ちの関係
- 保護者ができる“切り返し”のコツ
をわかりやすく解説します。
幼児の“強い気持ち”は、正しく関われば「他者理解」「自制心」「思考力」へと育ちます。
ぜひ今日から取り入れられるかかわり方を見つけてください。
だだこね・こだわりとは何か
●多い年齢と発達背景
だだこねや強いこだわりが目立つのは1歳に始まり、2〜4歳頃にピークを迎えます。
自我の芽生えが強まり、「自分の意志」がはっきりしてくる一方で、思考力や言語力は十分ではありません。このアンバランスさが“こねる”“泣き叫ぶ”“こだわりが激しい”という行動に現れます。
●要求を身体と言葉で表す
幼児は、
- 思考がまだ感情に引っ張られやすい
- 語彙が未発達
- 身体感覚が優位
そのため、
「いや!」
「これだけは絶対イヤ!」
「もっともっと!」
などの言葉に加えて、
泣く・暴れる・物を投げるなどの身体的表現も混ざります。
●社会的規範意識はまだ役に立たない
「みんなやってるよ」
「ダメなことはダメなの」
といった“社会ルール”の説明は、この時期には効果が薄いのが特徴です。
理由は、
- 他者視点がまだ未発達
- 社会的規範より「自分の感情」が最優先
- 論理より“今この瞬間の体験”に反応する
からです。
つまり、いくら「言って聞かせる」を頑張っても届きにくい。
土台として必要なのは、感情と行動の受け止めです。
※規範意識についてはこちらの記事を参考にしてください。
子どもの「規範意識」をどう育てる?自由とルールのバランスが大事
幼児期は、情緒の土台が最も大きく育つ時期です。
大人の関わりによって、ただこねは“成長のステップ”に変わります。
「受け流す」と「受け止める」の違い
●「受け流す」とは
子どもが欲しいと言えば与えることです。子どもの言いなりになる関係をいいます。
●「受け止める」とは
子どもの“気持ち”に焦点を当てること。
例:受け止める言葉
- 「そうか、赤いコップが良かったんだね」
- 「もっと遊びたかったんだよね」
- 「イヤだった気持ちが強かったんだね」
子どもは「気持ちがわかってもらえた」と感じると、感情の波が落ち着きやすくなります。
これは自己肯定感(自分の気持ちは大切だと感じる力)の根本になる部分です。
●言いなりになる関係の弊害
- 子どもは「泣けば通る」と学習してしまう
- 自己主張は強まる一方で自制心が育ちにくい
- 親子の力関係が不安定になる
- 集団生活でのトラブルが増える
“要求の達成”ではなく、気持ちの承認を目的にすることが重要です。
●行動の背後にある「想い」への理解
だだこねの背景には、
- 不安
- こだわり
- 疲れ
- 環境刺激の多さ
- 自己主張の練習
など、子どもなりの理由があります。
表に見える行動に振り回されず、
「この子は何を感じたのかな?」
と一度立ち止まることで、対応の質が大きく変わります。
だだこねに対するコツ
●① 大人が落ち着くこと
子どもは大人の表情・声のトーンの影響を強く受けます。
大人が感情的になると、火に油を注ぐ状態に。
深呼吸して、
「大丈夫だよ、落ち着いて話そうね」
という雰囲気を作り出すことが“収束の第一歩”です。
●② 冷静さを保つ
叱るのではなく、説明するときは
- 短く
- ゆっくり
- 落ち着いた声
で伝えることがポイント。
長い説教は、幼児の頭には入りません。
●③ 子どもの言葉を受け止める
要求を通す必要はありませんが、感情は必ず言語化しましょう。
- 「そうなんだね」
- 「イヤだったんだね」
- 「そう感じたんだね」
これは信頼関係を築くベースになります。
●④ 信頼関係を育てる
だだこねが落ち着く子は、
- 大人が自分を理解してくれている
- この人に気持ちを伝えても大丈夫
と感じています。
“言いなり”ではなく、適切な受容と境界線があると、子どもはかえって安心します。
子どもの癇癪 原因と対処法(オンライン心療内科メンクリ)
※対処法に関して詳しく説明した外部のサイトです。
能動的に大人の言葉を受け止めようとする子どもへ
自己主張が強い子ほど、実は
大人の対応をよく観察している
という特徴があります。
- 大人が落ち着くと、子どもも真似する
- 大人が短く説明すると、理解しやすい
- 大人が理由を言えば、納得しやすい
- 大人が受け止めてくれると、気持ちが落ち着く
能動的に言葉を受け止める力は、
「第二の自我(自分の心を客観的に見る力)」の土台になります。
※第二の自我についてはまた詳しくご説明します。
ひとまずメタ認知に関してはこちらをご覧ください。
子どもの未来を変える「メタ認知」とは?幼児期から育む最強の学習力

今日のおさらいQ&A3問
Q1.だだこねは“甘やかし”で増えるのでしょうか?
→いいえ、甘やかしとは直接関係ありません。
だだこねは主に「自我の成長」「感情の処理が未熟」「言語化能力の発達途中」によって自然に起こるものです。甘やかしというより、発達段階の一つと捉えることが大切です。大人の適切な受け止めや境界線があれば、ただこねは徐々に落ち着いていきます。
Q2.だだこねが激しい時、最初にやるべきことは何ですか?
→まず“大人が落ち着くこと”です。
子どもは大人の表情や声のトーンに影響されやすく、こちらが冷静になるだけで大きく落ち着く場合があります。深呼吸し、短い言葉で「気持ちはわかったよ」と伝えるだけで、感情の波が整い始めます。対応の第一歩は、親の安定です。
Q3.強い自己主張は将来問題になりますか?
→適切な関わり方をすれば、大きな強みに変わります。
受け止めて、少しだけ大人の視点を提示する“切り返し”を積み重ねることで、自分の気持ちと他者の視点を同時に扱える「第二の自我」が育ちます。これは自己調整力・社会性・思考力の基盤となり、将来の学びや人間関係にも良い影響をもたらします。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)