なかなか始めない子どもに「やればできる!」を育てる方法
前回の子どものやる気を出すために「動機づけ」の記事を書きました(【子どものやる気を引き出す方法】「動機づけ」の正体と育て方)。本日はそれに関連する記事です。子どものやる気を出すために必要なこと「動機」に続いて、今日のキーワードは「期待」です。
子どもの「やる気」は、ただの気分ではなく、心理学的に裏づけのある“期待”の力によって支えられています。前回の記事で紹介した「動機づけ」とあわせて、今回はバンデューラの「効力期待」という理論をもとに、子どもが「やればできる!」と感じる力をどう育てるかを解説します。
子どもが行動する背景にある「動機」と「期待」
子どもが行動するとき、そこには必ず「動機」と「期待」があります。
「やってみたい!」というワクワクも、「できるかもしれない」という期待も、行動を起こすための原動力です。
しかし、期待が「どうせできない…」に変わると、どんなに興味があっても行動が止まってしまいます。
つまり、子どもの行動を左右するのは、“自分はできる”という信念=効力期待なのです。
バンデューラと「期待」の理論
この考えを体系的に説明したのが、心理学者アルバート・バンデューラ(です。
彼は社会的学習理論の中で、人の行動は「期待」によって導かれると説明しました。
この“期待”には2つの種類があります。
- 結果期待:行動すれば結果が得られるという見込み
例:「勉強すればテストで点が取れる」 - 効力期待:自分にはそれを実行できる力があるという確信
例:「私は勉強すれば必ず点が取れる」
両者はつながっていますが、子どもの学びにおいて注目すべきなのは後者の「効力期待」です。
なぜなら、行動を起こす・続ける・乗り越えるという一連の力を支えるのがこの“自己効力感”だからです。
効力期待を高める4つの要素
バンデューラは、効力期待を高めるには次の4つが有効だと述べています。
(1)成功体験
自分の力で成功した経験こそが、最も強力な「できる!」の源です。
「できた!」という感覚が積み重なると、次への挑戦も怖くなくなります。
(2)代理経験
他人の成功を見て「自分にもできそう」と感じること。
同じ年齢の友だちや兄弟の頑張る姿は、何よりの刺激になります。
(3)言語的説得
「あなたならできるよ」と信じてくれる言葉が子どもの背中を押します。
ただし、根拠のない励ましよりも「昨日より字が上手に書けたね」など、具体的な言葉が効果的です。
(4)生理的・情動的喚起
心が安定しているときほど、子どもは挑戦に前向きになれます。
睡眠や生活リズム、家庭の安心感も「やればできる」の土台を支えています。
“心理学者アルバート・バンデューラの「自己効力感」とは?”(StudyHacker)
※大人に向けてのサイトですが、成功体験、代理経験、言語的説得、情緒的覚醒という4つの要素まで具体的に紹介されています。
「やればできる」は魔法の言葉ではない
この4つの中で最も重要なものこそ1の「成功体験」です。この成功体験の積み重ねが子どもの「やればできる」につながり、モチベーションにもつながっていきます。
「やればできる」という言葉は、努力を促す励ましとしてよく使われます。
しかし、本当に子どもの心に響かせるには、「やれば」→「できた」→「またやろう」という実感の循環が必要です。
つまり、口で言うだけではなく、実際に“できた経験”を積ませる環境が不可欠です。
親や教育者ができるのは、「やってみたい」と思える小さなステップを用意し、その成功を丁寧に認めることです。
※子どもの成功体験の積み重ねの一つの方法です。
子どもを伸ばす正しい「ほめ方」―才能ではなく努力を認める
下記の本は大人にもとても有効な本です。

成功体験を生むために大切なこと
スモールステップの設定
最初から大きな目標ではなく、少し頑張れば届く課題を設定します。
「今日は10分集中できたね」といった短い成功が、効力期待の土台になります。
振り返りの時間を持つ
成功や失敗を一緒に振り返ることで、「どうすればできるか」を考える力が育ちます。
「前より上手くいったね」「どうしてうまくいったと思う?」という対話が重要です。
比較よりも自己成長を見つめる
他の子と比べるのではなく、「昨日の自分より成長した」という視点を持たせます。
この“自己基準”が、安定した自己肯定感につながります。
※自己肯定感に関しての記事になります。
子どもの自己肯定感を育てるために大切なこと
リコポ幼児教育が重視する「効力期待」の育成
リコポ幼児教育では、子ども一人ひとりの資質や発達段階に合わせた個別教育を行っています。
「やればできる」を実感するためには、その子のペースや得意・不得意を理解したうえで、適切な課題設定が必要です。
私たちは、ヴィゴツキーの子どもの効果的な成長のために、大人の少しの助けが必要であるという「最近接領域」にアプローチする個別教育を行なっています。
教育アドバイザーが子どもの資質、能力に合った「少し手を伸ばせば届く」学びプランを作成しますので、実力を大きく成長させつつ、成功体験を積み重ねていくことができます。
子どもたちは“できた!”の喜びを積み重ね、学ぶことそのものを好きになっていきます。
【個別教育の力】「最近接領域」に働きかけるベビーシッターの強み
効力期待は、単なる心理的な言葉ではありません。
それは、子どもが一歩を踏み出すエネルギーであり、困難に立ち向かう勇気です。
リコポ幼児教育では、子どもたちが自らの力を信じ、
「やればできる」と思える瞬間を積み重ねることを何より大切にしています。
その積み重ねこそが、将来の自己肯定感・自立・学びへの意欲を支えるのです。
今日のおさらいQ&A3問
Q1. 「効力期待」とはどんな意味ですか?
→ 「自分にはそれを実行できる力がある」と信じる感覚のことです。
Q2. 効力期待を高めるために親ができることは?
→ 成功体験を積ませ、小さな努力を具体的に認めることです。
Q3. リコポ幼児教育ではどのように効力期待を育てていますか?
→ 子どもの資質に合わせた個別教育で、「できた!」を実感できる学びの環境をつくっています。
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幼児教育は「今しかできない」貴重な教育です。
今しかできない「幼児教育」──リコポ幼児教育が選ばれる理由
ご家庭に合った最適なサポート方法を、ゆっくり一緒に考えていきましょう。
執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)