なぜ少子化対策をしても、子育てのしんどさは消えないのか
制度と現実のギャップを構造から考える
高市政権の教育政策、子育て支援政策を記事にしてきました。
もう選挙も終了して、日にちもたっていますが、今回は3回目の記事です。
衆議院選挙を経て政権運営が安定し、教育政策や子育て支援、少子化対策といったテーマが継続的に議論・実行される環境が整いつつあります。実際、無償化や給付、保育の受け皿整備など、制度面の支援は年々拡充されてきました。
それにもかかわらず、現場の保護者からは「正直、子育てのしんどさはあまり減っていない」「支援が増えた実感はあるが、心は楽にならない」という声が聞こえてきます。
なぜでしょうか。
本記事では、**少子化対策・子育て支援という“制度”が間違っているからではなく、制度がカバーできない“構造的な理由”**に焦点を当て、なぜ“しんどさ”が残り続けるのかを整理します。制度の価値を正しく認めつつ、現実の子育ての負荷をどう理解し、どう付き合っていくべきかを、できるだけ分かりやすく解説します。
※今回の衆議院選挙を受けての記事です。
高市政権の教育政策で“学校教育”はどう変わる?
自民党・高市政権の少子化対策で「子育て支援」はどう変わる?
目次
- 少子化対策・子育て支援は何を解決しようとしているのか
- それでも“しんどさ”が消えない構造的理由①――お金と制度では減らない負荷
- 構造的理由②――支援は“点”、子育ては“線”
- 構造的理由③――孤独・比較・情報過多という“現代型しんどさ”
- 制度は間違っているのか?――土台としての支援の意味
- では、子育ての“しんどさ”とどう付き合うか
- まとめ――少子化対策の先にある、本当の課題
1. 少子化対策・子育て支援は何を解決しようとしているのか
前回にも書きましたが、まず前提として、少子化対策と子育て支援は目的が異なります。混同されがちですが、役割を切り分けると理解しやすくなります。
| 観点 | 少子化対策 | 子育て支援 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 出生数の減少に歯止めをかける | すでに子どもを育てている家庭の負担軽減 |
| 対象 | 社会全体・若年層 | 現在の子育て世帯 |
| 代表例 | 出生・結婚をめぐる環境整備 | 給付、無償化、保育の受け皿整備 |
政策は主に「環境」と「条件」を整えます。経済的負担の軽減、預け先の確保、仕事と育児の両立支援などは、子育ての“物理的な困難”を減らすうえで確かな意味を持ちます。
参考:こども家庭庁(子育て支援の全体像)
https://www.cfa.go.jp/
2. 構造的理由①――お金と制度では減らない負荷
制度が最も効果を発揮しやすいのは、**費用や時間などの“見える負担”**です。一方で、子育てのしんどさの多くは、見えにくい領域にあります。
- 夜泣きや癇癪への対応
- 先の見えない不安(発達・進路・人間関係)
- 「これで合っているのか分からない」という迷い
- 失敗や後悔に向き合う心理的ストレス
これらは給付や無償化で直接消えるものではありません。
制度は“環境”を整えることはできても、“感情の負荷”そのものを代替できない――ここに最初のギャップがあります。
3. 構造的理由②――支援は“点”、子育ては“線”
支援策は、どうしても“点”になりがちです。
- 給付金:ある時点で受け取る
- 無償化:特定の費用が軽くなる
- 保育枠:預け先が確保できる
一方、子育ては**毎日続く“線”**です。朝の支度、送迎、仕事、帰宅後のケア、寝かしつけ……これが何年も続きます。
制度は要所要所で助けになりますが、日常の連続性そのものを丸ごと引き受けることはできない。その結果、「ありがたいけれど、楽になった実感は薄い」という感覚が生まれます。
4. 構造的理由③――孤独・比較・情報過多という“現代型しんどさ”
現代の子育てには、制度では捉えにくい“社会構造”の負荷があります。
4-1. 孤独:支え合いの希薄化
核家族化や地域のつながりの希薄化により、悩みをその場で共有できる相手がいない状況が増えています。「相談できる人がいない」という孤独感は、心理的負担を大きくします。
4-2. 比較:SNSによる“理想像”との距離
SNSには、整った家庭像や“うまくいっている育児”が可視化されやすく、無意識の比較が生まれます。自分だけができていないように感じることで、しんどさが増幅します。
4-3. 情報過多:正解が多すぎて迷う
育児情報は溢れています。専門家の意見も多様で、互いに矛盾することも珍しくありません。情報が多いほど不安が強まるという逆説が起きがちです。
ここで重要になる「伴走型の相談」
こうした“現代型しんどさ”に対しては、制度だけでなく人の伴走が有効です。
たとえば、会員向けに365日いつでも子育て・教育相談を受け付け、経験と専門知識が豊富なスタッフが寄り添って話を聞く体制があると、「一人で抱え込まない」選択肢が生まれます。
“答えを押し付ける”のではなく、“状況を一緒に整理する相手がいる”こと自体が、心理的な負荷を下げます。

5. 制度は間違っているのか?――土台としての支援の意味
ここまで読むと、「制度は役に立たないのか?」と感じるかもしれません。しかし、それは誤解です。
制度は“必要条件”であって“十分条件”ではない、という整理が妥当です。
- 経済的負担の軽減は確実に助けになる
- 預け先の確保は就労継続の前提条件
- 両立支援は時間の余白を生む
制度がなければ、しんどさはさらに大きくなります。
参考:内閣府・少子化対策
https://www8.cao.go.jp/shoushi/
6. では、子育ての“しんどさ”とどう付き合うか
制度の限界を踏まえたうえで、現実的な向き合い方を整理します。
6-1. しんどさがある前提で設計する
「楽になるはず」と期待しすぎると、ギャップに苦しみます。しんどさは一定程度ある前提で、回る仕組みを作ることが大切です。
6-2. 完璧主義を手放す
情報が多い時代ほど、理想像に引きずられがちです。**“十分に良い関わり”**を目標に置くと、負荷は下がります。
6-3. 制度+人の支えを組み合わせる
給付や無償化といった制度を“使い切る”ことに加え、相談できる相手・伴走者を持つことで、心理的な孤立を減らします。
参考:厚生労働省(保育・子育て支援の制度概要)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo.html
7. まとめ――少子化対策の先にある、本当の課題
少子化対策や子育て支援は、社会にとって欠かせない土台です。
一方で、子育ての“しんどさ”は、お金や制度だけでは解消できない構造的な要因(感情の負荷、日常の連続性、孤独・比較・情報過多)によって生まれています。
重要なのは、
- 制度を正しく理解し、活用すること
- そのうえで、一人で抱え込まない仕組みを持つこと
出生数を増やす議論の前に、**いま育てている人が“折れずに続けられる社会設計”**を整えること。そこに目を向けることが、少子化対策を実のあるものにする近道ではないでしょうか
今日のおさらいQ&A3問
Q1. 少子化対策や子育て支援が進んでいるのに、なぜ子育てはしんどいままなのですか?
制度は経済的負担や預け先の確保など“環境”を整えることには有効ですが、育児の不安や迷い、感情的な負荷といった“心理面のしんどさ”までは十分に軽減できません。制度の効果と限界を分けて考えることが大切です。
Q2. 子育てのしんどさを強めている「現代特有の要因」とは何ですか?
核家族化による孤独、SNSによる比較、情報過多による迷いが重なりやすい点です。支援制度があっても、これらの要因が心理的負担を増幅させ、しんどさを感じやすくしています。
Q3. 制度だけに頼らず、親ができる現実的な対処はありますか?
制度を正しく活用することに加え、一人で抱え込まない仕組みを持つことが有効です。相談できる相手や伴走者を確保し、完璧を目指しすぎず「十分に良い関わり」を目標にすることで、負担を下げやすくなります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)