ハヴィガーストの発達課題とは?エリクソンと比較しながら考える
ハヴィガーストと幼児教育
これまで本ブログでは、
エリクソンの発達理論を取り上げ、子どもの内面の成長や心理的な課題について考えてきました。
今回はその流れを受けて、視点を少し広げ、
「人生の中で人はどのような課題に向き合いながら成長していくのか」を示した
ハヴィガーストの発達理論を取り上げます。
エリクソンが「心の中の葛藤」に注目したのに対し、
ハヴィガーストは「その時期に社会の中で身につけていくべき課題」に目を向けました。
本記事では、ハヴィガーストの理論を軸に、
幼児教育や子どもの成長とどのようにつながるのかを、
具体例を交えながらわかりやすく整理していきます。
※エリクソンの方はこちらにまとめています。
エリクソンの発達段階理論と発達心理学、幼児教育との関係
ハヴィガーストとはどのような理論家か
ハヴィガースト(Robert J. Havighurst)は、
発達心理学・教育学の分野で
「人は人生の各段階で、特有の“発達課題”に向き合いながら成長する」
という考え方を示した人物です。
ここでいう「発達課題」とは、
テストやノルマのような意味ではなく、
**その年代で自然と直面する“人生のテーマ”**に近いものです。
たとえば、
幼児期には「基本的な生活習慣を身につける」
学童期には「友だちと協力する」
思春期には「自分は何者かを考える」
といった具合に、
年齢ごとに向き合う課題の質が変化していきます。
ハヴィガーストは、
これらの課題にうまく取り組めると、
次の発達段階へスムーズに進みやすくなり、
逆につまずくと、次の段階にも影響が出やすいと考えました。

ハヴィガーストの「発達課題」とは何か
ハヴィガーストの理論の中心にあるのが、
「発達課題」という考え方です。
発達課題は、主に次の3つの要素から生まれるとされています。
- 身体的成熟(成長による変化)
- 文化・社会からの期待
- 個人の価値観や目標
つまり、
発達とは「内側からの成長」だけでなく、
社会の中で生きる存在としての役割の変化でもある、
という視点です。
この考え方は、
家庭や園、学校といった“社会の中で育つ子ども”を考える幼児教育にとって、
非常に相性のよい視点といえます。
幼児期におけるハヴィガーストの発達課題
ハヴィガーストが示した発達課題の中でも、
幼児期に関係の深いものには次のようなテーマがあります。
- 歩く・話すなどの基本的な身体的能力の獲得
- 食事・排泄・着替えなど、生活習慣を身につける
- 家族以外の大人や、同年代の子どもとの関係づくり
- 自分と他者の違いへの気づき
- 善悪の基本的な感覚を育てる
これらは、
「何歳で必ずできなければならない」というチェックリストではなく、
その時期に自然と向き合うことになるテーマとして捉えることが重要です。
幼児教育の場面で考えるハヴィガーストの理論
生活習慣を身につけようとする子どもの姿
たとえば、
3〜4歳の子どもが「自分で靴を履く」「自分で服を着る」と言い張る場面を想像してみてください。
大人から見ると、
時間がかかり、うまくできず、つい手を出したくなることもあります。
しかしハヴィガーストの視点で見ると、
この姿は
「自立という発達課題に向き合っている最中」
と捉えることができます。
多少時間がかかっても、
「やってみたい」という気持ちを尊重することは、
子どもが自分の課題に取り組む機会を支えることにつながります。
友だちとのトラブルが増えてくる時期
園や公園で、
おもちゃの取り合いになったり、
「貸して」「いやだ」と言い合ったりする場面も、
幼児期によく見られます。
このような姿を
単なる「わがまま」「トラブル」として処理してしまうのではなく、
ハヴィガーストの理論を通して見ると、
「他者との関係づくり」という発達課題に取り組んでいる過程
とも考えられます。
うまくいかない経験も含めて、
子どもは「どうすれば一緒に遊べるか」を少しずつ学んでいきます。
イヤイヤ期を「自我が芽生えはじめている」成長ととらえると楽になります。
エリクソンとハヴィガーストの視点の違い
ここで、以前取り上げたエリクソンの理論と、
ハヴィガーストの理論を簡単に整理してみます。
| 観点 | ハヴィガースト | エリクソン |
|---|---|---|
| 発達の中心 | その時期に直面する社会的・生活的課題 | 心理社会的な葛藤 |
| 成長の捉え方 | 「何を身につけていくか」 | 「内面のテーマをどう乗り越えるか」 |
| 幼児教育への応用 | 生活や経験の設計に結びつけやすい | 子どもの心の理解に役立つ |
どちらが正しいという話ではなく、
同じ子どもの成長を、異なる角度から見ていると考えるとよいでしょう。
理論を「正解」にしないことの大切さ
ハヴィガーストの理論は、
子どもの成長を理解するうえで有効な“レンズ”の一つです。
ただし、
理論に当てはめすぎると、
「この子は今この課題ができていないから問題だ」
といった見方になってしまう危険もあります。
大切なのは、
理論を“評価の物差し”にすることではなく、
目の前の子どもの姿を理解するためのヒントとして使うことです。
まとめ:ハヴィガーストは「子どもを社会の中で見る」視点をくれる
ハヴィガーストの発達理論は、
子どもの成長を「社会の中で課題に向き合いながら育つプロセス」として捉えました。
エリクソンが示した
「心の内面の成長」と組み合わせて考えることで、
私たちは子どもを
より立体的に理解できるようになります。
理論は答えを与えてくれるものではなく、
子どもを見る視点を増やしてくれるもの。
目の前の子どもが今どんな課題に向き合っているのかを想像しながら関わることが、
幼児教育において最も大切な姿勢なのかもしれません。
参考:ハヴィガーストの発達課題とは? 6つの段階や看護への役立て方を解説(マイナビ看護師)
Q&A3問
Q1. ハヴィガーストの「発達課題」とは、どのような考え方ですか?
発達課題とは、人生の各段階で自然と向き合うことになる「成長のテーマ」のことです。幼児期であれば、生活習慣を身につけることや、他者と関わる基礎を学ぶことなどが含まれます。達成できたかどうかで評価するものではなく、その時期に経験し、少しずつ取り組んでいくプロセスそのものが大切とされています。
Q2. エリクソンとハヴィガーストの理論は、どのように使い分ければよいですか?
エリクソンは子どもの内面の葛藤や心の成長に注目し、ハヴィガーストは社会や生活の中で向き合う課題に注目します。子どもの気持ちを理解したいときはエリクソンの視点、生活場面での成長や経験の積み重ねを考えるときはハヴィガーストの視点を取り入れると、より立体的に子どもを捉えることができます。
Q3. ハヴィガーストの理論は、実際の幼児教育や子育てにどう役立ちますか?
子どもが「自分でやりたがる」「友だちと衝突する」といった姿を、単なる問題行動ではなく、発達課題に取り組んでいる過程として理解するヒントになります。子どもが今どのような成長のテーマに向き合っているのかを考えることで、関わり方や環境づくりをより丁寧に考えられるようになります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)