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今しか伸ばせない! 幼児期に育つ「推論力」「問題解決力」

今しか伸ばせない! 幼児期に育つ「推論力」「問題解決力」

「どうして雨が降るの?」「なぜ氷は溶けるの?」
そんな幼児の素朴な“なぜ”の連続こそ、思考の芽生えです。

それは単なる好奇心ではなく、自分で筋道を立てて考えようとする“推論力”の始まり
発達心理学の観点からも、この力は幼児期にこそ飛躍的に伸びるとされています。

そしてこの「推論力」は、のちの学校の勉強や受験勉強など問題解決能力の土台となり、
学力や創造力の基礎を形づくっていきます。


推論力とは何か?

―「考える力」のエンジン

推論力とは、「ある情報から、筋道を立てて新しい結論を導く力」です。

たとえば、
「氷がとけた → 気温が高い → だから冷やせば溶けない」

という思考の流れの。
見たこと・知っていることを組み合わせて、原因と結果の関係を理解する力です。

推論力が育つと、子どもは「なぜ?」の答えをただ受け取るのではなく、
自分で考える楽しさを知ります。
これは“考える筋肉”のようなもので、一度育つと一生使い続けられる力になります。
論理力とも似ていますが厳密には違います。
推論力とは既知の情報をもとに、筋道を立てて新しい結論を導く力のことを言い、
論理力は、思考の筋道を矛盾なく、正しい構造で整理・表現する力のことを言います。
まとめると、推進力は「なぜそうなるのか」を考える力で、論理力とはその推論を、筋道立てて正確に表現・説明できる力のことで、2つはセットともいえるかもしれません。


推論力は「学習(学ぶ力)」にどうつながるのか?

① 受験勉強との関係

推論力は、単なる記憶では太刀打ちできない**「応用問題」「読解問題」**のとても重要な鍵です。

  • 国語 → 文章の因果関係や登場人物の意図を読み取る
  • 算数 → 条件整理や仮説立てをする
  • 理科 → 実験結果から理由を考える

このように、受験で求められる「考える力」はすべて推論力の延長線上にあります。

特に小学校受験・中学受験では、暗記ではなく「どう考えたか」を問う出題が増加中です。
早期に推論力を育てた子は、考えることを楽しむ学習体質を身につけやすくなります。


② 今後の社会での重要性

AI時代を生きる子どもたちに必要なのは、「正解を知っている人」ではなく
自ら考え、答えをつくり出せる人」です。

推論力はまさにこの「創造的思考」「批判的思考(クリティカルシンキング)」の核となります。
これがある子どもは、情報を鵜呑みにせず、自分で考え、判断できるようになります。
現在よく問われている、ネットリテラシーにも大きく関連します。
※昨今、投資情報、社会情報などでたらめな情報が多すぎます。見抜く力が求められています。 
 投資情報にしろ、周囲の情報をうのみにせず、なぜその数字が出るのか見抜く必要があります。


推論力と問題解決能力の関係

―“考える”から“行動する”へ

推論力は、問題解決能力のエンジンです。

段階説明
① 推論状況から原因・法則を考える「積み木が倒れたのは下がぐらぐらしてた」
② 仮説「次は平らな場所に置いてみよう」
③ 検証実際に試してみる
④ 解決成功体験として定着「こうすればうまくいく!」

このように、推論→仮説→検証→解決の流れが思考の黄金パターンです。
ここで得られた「成功体験」は、後の学習意欲や挑戦力を育てます。

「子どもの『問題解決能力』 『言葉が考える力を育てる』理由」(講談社コクリコ)
 教育系コラム記事で、“推論”と“問題解決能力”の関係を分かりやすく説明してくれています。


発達心理学と推論力の関係

―“考える力”はどのように育つのか

発達心理学では、子どもの推論力がどのように発達するかを体系的に説明しています。


① ピアジェの認知発達理論

ピアジェは、子どもが**「具体的操作期」(7〜11歳)**に入ると
因果関係や論理的思考ができるようになると述べました。

しかしその基礎は、すでに**3〜6歳の「前操作期」**に芽生え始めます。

  • 「なぜ?」「どうして?」と聞く好奇心
  • 自分なりの仮説を立てる
  • 試してみて、うまくいかなければ別の方法を考える

こうした思考の試行錯誤が、後の論理的推論の準備段階です。

※ピアジェに関しての詳しい情報はこちらでどうぞ
 子どもは“小さな科学者” ピアジェの発達段階理論と幼児教育の関係


② ヴィゴツキーの社会的発達理論

ヴィゴツキーは「思考は対話の中で生まれる」と述べました。
つまり、大人との会話や遊びのやりとりが推論の源泉なのです。

たとえば――
「どうしてこれが浮かぶのかな?」
「そうだね、水より軽いから浮くんだね」と会話することで、
子どもは“因果のつながり”を言語化して理解します。

このやりとりの中で、子どもは思考の型(if–then・because)を学び、
それを内面化していきます。
※ここで触れているテーマとずれますが、こちらの記事では大人とのよいやり取りが子どもの可能性を広げるというヴィゴツキーの「最近接領域」について触れています。
 【個別教育の力】「最近接領域」に働きかけるベビーシッターの強み


③ ブルーナーの発見学習理論

ブルーナーは、学びを「知識を与えられることではなく、自ら発見すること」と定義しました。
自分で考え、見つける過程こそ、推論の力を最大化します。


④ エリクソンの心理社会的発達理論

「考えてできる自分」への自信=自己効力感が生まれるのは、6〜12歳の「勤勉性の段階」。
幼児期に“考えてうまくいった”経験を重ねた子どもは、
後の学習・受験・社会生活でも自信を持って行動できます。

※エリクソンについてはこちらの記事もよかったらどうぞ!
 エリクソンの発達段階理論と発達心理学、幼児教育との関係


今しかできない幼児教育で「推論力」を伸ばす

幼児期(3〜6歳)は、脳の神経回路が急速に発達する黄金期です。
特に思考を司る前頭前野が活発に伸びるため、
この時期の経験が「思考パターン」を決定づけます。

ここで身につくのは、“結果よりも考える過程を楽しむ姿勢”。
「どうすればうまくいく?」と考える習慣が、後に勉強を“楽しめる子”をつくります。
まさに、乳幼児期にしかできない、乳幼児期に劇的に伸びる力と言えます。



推論力・問題解決力を伸ばすために家庭でできること

① 「なぜ?」を止めない

子どもの質問に「うるさい」「あとでね」と答えるのではなく、
一緒に考えたり、調べたりする時間をつくることが第一歩です。

② 遊びを通して推論する

  • 積み木・ブロック:構造や重心の理解
  • 絵合わせ・迷路:空間的推論
  • ごっこ遊び:因果関係や他者視点の理解

③ 試行錯誤を見守る

失敗も「思考の練習」。
「どうすればうまくいくかな?」と問い返すことで、
仮説→検証→修正のプロセスを体験させます。

④ 言語化のサポート

「なんでそう思ったの?」「どうしてそうしたの?」と聞くことで、
子どもの推論を言語化し、思考の筋道を明確化できます。

☆ 上記のヴィゴツキーの「最近接領域」の記事でも触れていますが、大人のよい導きが子どもの能力を飛躍的に上昇させます。


リコポ式の幼児教育アプローチ

リコポ幼児教育では、発達心理学に基づいたカリキュラムで
「推論力」「問題解決力」「自己制御力」を同時に育てます。

  • 対話を重視した“思考を引き出す授業”
  • 体験・観察・発見を中心にした学び
  • 子どもの「わかった!」を積み重ねるメタ認知トレーニング

 など、お子様の資質に合ったプログラムを作成しつつ、常に弱点や目標を共有、相談しつつ刷新していきます。

これにより、考えることを楽しめる子どもを育てていきます。

推論力は、単なる頭の良さではなく、
「世界をどう理解し、自分なりに行動できるか」を決める力です。

そして――それを自然に、遊びの中で伸ばせるのは、幼児期の今だけです

発達の階層構造のピラミッド。下から順に発達

今日のおさらいQ&A3問

Q1. 推論力とはどんな力ですか?

A.既に知っている情報から筋道を立てて新しい結論を導く「考える力」です。

Q2. 推論力はどんな学びにつながりますか?

A. 受験で必要な読解力・思考力・問題解決力の基盤となり、「自分で考える学び」につながります。

Q3. 幼児期に推論力を伸ばすために大切なことは?

A. 「なぜ?」を一緒に考える対話、観察や実験の体験、そして失敗から学ぶ機会を与えることです。



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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)
> 株式会社リコポの理念や運営体制については、創業者の想いをご覧ください。

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