子どもの「嘘」は、悪意ではなく成長のしるし
以前にも子どもが嘘をつくことに関しての記事を書きましたが、前回は学問的でしたので、今回は実践的というか、経験的な側面からお伝えしようと思います。
※以前の記事
子どもの「嘘」や「汚い言葉」成長のサインと親の向き合い方
「どうしてそんな嘘をつくの?」
そう問い詰めたくなる場面は、子育ての中で必ず訪れます。
おもちゃを壊したのに「ぼくじゃないよ」と言う。
お菓子をこっそり食べたのに「知らない」と言う。
ときには、ありもしない話を自信満々に語ることもある。
そんなとき、大人はつい「嘘はダメ!」と強く言ってしまいがちです。
しかし、子どもの嘘の多くは悪意から生まれたものではありません。
むしろ――
子どもが嘘をつくようになること自体が、心の発達の証であることが少なくありません。
本記事では、子どもの嘘を「困った問題」ではなく、成長のサインとして理解する視点をお伝えします。
目次
- 子どもは「話せるようになる」と嘘をつく
- ほとんどの嘘は“未熟さゆえの結果”
- 子どもの嘘の種類と背景
- 上手な嘘には高度な力が必要
- 嘘にどう向き合うか ― 叱責ではなく理解を
- 成長とともに変わる嘘のかたち
- まとめ
1. 子どもは「話せるようになる」と嘘をつく
子どもが言葉を使い始めると、世界が一気に広がります。
「ママ、あのね」
「きょうね、すごいことがあったの」
そんな会話が増えると同時に、やがて嘘も現れます。これは珍しいことではなく、むしろ自然な発達の一部です。
なぜなら、嘘をつくためには言葉を使って現実を操作する力が必要だからです。
言葉がなければ嘘はつけません。
つまり、嘘は“言葉の発達の副産物”でもあるのです。
だから、「うちの子、嘘をつくようになった…」と落ち込む必要はありません。多くの場合、それは成長の一歩なのです。
※子どもの言葉の発達についての記事です。
子どもの言葉は“教える”より“やりとり”で育つ
言葉の発達は、子どものペースにまかせていい!
2. ほとんどの嘘は“未熟さゆえの結果”
大人の感覚だと、嘘=だますこと、悪いこと、というイメージがあります。
しかし、子どもの嘘の多くは、
「相手をだましてやろう!」
という意図ではありません。
むしろ、**未熟さの結果として“結果的に嘘になってしまった”**ケースが大半です。
例えば――
- 見たことと想像が混ざってしまう
- 事実と願望の区別があいまい
- その場をやり過ごそうとして、とっさに言ってしまう
こうした背景があるとき、子どもは悪気なく嘘をつきます。
大人が最初に考えるべきは、
「なぜこの子はこう言ったのだろう?」
という問いです。
3. 子どもの嘘の種類と背景
子どもの嘘にはいくつかの典型的なパターンがあります。ここでは代表的なものを、やさしい言葉で整理します。
① 記憶力が未発達なゆえの嘘
幼い子どもは、記憶がまだあいまいです。
「誰が壊したの?」と聞かれても、本当に思い出せず、なんとなく「ぼくじゃない」と言ってしまうことがあります。
これは意図的な嘘というより、記憶の不確かさが生んだすれ違いです。
② 願望がそのまま口から出た嘘
「今日ね、ぼく空を飛んだんだよ!」
「家に恐竜がいるんだ!」
こうした発言は、子どもの豊かな想像力の表れです。
本人は「嘘をつこう」と思っているわけではなく、願望やイメージがそのまま言葉になっていることが多いのです。
③ 注意を引きたくてつく嘘
「ママ、ぼく転んで血が出た!」と言いながら、実はどこも怪我をしていない――そんな場面もあります。
これは、悪気というより
「もっと見てほしい」「気にしてほしい」
というサインであることが少なくありません。
④ 叱られたくなくてとっさにつく嘘(よくあるタイプ)
これは多くの子どもに見られます。
おもちゃを壊したとき、怒られるのが怖くて「知らない」と言ってしまう。
このとき子どもは、
「嘘は悪い」と分かっていないわけではありません。
ただ、恐れが先に立ってしまっただけなのです。
このタイプの嘘は、叱責よりも安心感が鍵になります。
4. 上手な嘘には高度な力が必要
以前の記事でも触れましたが、
実は、うまく嘘をつくこと自体、とても高度な能力です。
なぜなら、嘘をつくには――
「相手が何を知っているか」
「相手がどう考えるか」
を推測する力が必要だからです。
これは心理学で「心の理論(他者理解)」と呼ばれる力で、徐々に育っていきます。
つまり、子どもが巧妙な嘘をつけるようになるのは、ある意味で認知の発達の証拠でもあります。
もちろん、だからといって嘘を推奨するわけではありませんが、「ただ悪いもの」と決めつけるのはもったいない視点です。
※関連記事です。ピアジェにも触れています。
他者視点で物事を考えられる子どもへ

5. 嘘にどう向き合うか ― 叱責ではなく理解を
子どもが嘘をついたとき、まず考えたいのは次の3つです。
- なぜこの嘘が生まれたのか
- 子どもはどんな気持ちだったのか
- どう関われば安心できるか
背景を理解する
例えば「ぼくじゃない」と言ったとき、ただ怒るのではなく、
「怖かったんだね」
「どうなるか心配だったんだね」
と気持ちを言葉にしてあげることが大切です。
※こちらのリンク先の記事は海外のものですが、子どもの嘘の対処法について分かりやすく書いています。嘘をついた子供を罰すると、さらに嘘をつくようになる(TIME)
ときには掛け合いを楽しむ
子どもが明らかに作り話をしてきたとき、真正面から否定する必要はありません。
子:「ぼく、昨日ドラゴンに会ったんだ!」
大人:「へぇ!どんなドラゴンだったの?」
こんなふうに会話を広げることで、子どもは安心して自分の世界を表現できます。これは嘘というより、想像遊びの延長です。
6. 成長とともに変わる嘘のかたち
幼い頃の嘘は、ほとんどが未熟さや感情から生まれます。
しかし成長するにつれて、子どもは少しずつ――
- 事実と空想の違い
- 嘘をつくと信頼が失われること
- 正直でいる価値
を理解していきます。
その結果、むやみに嘘をつくことは減っていきます。
つまり、「いまの嘘」を過度に恐れる必要はありません。安心できる関わりを続けていれば、自然に変化していきます。
7. まとめ
子どもの嘘は、しばしば成長の一部です。
- 話せるようになるからこそ嘘が生まれる
- ほとんどは悪意ではなく未熟さの結果
- 背景には記憶・願望・不安・注目欲求がある
- 上手な嘘は高度な認知の表れでもある
- 叱責よりも理解と安心が大切
- 成長とともに嘘は減っていく
子どもの嘘は「犯罪」ではなく、「成長レポート」です。読解力をもって受け止めたいですね。
パパママからよくある質問3つ
Q1.子どもが嘘をついたとき、すぐに厳しく叱った方がいいですか?
原則としてまずは叱責よりも背景理解が優先です。多くの嘘は「記憶の未熟さ」「願望の表出」「注目を引きたい気持ち」「叱られたくない不安」などから生まれます。頭ごなしに怒ると、子どもはさらに防衛的になり、嘘が増えることもあります。まずは「怖かったんだね」「心配だったんだね」と気持ちを受け止めてから、事実を一緒に整理していきましょう。
Q2.子どもが作り話のような嘘を言うのは問題ですか?
多くの場合、問題ではありません。これは悪意の嘘というより想像力や言葉の発達の表れであることが少なくありません。大人が即座に否定するのではなく、「どんなドラゴンだったの?」「それからどうなったの?」と会話を広げる“掛け合い”を楽しむと、表現力や対話力が育ちます。事実と空想の違いは、成長とともに自然に整理されていきます。
Q3.嘘を減らすために家庭でできることはありますか?
最も効果的なのは、“正直でいても安心できる関係”をつくることです。ミスをしても過度に責めない、結果だけでなく努力や気持ちを認める、そして小さな正直さを一緒に喜ぶ――この積み重ねが信頼を育てます。また、気持ちを言葉にする練習(「いまどんな気持ち?」)を日常に取り入れると、嘘に頼らずに自分を伝えられる力が育ちます。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)