子育てにおけるマインドマインデッドネスとは何か
子どもの行動の奥にある「心」を読み取る力
前回の記事を書いている時に出てきた言葉ですので、
今回はこの「マインドマインデッドネス」という子どもを説明します。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、
アタッチメント(愛着)とセットで覚えておきたい言葉です。
※前回の記事です。
親と子どもの関係は「遺伝」するのか?
子どもが泣き止まない。
何度注意しても同じことを繰り返す。
理由を聞いても、はっきり答えてくれない。
そんなとき、私たちはつい
「どうして分からないの?」
「また同じことをして!」
と、行動そのものに目を向けがちです。
しかし、子育ての現場や心理学の研究では、行動より一段深いところを見る姿勢が、親子関係を大きく左右することが分かってきました。
それが「マインドマインデッドネス(Mind-mindedness)」です。
これは特別な才能ではありません。
子どもの行動を“心の表現”として捉えようとする、親のまなざしのことです。
目次
- マインドマインデッドネスとは何か
- マインドマインデッドネスの歴史と背景
- よくある誤解と注意点
- マインドマインデッドネスとアタッチメントの深い関係
- 子育てにおいてなぜ重要なのか
- 叱る場面でマインドマインデッドネスを保つコツ
- まとめ
1. マインドマインデッドネスとは何か
マインドマインデッドネスとは、
**「子どもを“心をもった存在”として捉え、その内面を想像しながら関わろうとする姿勢」**を指します。
ポイントは、「正しく当てること」ではありません。
「理解しようとすること」そのものが重要です。
※ちなみにmindedness =心だて 「〜について心が向いている状態/意識の向き」という意味です。
これも少し聞きなれない言葉かもしれません。
言葉の直訳より「マインドマインデッドネス」の使われ方や
意味を覚えていただいた方がよいと思います。
具体例で考えてみましょう
同じ場面でも、捉え方は大きく変わります。
たとえば、子どもが保育園の帰りに急に泣き出したとき。
- 行動だけを見ると
「わがまま」「疲れているだけ」「困った子」 - マインドマインデッドネスの視点では
「一日がんばって、気持ちが限界なのかもしれない」
「安心できる人に甘えたいのかもしれない」
後者は“肯定的な錯覚”とも呼ばれますが、
これは現実逃避ではなく、子どもを守るための好意的解釈です。
2. マインドマインデッドネスの歴史と背景
「マインドマインデッドネス」という言葉は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、**イギリスの発達心理学者エリザベス・メインズ**によって体系化されました。
メインズは、母親が乳幼児に語りかける言葉を詳細に分析し、次の点に注目しました。
- 行動を説明する声かけ
- 感情や意図に言及する声かけ
たとえば、
「おもちゃ取ったね」よりも
「それが欲しかったんだね」
と語りかける親の子どもほど、後のアタッチメントが安定しやすいことが示されました。
この研究は、アタッチメント理論を「行動」だけでなく、親の認知の質へと広げた重要な転換点でした。
参考(PMC)
文化を超えた親のメンタライゼーション:英国と韓国の母親におけるマインド・マインドネスと親の反省機能
3. マインドマインデッドネスの誤解
この概念には、いくつか誤解されやすい点があります。
誤解① 甘やかしである
マインドマインデッドネスは、何でも許すことではありません。
ルールや境界を示すことと、心を理解しようとすることは両立します。
誤解② 正確に読み取らなければ意味がない
読み取りが外れても問題ありません。
「理解しようとする姿勢」そのものが、子どもに安心を与えます。
誤解③ 親の負担が増える
実際には逆です。
行動を問題視し続けるより、背景を考えるほうが、感情的な衝突は減りやすくなります。
4. マインドマインデッドネスとアタッチメントの関係
アタッチメントとは、子どもが
「この人は、私の気持ちを分かろうとしてくれる」
と感じられる関係です。
マインドマインデッドネスが高い親は、
- 子どもの感情に名前をつけ
- 行動の理由を推測し
- 一貫した反応を返します
その結果、子どもは
「気持ちは伝えていいものだ」
「分かってもらえる世界だ」
と学びます。
これが、安定したアタッチメントの土台になります。
※アタッチメントについてはブログ→「愛着・アタッチメント」のカテゴリーにまとめてあります。
「アタッチメント(愛着)」について—子どもの“心の土台”になる力

5. 子育てにおいてなぜ重要なのか
子どもの問題行動の多くは、
「分かってほしい」「助けてほしい」
というメッセージでもあります。
マインドマインデッドネスがあると、親は
- 行動を“敵”にしない
- 子どもを“問題児”にしない
- 親子関係を対立構造にしない
という選択ができます。
また研究では、マインドマインデッドネスが高い家庭ほど、
- 子どもの情緒が安定しやすい
- 共感性が育ちやすい
- 思春期の衝突が激化しにくい
ことも示唆されています。
6. 叱る場面でマインドマインデッドネスを保つコツ
最も難しいのは、感情が高ぶる「叱る場面」です。
ここでは実践的なコツを紹介します。
① 行動と心を切り分ける
「叩くのはダメ」
「でも、怒っていた気持ちは分かる」
この二段構えが重要です。
② 即断しない
反射的に叱る前に、
「この子はいま何を感じている?」
と一呼吸おきます。
③ 言語化を手伝う
子どもは自分の気持ちを言葉にできません。
「悔しかったんだね」「びっくりしたんだね」
と代弁することで、行動は落ち着きやすくなります。
7. まとめ
マインドマインデッドネスとは、
子どもの行動を“心の言葉”として聴こうとする姿勢です。
- 正解でなくていい
- 完璧でなくていい
- ただ、理解しようとする
その積み重ねが、
アタッチメントを育て、
親子関係をやさしく、強いものにしていきます。
今日のおさらいQ&A3問
Q1.マインドマインデッドネスとは、簡単に言うと何ですか?
マインドマインデッドネスとは、子どもの行動を「心の表現」として捉えようとする親の姿勢を指します。泣く・怒る・反抗するといった行動を、単なる問題行動として見るのではなく、「不安」「助けてほしい」「気持ちを分かってほしい」といった内面の状態を想像しながら関わろうとする態度です。
Q2.マインドマインデッドネスが高いと、子どもにどんな影響がありますか?
研究では、マインドマインデッドネスが高い親に育てられた子どもほど、安定したアタッチメントを形成しやすいことが示されています。子どもは「自分の気持ちは理解されるものだ」と学び、情緒が安定しやすく、対人関係や自己肯定感の土台が育ちやすくなります。
Q3.叱る場面でもマインドマインデッドネスは必要ですか?
はい、とても重要です。マインドマインデッドネスは甘やかしではなく、行動と心を切り分けて関わる姿勢です。「その行動はダメ」と伝えつつ、「でも、悔しかったんだよね」「怖かったのかもしれないね」と気持ちを理解しようとすることで、叱責が対立ではなく学びの機会になります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)