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算数が好きな子を育てるために(後編)

算数が好きな子を育てるために(後編)

「考える楽しさ」を育てる4歳からのアプローチ

前回の記事では、「算数が好きな子を育てるために」というテーマで、発達のピラミッドの下段に注目しながらお話ししました。
固有感覚(力加減や体の位置感覚)、前庭感覚(バランス感覚)、触覚(ものに触れて数を感じる)といった“身体の感覚”を育てることが、数字や図形への苦手意識を防ぐ土台になるという内容でした。
おやつを分ける、洗濯物を分類する、重いものを押す・引くなど、生活の中に算数の芽があることもお伝えしましたと思います。
算数が好きな子を育てるために(前編)

今回はその続き。
発達のピラミッドでいう**中段(大体4歳頃から)**に移ったとき、どのように「算数好き」へとつなげていくかを具体的に見ていきましょう。

☆本日の記事も鈴木アトム先生監修で、私(中山)が編集・執筆をしています。


発達のピラミッド中段に入ったら、算数の基礎力を伸ばす時期

4歳頃になると、子どもは身体の感覚をもとに、少しずつ論理的に考える力や推測する力を身につけ始めます。
この時期は、いわば「算数の芽が育つ」大切なステージです。

この段階での学びは、計算ドリルではありません。
「順序」「関係」「見通し」「推論」など――算数に必要な思考の基礎を、遊びや生活の中で育てていくことがポイントです。

※発達のピラミッドの中層・上層の記事です。
見て動く力とボディイメージ 中層発達を遊びで育てるヒミツ
思考・言葉・集中力を育てる!発達ピラミッド上層の幼児教育と遊び

発達の階層構造のピラミッド。下から順に発達

※海外の記事ですが、実行機能=認知の柔軟性・ワーキングメモリ・抑制制御といった構成要素を、わかりやすく紹介しています。(https://theeducationhub.org.nz/executive-function-in-early-childhood/?


「算数が得意な子」=「考えることを楽しめる子」

「算数が得意な子」というと、暗算が早い子や計算が正確な子を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、本当に算数を好きになる子というのは、
「考え続けられる子」「あきらめずに課題に向き合える子」「課題解決に楽しみを持てる子」
つまり**「考えること自体を楽しめる子」**なのです。

たとえばこんな関わり方が効果的です

  • 料理の手順を一緒に考え、順序立てる練習をする
  • 家から公園までの道順を任せて、空間把握力を育てる
  • パズルや迷路で「どうすればできるか?」を試行錯誤する
  • 「どうしたら早く片付けられるかな?」「次はどうなると思う?」と問いかける

こうした“考える体験”の積み重ねが、数学的思考の根っこになります。
正解をすぐ教えるのではなく、「どうしてだろう?」を一緒に考える時間こそが、子どもの知的好奇心を刺激するのです。


「わかった!」より「どうしてだろう?」を大切に

算数を得意にするために、私たち大人ができる最も重要なことは、
「わかった?」ではなく「どうしてそう思ったの?」と聞くことです。

子どもが「わかった!」と満足して終わるのではなく、
「どうしてそうなるの?」「ほかの方法はある?」と考える習慣が、**“考える楽しさ”**を育てます。

この姿勢を大切にすることで、子どもは単に知識を覚えるだけでなく、
「自分で気づく」「自分で試す」ことを喜びに感じるようになります。


小学校・受験期へとつながる「机上学習」への移行

幼児期のうちは遊びの中で感覚的に学んでいくことが中心ですが、
やがて小学校や小学校受験(小受)の時期には、どうしても机上での学習が求められるようになります。

このとき、幼児期に「考える楽しさ」を経験してきた子どもは、
自然と問題に向き合う姿勢を身につけています。
“やらされている学習”ではなく、“自分からやりたい学習”に変わっていくのです。


主体性を尊重する机上学習のコツ

算数を「好きなまま」続けるためには、机上学習でも子どもの主体性を尊重することが何より大切です。

  • 解く問題を子どもに選ばせる
  • 難しいときは「AとBどっちにする?」と選択肢を与える
  • すぐに正解を言わず、考える時間を保証する

こうした工夫を取り入れることで、
子どもは「やらされている」ではなく「自分でやっている」という感覚を持ち、学びへの意欲がぐんと高まります。


「間違い」や「失敗」は“成長の材料”

算数の学びで忘れてはいけないのが、間違いの扱い方です。
多くの子どもが算数を嫌いになる理由の一つは、「間違える=ダメなこと」と思ってしまうこと。
でも本当は、間違いこそが成長のチャンスです。

子どもと一緒に考えたい声かけ例

  • 「どこで考えが止まったのかな?」
  • 「次はどうしたい?」
  • 「別のやり方はあるかな?」

こうした対話によって、子どもは「間違えてもいい」と安心し、再び挑戦しようという意欲を持てます。
結果よりも「どう考えたか」「何を試したか」という過程を認めることが、算数を好きになる近道です。

※これは子どものほめ方にも通じます。ご参考までに
 子どもを伸ばす正しい「ほめ方」―才能ではなく努力を認める


算数が好きな子を育てる家庭でのヒント(まとめ)

  1. 生活の中に“考える場面”をちりばめる
     → 買い物、料理、片付け、道順など、算数のタネは日常にあふれています。
  2. 子どもの選択を尊重する
     → どの問題を解くか、どんな方法を使うか、本人の意思を大切に。
  3. 「間違いOK!」の環境をつくる
     → 失敗を「発見の材料」として扱うことで、思考の柔軟性が育ちます。
  4. 「どうして?」のやりとりを楽しむ
     → 子どもと一緒に考える姿勢が、知的好奇心を刺激します。

これらを意識していくと、
子どもが算数に苦手意識を持つ前に、「考えることって楽しい」と感じられるようになります。
そして何より、親子の関係も学びの時間も、親子間のストレスがなく、ずっと穏やかで前向きになります。

私たちリコポ幼児教育では、発達のピラミッドに基づいた教育設計を大切にしています。
一人ひとりの子どもの身体感覚・思考力・社会性などを総合的に見ながら、「今、どんな感覚や経験を積むことが最適か」を保護者の方と相談し、「算数が得意=考えることを楽しめる子」を育てるサポートを行っています。


今日のおさらいQ&A3問

Q1.算数を得意にするために4歳頃から特に育てたい力は?

→順序立てて考える力、推測する力、試行錯誤を続ける力など、数学的思考の土台となる「考える楽しさ」を身につけることが大切です。


Q2.家庭でできる“考える力”の育て方は?

→料理の手順を任せる、道案内をお願いする、パズルで試行錯誤を促すなど、日常の中で“自分の頭で考える機会”を増やすことが効果的です。


Q3.算数を嫌いにしないために気をつけたいことは?

→間違いをダメと捉えず「どこでつまずいた?」と一緒に考える姿勢を持つこと。正解より“どう考えたか”という過程を認めることで、算数への主体的な意欲が育ちます。


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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

監修:鈴木アトム(子育て・教育アドバイザー)

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