遊びの重要性 ピアジェとごっこ遊び
子どもにとって遊びは、ただ楽しい時間ではありません。遊びの中で子どもは、体を動かし、考え、人とかかわりながら、社会性や知的能力、情緒などを少しずつ育てていきます。この記事では、ピアジェが示した3つの遊びをもとに、とくに「ごっこ遊び」の大切さに注目しながら、遊びが子どもの成長にどのような意味をもつのかを分かりやすく解説します。
参考:遊びの力:幼児の発達を促進する小児科医の役割 (米国小児科学会)
目次
- 遊びはなぜ大切なのか
- ピアジェの3つの遊びとは
- 遊びの中で育つ5つの力
- 遊びは子どもの力を総合的に育てる
- ピアジェとごっこ遊び
- まとめ
ピアジェの3つの遊びと、ごっこ遊びが育てる子どもの力
子どもにとって遊びは、ただ時間をつぶすものではありません。遊びの中で子どもは、体を動かし、人と関わり、考え、気持ちを整理しながら成長していきます。実際、遊びは認知・言語・社会性・感情の発達を広く支える大切な営みだとされています。
発達心理学者ピアジェは、子どもの遊びを大きく3つに分けました。最初は体や物を使って確かめる遊び、次に「見立てる」遊び、そして最後にルールを共有する遊びです。遊び方の変化は、そのまま子どもの考え方の発達ともつながっています。
参考:幼児の物体との相互作用:遊びとしての練習と練習としての遊び(PMC)
まず育つのは「機能遊び」
最初の段階は、機能遊びです。これは、物を振る、落とす、積む、押す、何度も走る、跳ぶといった、体や物の働きをくり返し試す遊びです。大人から見ると単純に見えても、子どもにとっては大切な実験です。「こうすると音が鳴る」「押すと動く」「このくらいの力で持てる」といったことを、遊びながら自分の体で学んでいきます。
この機能遊びは、運動能力の土台を育てます。手指の使い方、力加減、姿勢、バランス感覚などがここで少しずつ育ちます。同時に、原因と結果への気づきも生まれるため、知的な発達の出発点にもなります。遊びながら、子どもは「世界はどう動くのか」を学んでいるのです。
想像する力を育てる「象徴遊び」
次にあらわれるのが、象徴遊びです。いわゆるごっこ遊びがここに入ります。たとえば、積み木を電話に見立てる、ぬいぐるみにごはんをあげる、お医者さんやお店屋さんになりきる、といった遊びです。ここでは、子どもは目の前の物をそのまま扱うのではなく、「これは○○のつもり」と考えながら遊びます。
この遊びが大切なのは、想像力だけでなく、言葉や思考の発達とも深く関わるからです。ある物を別のものとして扱うには、頭の中で意味を切り替える力が必要です。そのため、ごっこ遊びは言語発達や表象する力の成長と結びついていると考えられています。
さらに、ごっこ遊びには気持ちを扱うよさもあります。こわかったこと、うれしかったこと、誰かにしてもらったことを、遊びの中でもう一度表現できるからです。現実そのものでは難しい気持ちも、「ごっこ」の形なら少し安全に試すことができます。
社会の入り口になる「ルール遊び」
3つ目は、ルール遊びです。鬼ごっこ、かくれんぼ、じゃんけん、カードゲーム、すごろくなど、みんなで決まりを共有して遊ぶものです。この段階では、自分だけが楽しいだけでは遊びが成り立ちません。順番を待つ、約束を守る、負けても続ける、相手の動きを考える、といったことが必要になります。
だからこそ、ルール遊びは社会性や自立性を育てます。相手に合わせる力、感情を調整する力、集団の中で自分をコントロールする力が、遊びの中で少しずつ育っていきます。勝ち負けのある遊びは、悔しさとの付き合い方を学ぶ場にもなります。
※関連記事です。
子どもは“小さな科学者” ピアジェの発達段階理論と幼児教育の関係

遊びは、一つの力だけを育てるものではない
遊びの大きな魅力は、「この遊びは運動だけ」「この遊びは知能だけ」と分けられないことです。たとえばボール遊びは体を育てるだけでなく、順番ややりとりも学べます。ごっこ遊びは想像力だけでなく、言葉、感情理解、対人関係にもつながります。ルール遊びは社会性だけでなく、考える力や我慢する力も育てます。遊びは、子どものいろいろな力をまとめて伸ばす、とても総合的な活動です。
その意味で、遊びは「勉強の前の息抜き」ではありません。むしろ、子どもにとって遊びそのものが大切な学びです。遊んでいる時間の中に、知的能力、運動能力、社会性、情緒、自立性の土台がたくさん詰まっています。
ピアジェとごっこ遊び
ピアジェの考えで特に重要なのが、ごっこ遊びは「頭の中でイメージできるようになった証拠」だという点です。子どもは、見たことをその場ですぐまねするだけではありません。少し時間がたってから思い出して再現することもあります。これが遅延模倣です。たとえば、大人が電話しているのを見たあとで、おもちゃを耳に当てて同じようにする場面がその例です。
この遅延模倣ができるようになると、子どもは目の前にないものを心の中で思い浮かべられるようになります。そして、その力が「ふりをする」「見立てる」というごっこ遊びへつながっていきます。つまり、ごっこ遊びは、ただかわいらしい遊びではなく、心の中で世界を表す力が育ってきたサインなのです。
ごっこ遊びは「相手の気持ち」を学ぶ場でもある
ごっこ遊びのよさは、他人の立場に入ってみられることにもあります。お母さん役になれば「お母さんならどう言うか」を考えますし、お医者さん役なら「相手はどんな気持ちか」を想像します。こうした経験は、相手にも自分とは違う考えや気持ちがあると理解していく力につながります。
これは「心の理論」とも関係する大事なテーマです。ただし、ここは少し丁寧に書いた方がよくて、ごっこ遊びが一方的に心の理論を育てると単純に言い切るより、ごっこ遊びは他者理解を育てる豊かな場であり、その発達と深く関わっている、と表現する方が自然です。
まとめ
ピアジェの3つの遊びを見ると、遊びは子どもの成長そのものと深く結びついていることが分かります。機能遊びは体と感覚を育て、象徴遊びは想像力や言葉、感情理解を広げ、ルール遊びは社会性や自己コントロールを磨いていきます。
そして、とくにごっこ遊びは大切です。遅延模倣や「ふり」ができるようになることで、子どもは現実をそのまま受け取るだけでなく、心の中で組み立て直して扱えるようになります。遊びは楽しいだけでなく、子どもが人として育っていくための、とても豊かな学びの時間なのです。
今日のおさらいQ&A3問
Q1. ピアジェの3つの遊びとは何ですか?
ピアジェは、子どもの遊びを「機能遊び」「象徴遊び」「ルール遊び」の3つに分けて考えました。機能遊びは体や物を使って試す遊び、象徴遊びは見立てやごっこ遊び、ルール遊びは約束や順番を共有して楽しむ遊びです。子どもは遊びの発達を通して、考える力や人とかかわる力を育てていきます。
Q2. ごっこ遊びはなぜ大切なのですか?
ごっこ遊びは、目の前にある物を別のものに見立てたり、誰かになりきったりする遊びです。この遊びを通して子どもは、想像力や言葉の力を育てるだけでなく、相手の気持ちを考える経験も重ねていきます。ごっこ遊びは、子どもの心の発達を豊かにする大切な時間です。
Q3. 遊びは勉強の代わりになりますか?
遊びは単なる息抜きではなく、子どもにとって大切な学びそのものです。遊びの中で子どもは、体の動かし方、考える力、感情の調整、人とのやりとりなどを自然に身につけていきます。机に向かう学習とは形が違っても、遊びは子どもの成長に欠かせない土台になります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)