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非認知能力は「安定したアタッチメント」から育つ

非認知能力は「安定したアタッチメント」から育つ

前回の記事では「アタッチメント(愛着)」が子どもの心の発達にどれほど大きく影響するかをご紹介しました。
保護者の方々からは、「愛着が育つと、子どもの “生きる力” にどんな違いが生まれますか?」という声をよくいただきます。

実は——
非認知能力(忍耐、自制心、協調性、問題解決力など)という、人生を支える力のほとんどは、安定したアタッチメントを基盤として発達します。

逆にいえば、どれほど知識を覚えても、心の土台が揺らいでいる子は挑戦を避けたり、失敗を極端に恐れたり、気持ちの切り替えが苦手になりがちです。

※前回の記事「アタッチメント(愛着)」について—子どもの“心の土台”になる力

この記事のポイント

  • 非認知能力とは?
     数値で測れないけれど “一生ものの力” となる能力の正体
  • 非認知能力とアタッチメントの密接な関係
     安全基地がある子ほど挑戦し、社会性も伸びる理由
  • 自分から学んでゆく力を育てる
     心が安定すると「学びたい気持ち」が自然に育つ
  • リコポ幼児教育が提供する専門的サポート
     365日相談できる“心の土台づくり”の伴走支援


愛着理論とは何ですか?なぜ重要なのですか?
「NSPCC/学習-幼児期-発達「Attachment and child development(アタッチメントと子どもの発達)」


非認知能力とは何か

何度も触れていますが、改めて書かせていただきます。
幼児教育の世界でも近年特に注目を集める「非認知能力」。
これは数値で測りにくいけれど、生涯にわたり人を支える“生きる力”の総称です。


●自己に関わる力

非認知能力の大きな柱の一つは「自己調整」に関わる力です。

  • 感情のコントロール力
     怒りや悲しみを言葉で表現できる、落ち着ける
  • 粘り強さ(GRIT)
     うまくいかない時でも投げ出さず取り組める
  • 自己効力感(やればできる感覚)
     挑戦しようと思える前向きさ
  • 注意の集中と持続
     遊びや学びへ没頭できる力

これらはすべて、学力の土台となる重要な能力です。


●社会性に関わる力

もう一つの柱は対人関係に関わる力です。

  • 思いやり(役割取得能力)
     相手の気持ちを想像し、共感する
  • 協調性
     友だちと一緒に目的を達成する
  • コミュニケーション力
     言葉で助けを求めたり、話し合いができる
  • 社会的判断力
     場のルールを理解し、適切にふるまう

これらは将来の人間関係、職場での評価、自己肯定感に直結します。

※詳しくはこちらを参考にしてください
 「非認知能力]とは。改めて非認知能力をまとめます

非認知能力について説明

非認知能力には「安定したアタッチメント」が必要

では、この非認知能力はどこから育つのでしょうか?

結論から言うと——
非認知能力の発達の“スタート地点”は、安定したアタッチメントです。


●「心の安全基地」があると、初めて挑戦できる

アタッチメントとは簡単に言うと、
「困ったときに安心して戻ってこられる大人との関係性」 のこと。

この安全基地がある子は、以下のように行動します。

  • 新しい遊びへの挑戦が増える
  • 失敗しても立ち直りが早い
  • 大人に気持ちを言葉で伝えられる
  • 他者の感情に敏感になる

つまり「自分は大丈夫だ」という感覚が、非認知能力の根っこになります。


●逆に、愛着が不安定だとどうなる?

  • 小さなつまずきでも落ち込みやすい
  • 注意散漫になりがち
  • 怒り・不安のコントロールが苦手
  • 他人との衝突が増える
  • 自己肯定感が育ちにくい

学習の土台である 自己調整力 が揺らぎ、行動面にも影響が出ます。

非認知能力は「教え込む」ものではなく、
安心できる大人との関係を土台に“自然に育つもの” なのです。


心が安定すると「学びたい気持ち」が自然に育つ

① 心の土台が不安定だと学びは進みにくい

アタッチメントが安定していないまま、知識を覚えさせたり認知面(認知能力)だけを伸ばそうとしても、思うような成果は出にくくなります。心が不安定な子どもは集中が続かず、少しの失敗でも「もう無理」と感じてしまい、挑戦そのものを避けてしまうことが少なくありません。まず心が落ち着いていることが、学びに向かうための前提条件になります。


② 安心できる関係が「自分から学ぶ力」を生み出す

一方で、安心できる大人との関係がしっかりと築かれている子どもは、「やらされる学び」ではなく、自分から興味を持ち、主体的に学び始める力が育ちます。安定したアタッチメントは、子どもの内側から自然に“学びたい気持ち”を生み出すエンジンのような役割を果たし、長期的な学びの姿勢にもつながっていきます。


■リコポ幼児教育が大切にしていること

リコポ幼児教育では、
アタッチメントを専門的に理解した教育アドバイザーが、
お子さま一人ひとりの資質を分析し、強みを伸ばすための教育プランを作成しています。

  • 非認知能力につながる遊び
  • 子どもの感情コントロール
  • 親子コミュニケーション支援
  • 保護者の悩み・不安の整理

これらの能力は将来の学習する能力にも必須となります。
単なる“ベビーシッター”ではなく、
幼児教育×家族支援を一体化したサービスとして365日サポートしています。

「この子の気持ちが分からない」
「自己肯定感を育てたい」
「癇癪が増えてきた」
など、どんなお悩みでもお聞かせください。

心の育ちは“一人で抱え込まなくていい”領域です。
リコポ幼児教育は、保護者の方が安心して子育てできる環境を整えています。


今日のおさらいQ&A3問

Q1. 非認知能力は、どうしてアタッチメントと関係があるのですか?

→非認知能力は「心の安定」を基盤として育つためです。安心できる大人がそばにいると、子どもは挑戦への不安が減り、気持ちを整えながら学びへ向かうことができます。逆に、心が不安定な状態では集中や粘り強さが育ちにくく、学びそのものが続きません。


Q2. 安定したアタッチメントがあると、どんな変化が見られますか?

→子どもが「自分からやってみたい」という主体性が高まり、興味や好奇心が自然と広がっていきます。また、失敗しても立ち直りが早くなり、感情の切り替えや他者との関わり方がスムーズになるなど、非認知能力の土台が整っていきます。


Q3. 家庭でアタッチメントを安定させるためにできることはありますか?

→まずは子どもの感情を丁寧に受け止めることが第一歩です。「悲しかったね」「悔しかったね」と気持ちを言葉にしてあげるだけで、安心感が大きく育ちます。また、予測できる生活リズムや小さな成功体験の積み重ねも、心の安定と非認知能力の育ちにつながります。



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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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