「育てにくさ」を感じることについて─アタッチメントの視点から
「どうしてうちの子はこんなに大変なんだろう…」
そう感じてしまう日があるのは、決してあなたが“育児に向いていない”からではありません。子どもには生まれ持った気質があり、アタッチメント形成は「当たり前の関わり」を続けることで育まれます。しかし、そもそも“育てにくさ”を感じる子どもに対して、その当たり前を毎日続けることほど難しいものはありません。
本記事では、アタッチメントと気質の関係、育てにくさを感じる背景、保護者が無理なく「安定した関わり」を続けるためのポイントを丁寧にまとめます。
リコポ幼児教育だからこそ伝えられる「家庭だけで抱え込まない子育て」の大切さもお伝えします。
<目次>
- 安定したアタッチメントは日々の関わりでつくられる
- 育てにくさを感じる子どもの特徴と背景
- 安定したアタッチメントのためにできること
- 育てにくさを感じたときの大人側の工夫
- 家庭だけで抱え込まないことの大切さ
安定したアタッチメントは「普段の関わり」で形成される
アタッチメント(愛着)は、子どもが安心して世界を探索し、心の土台を育てるうえで不可欠な関係性です。専門書や大学の講義で聞くと難しそうですが、実際はとてもシンプルで、“毎日の小さな関わり”の積み重ねで形成されるものです。
例えば、
・泣いたら抱きしめる
・名前を呼んで笑いかける
・「大丈夫だよ」と声をかける
・忙しい時でも、一瞬だけ視線を合わせて応じる
こうした「安定した対応」が積み重なることで、子どもは“世界は安全だ”と感じ、心の成長がスムーズになります。
その結果、自己調整力やコミュニケーション力、意欲などの非認知能力も自然と伸びていきます。
しかし…
現実には、育てにくさを感じる子どもに“安定した関わり”を継続するのは相当ハードです。
大人も疲れるし、気持ちに余裕がない日だってあります。
だからこそ、まずは「親が悪いわけではない」という視点がとても大切なのです。
※アタッチメントに関する記事です。こちらも参考にしてください。
【子どもの愛着】親だけでは決まらない。「よい」愛着を築くために
アタッチメントと幼児教育が非認知能力を育てる
「育てにくさを感じる子ども」とは
育てにくさは、決して親の努力不足ではありません。多くの場合、子どもが生まれながらに持つ“気質”や、発達の特性が関係しています。
▼よく見られる“育てにくさ”の具体例
・とにかく刺激に敏感で、すぐ泣く
・場所見知り・人見知りが激しい
・初めての環境に入るのが極端に苦手
・眠りに入りづらい、生活リズムが整いにくい
・癇癪が激しい
・待つことが難しい
・衝動的に動いてしまう
・音・光・匂いなどに過敏、または鈍感
・保護者の言葉が届きにくいように感じることがある
・特定のこだわりが強い
これらは、**“その子なりの特性”**であって、悪いわけではありません。
大人側の気力を奪っていくのは事実ですが、子ども本人が「困らせてやろう」と思っているわけでもありません。
また、発達障害(ASD・ADHD・感覚過敏など)の傾向が関係している場合もあります。
特性があることで刺激への反応が強く、結果として「育てにくさ」に繋がるケースがよくあります。
安定したアタッチメントのために大切なこと
育てにくさを感じる子どもにほど、アタッチメントの土台づくりが重要です。
そのためには、子どもの“気質”を知ることが第一歩になります。
▼子どもの気質を理解する
気質とは、
・刺激に敏感か鈍感か
・新しい環境に入るときの反応はどうか
・切り替えの得意・不得意
・情緒の揺れやすさ
など、生まれ持った特徴。
気質を理解すると「この反応はこの子の特性によるものだ」と受け止めやすくなり、保護者の心が少し軽くなります。
▼保護者が行う“当たり前の行動”の例
アタッチメント形成において、特別なスキルは必要ありません。
むしろ以下のような、「当たり前」に見える行動が決定打になります。
・泣いたら反応する
・困っている様子に気づいたら寄り添う
・「あなたの味方だよ」というメッセージを普段から伝える
・疲れている時も、できる範囲で穏やかに関わる
・抱っこやスキンシップで安心を届ける
・忙しい時こそ、短くても心のこもった声かけを
ただし――
“できる範囲で”が大前提です。
保護者が疲弊しては元も子もありません。
子どものこころ専門医に学ぶ 愛着と発達【発達に偏りのある子どもへの支援】(みんなの幼児と保育)
※発達の偏りや特性がある子どもへの大人の関わりと、「愛着=安全基地」が果たす役割について実践も含めて分かりやすく解説してくれています。
育てにくさを感じる時こそ、大人側の工夫が必要
育てにくいと感じる子どもは、愛情不足だから育てにくいのではありません。
気質・特性・発達の個性が関係しています。
だからこそ、大人側の工夫が必要です。
例えば、
・刺激に敏感な子なら、環境を落ち着かせる
・癇癪が強い子なら、言葉より先に共感とスキンシップ
・切り替えが苦手な子なら、予告をしてあげる
・初めての場所が苦手な子なら、写真や動画で事前に見せる
・衝動的な子には、動ける・休める環境のバランスを調整
こうした工夫は、慣れないうちは大変ですが、子どもにとっては世界がぐっと扱いやすくなります。
そして、最も大切なのは、
「子どもの行動を“性格”ではなく“特性”として見る」こと。
すると、保護者の心の揺れも少しずつ落ち着いていきます。
家庭だけで抱え込まない─第三者のサポートが必要
育てにくさを感じる子どもに、毎日安定した対応を続けるのは本当に大変です。
だからこそ、家庭だけで抱え込まないことが何より大切です。
・保育園
・幼稚園
・自治体の相談窓口
・発達支援
・専門アドバイザー
・教育に強いベビーシッター
こうした“外の手”を借りることは、決して弱さではありません。
むしろ、子どもに安定した関わりを続けるための賢い選択です。
保護者が疲れ果ててしまったら、どんなにがんばっても安定した関わりはできません。
保護者の心身の安定こそ、アタッチメントの根っこです。
▼リコポ幼児教育のサポート
リコポ幼児教育では、
・幼児教育の理論(アタッチメント・発達心理・ZPDなど)
・子どもの気質理解
・発達の特性に応じた関わり
・家庭の負担軽減
に精通した専門家がサポートします。
☆教育アドバイザー鈴木アトム先生について。
大学で発達教育学を学び、SNSでは3万人以上のフォロワーを持ち、子育て、幼児教育についての発信を行っています。子どもの気質を見抜くのもとても得意な先生です。
※下記は鈴木アトム先生に関しての記事です。その他「アドバイザー鈴木アトム先生について・アトム先生監修の記事」のカテゴリーでまとめてあるのでご覧ください。
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また、会員様は 365日いつでも相談可能です。
「子どもが保育園に行きたがらない」といった質問から、子どもの気質が分かりにくいなどの疑問まで何でもご相談ください。なるべく迅速に対応いたします。
育てにくさは、家庭の問題でも、保護者の努力不足でもありません。
子どもの気質や発達特性は一人ひとり異なり、親子で歩む道のりも違います。
“頼る”は弱さではなく、家族全体を守るための大切な選択です。
・理解する
・工夫する
・頼る
この3つがとても重要です。

今日のおさらいQ&A3問
Q1.育てにくさは親の努力不足ですか?
→いいえ、違います。多くの場合、子どもが生まれ持つ「気質」や発達の特性が背景にあります。育てにくいと感じても、それは保護者の責任ではなく、ごく自然な反応です。
Q2.アタッチメント形成には何が大切ですか?
→特別な方法よりも、日々の小さな「安定した関わり」が最も重要です。泣いたら応じる、共感する、抱きしめる、名前を呼ぶなど、“当たり前の行動”の積み重ねが心の土台をつくります。
Q3.育てにくさを感じたときの最初の一歩は?
「家庭だけで抱え込まないこと」です。保育園・自治体・専門アドバイザー・教育シッターなど第三者へ相談し、保護者自身の心身の安定を守ることが、子どもの安定にもつながります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)