子どもの社会性はどう育つ?レジリエンス(立ち直る力)との関係
イヤイヤ期から始まる「人と関わる力」の正体
「うちの子、友だちと遊べなくて大丈夫でしょうか」
「順番を守れないのは、しつけが足りないから?」
乳幼児期の保護者の方から、こうした不安をとてもよく伺います。
しかし結論から言えば、それらの多くはごく自然な発達の過程です。
子どもの社会性は、生まれた瞬間から完成しているものではありません。
むしろ、ぶつかり、失敗し、感情があふれながら、少しずつ形づくられていく力です。
本記事では、
「社会性とは何か」
「イヤイヤ期との関係」
「遊びを通してどう育つのか」
「大人はどう関わればよいのか」
そして「幼児教育の視点から見た社会性」について、丁寧に解説していきます。
目次
・子どもの社会性とは何か
・社会性のはじまりは「大人との関係」
・子ども同士の関わりと遊びの発達
・感情コントロールが社会性の土台になる
・社会性と幼児教育の深い関係
子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題(文部科学省)
子どもの社会性とは何か
― 未成熟だからこそ、育っていく力
社会性とは、「人と関わりながら生きていく力」のことです。
具体的には、相手の存在に気づくこと、自分の気持ちを表すこと、折り合いをつけることなどが含まれます。
ただし重要なのは、子どもは社会性が未成熟な状態で生まれてくるという点です。
これは欠点ではなく、成長の前提条件です。
乳幼児期の子どもは、まず「自分」という存在に気づくところから始まります。
この自我の芽生えが、いわゆるイヤイヤ期と深く関係しています。
イヤイヤ期は「社会性の入口」
イヤイヤ期は、自己主張が強くなり、衝突が増える時期です。
しかしこれは、
「自分には意志がある」
「他人とは違う存在だ」
と気づいた証でもあります。
つまり、イヤイヤ期は社会性が育ち始めたサインなのです。
ここで大切なのは、「言うことを聞かせる」ことではなく、
「この子はいま、社会に出る準備をしているんだ」と捉える視点です。
※イヤイヤ期に関しての記事です。
「イヤイヤ期」はなぜ起こるの?―心の発達に欠かせない大切な時期―
「イヤイヤ期」の乗り越え方 ― 心を育てる親の関わりと対処法 ―
社会性の始まりは「大人との関係」
子どもの社会性は、最初から子ども同士で育つわけではありません。
最初の社会は、大人との関係です。
安心できる大人に見守られ、
気持ちを受け止めてもらい、
失敗しても関係が壊れないと知る。
この積み重ねが、「人と関わっても大丈夫」という基本的な感覚を育てます。
大人との関係がモデルになる
子どもは、大人との関わりを通して、
・順番を待つ
・気持ちを言葉にする
・相手の反応を感じ取る
といった社会的なふるまいを学びます。
つまり、大人との関係は、将来の人間関係のひな型なのです。
子ども同士の関わりと遊びの発達
― ひとり遊びから協同遊びへ
子ども同士の社会性は、遊びの形として段階的に現れます。
最初はひとり遊びが中心です。
この時期の子どもは、まだ「相手と一緒に何かをする」意識はありません。
平行遊びとは何か
次に見られるのが「平行遊び」です。
これは、同じ空間で、同じようなおもちゃを使っているけれど、
一緒に遊んでいるわけではない状態を指します。
たとえば、
隣同士でブロックを積んでいるけれど、
お互いの作品には干渉しない。
しかし、相手の存在はちゃんと意識している。
この時期は、「他者の存在に気づく」重要な段階です。
協同遊びとは何か
さらに成長すると、「協同遊び」へと進みます。
役割を分けたり、ルールを共有したりしながら遊ぶようになります。
たとえば、
「お店屋さんごっこ」で役割を決める
「鬼ごっこ」でルールを守る
などです。
ここで初めて、相手に合わせる力が本格的に求められます。
遊びには「ルール」が必要になる
協同遊びが成立するためには、ルールが欠かせません。
しかし、ルールを守ることは、子どもにとって簡単ではありません。
負けたくない
思い通りにしたい
悔しい
そうした感情を経験しながら、少しずつ社会性が磨かれていきます。
※関連する記事です。パーテンの遊びの6分類とつながっています。
【幼児教育で注目】遊びと人との関わり──パーテンの6分類

感情コントロールの重要さ
― レジリエンスと社会性の関係
社会性を支える大きな土台が、感情コントロールの力です。
自分の気持ちに気づき、
言葉や行動で調整する力は、すぐには身につきません。
だからこそ、感情があふれたときに、
「大丈夫だよ」
「そう感じたんだね」
と受け止めてくれる存在が重要になります。
信頼できる存在が心を支える
信頼できる大人がそばにいることで、
子どもは安心して感情を表現できます。
この安心感が、立ち直る力=レジリエンスを育て、
結果として、社会性の土台になります。
※レジリエンスに関しての記事です。
レジリエンス・「立ち直る力」を支える能力
社会性と幼児教育
― 成長の段階を理解することが何より大切
社会性は、一気に育つものではありません。
段階があり、個人差があり、さまざまな要素が絡み合っています。
だからこそ、
「できない=問題」
と捉えるのではなく、
「いま、どの段階にいるのか」を見る視点が重要です。
親子以外の関係が持つ意味
社会性を広げるうえで、
親子以外の安定した関係も大きな役割を果たします。
保育者、先生、ベビーシッターなど、
家庭とは異なる安全な関係性の中で、
子どもは新しい社会性を試していきます。
☆リコポ幼児教育の考え方
リコポ幼児教育では、子どもの心の成長や、学習、学びの姿勢の土台となる「レジリエンス」を重視しています。
そして、子どもの社会性を「教え込むもの」ではなく、
安心できる関係の中で自然に育つ力として捉えています。
一人ひとりの発達段階を尊重し、
親子だけでは補いきれない経験を、
専門的な視点で丁寧にサポートしています。
「社会性が心配」という声の裏には、
「この子が将来、人と幸せに生きていけるか」という願いがあります。
その想いに、私たちは本気で向き合っています。
パパママからよくある質問3つ
Q1. 友だちと一緒に遊べないのですが、社会性が低いのでしょうか?
→いいえ、多くの場合は心配ありません。乳幼児期は、ひとり遊びや平行遊びが中心で、「一緒に遊ばない」ことは自然な発達段階です。他の子の存在に気づき始めていれば、社会性は確実に育っています。
Q2. イヤイヤ期にわがままが激しいのは、社会性に悪影響ですか?
→イヤイヤ期は、自我が芽生えた証であり、社会性の入口です。自分の気持ちを主張できるようになることは大切な成長です。大人が気持ちを受け止めながら関わることで、社会性はより安定して育っていきます。
Q3. 家庭以外の人と関わらせた方が社会性は育ちますか?
→はい、親子以外の安定した関係は社会性を広げる大きなきっかけになります。ベビーシッターや保育者など、安心できる大人との関わりは、子どもが新しい社会的経験を試す貴重な場になります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)