「関わりづらい子」ではなく、「感じ方が違う子」
感覚統合の視点から、子どもの行動を理解する
本日の記事は何度か記事にしています「感覚統合」の視点から子育てについて考えてみたいとおもいます。
※感覚統合に関しての記事 五感で育てる知性 幼児の感覚統合はすべての学習の土台になる
「何を考えているのかわからない」
「抱っこを嫌がる」
「親なのに、あまり反応がない」
子育てをしていると、周囲からは見えにくいけれど、心の中ではずっと引っかかっている違和感に出会うことがあります。
そしていつの間にか、
「この子は関わりづらいのかもしれない」
と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、幼児教育や発達の視点から見ると、そうした行動の多くは性格や愛情の問題ではありません。
その背景には、感覚の受け取り方や整理のしかた=感覚統合の特性が隠れていることがあります。
本記事では、「関わりづらい」と感じられやすい子どもの行動を、感覚統合の視点からひもとき、家庭でできる関わり方のヒントをお伝えします。
目次
・表情や反応が乏しい子どもの背景
・スキンシップを嫌がる子どもが感じている世界
・抱っこ・おんぶがしづらい理由
・感覚統合以外に考えられる要因
・「困った行動」を「理解できるサイン」に変えるために
表情や反応が乏しい子ども
覚醒レベルの低下という視点
子どもの中には、周囲から見て「反応が薄い」「感情がわかりにくい」と感じられる子がいます。
たとえば、
転んで体をぶつけても、あまり痛そうにしない。
大きな音がしても、驚いた様子がない。
親と離れる場面でも、後追いをしない。
こうした様子を見ると、
「感情が乏しいのでは」
「親への愛着が弱いのでは」
と不安になる方も少なくありません。
しかし感覚統合の視点では、これらの行動は覚醒レベルが低い状態として説明できることがあります。
覚醒レベルとは、外界の刺激に対して脳がどれくらい“目を覚ましているか”という状態です。
覚醒レベルが低いと、刺激を受け取っても脳が十分に反応せず、感情や行動として表れにくくなります。
※覚醒レベルに関しての詳しい記事です。
幼児の「覚醒レベル」とは?感覚統合との関係
効果的なアプローチ
このタイプの子どもには、強い刺激を与えるよりも、ゆっくりと覚醒を高める関わりが効果的です。
日常の中で、
体を大きく使う遊びを取り入れる。
一定のリズムで体を動かす。
声かけと身体感覚をセットにする。
こうした関わりを重ねることで、脳が刺激を受け取りやすくなり、表情や反応が少しずつ豊かになっていくことがあります。
スキンシップを嫌がる子ども
触覚防衛反応と共感性の発達
抱っこをすると体をのけぞらせる。
手をつなごうとすると振りほどく。
服のタグや特定の素材を極端に嫌がる。
このような様子があると、
「甘えが足りないのでは」
「親を拒否しているのでは」
と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、ここで考えたいのが触覚防衛反応です。
触覚防衛反応とは、触覚刺激を“危険”や“不快”として過剰に感じてしまう状態です。
本人にとっては、抱っこや手つなぎが「安心」ではなく、「強すぎる刺激」になっている可能性があります。
また、触覚を通した心地よい経験が少ないと「他者の気持ちを身体感覚で感じ取る力(共感性)」の育ちにも影響することがあります。
※12/21触覚防衛反応に関しての詳しい記事を書きました。参考にどうぞ。
触られるのが苦手な子どもにどうアプローチするか
効果的なアプローチ
無理にスキンシップを増やすことは逆効果です。
大切なのは、子どもが受け入れられる触覚刺激から始めることです。
服の素材を見直す。
短時間・予測可能な触れ方にする。
触れる前に言葉で知らせる。
「触られること=不快」から
「触れられても大丈夫」へ。
その小さな積み重ねが、安心感と人への信頼につながっていきます。
おんぶ・抱っこがしづらい子ども
平衡感覚とボディイメージの未発達
おんぶをしても、しっかりしがみついてこない。
抱っこすると体がぐらぐらする。
姿勢が安定せず、落ち着かない。
こうした場合、
「抱っこが嫌いなのかな」
「甘えない子なのかな」
と思われがちです。
しかし感覚統合の視点では、
平衡感覚の低反応や
ボディイメージの未発達が関係していることがあります。
平衡感覚は、自分の体が空間の中でどう動いているかを感じる感覚です。
これが弱いと、重力の方向が分かりにくく、不安定な姿勢が怖くなります。
また、ボディイメージが十分に育っていないと、
「どこに力を入れればいいのか」
「どう支えれば安定するのか」
が分かりません。
効果的なアプローチ
この場合、抱っこそのものを練習するよりも、
床での遊びや体を支える経験を増やすことが大切です。
四つ這いでの遊び。
押す・引くといった抵抗のある動き。
体を預ける感覚を楽しむ遊び。
こうした経験が、体の感覚を育て、結果的に抱っこやおんぶの安定につながります。
※関連する記事です。こちらに詳しく書いています。
学習意欲と姿勢は“平衡感覚”から育つ
固有覚の育ちと、子どもの「身体の使い方」→学習の土台へ

そのほかに考えられる要因
専門家につなぐという選択
感覚統合の視点はとても有効ですが、すべてを説明できるわけではありません。
反応の乏しさや関わりづらさの背景には、
難聴や弱視、
自閉スペクトラム症、
その他の発達障害や医療的な要因
が関係している場合もあります。
「何かおかしい」と感じた直感は、決して軽視すべきではありません。
不安を抱え込まず、専門家に相談することは、子どもを守る大切な行動です。
参考:韓国の児童を対象とした小児感覚統合療法の有効性(PMC)
「関わりづらさ」は、子どもからのサイン
子どもの行動は、すべて意味を持っています。
関わりづらいと感じる行動も、
「困らせよう」としているわけではありません。
それは、
「こう感じている」
「こういう世界にいる」
という、子どもからのサインです。
感覚統合の視点を持つことで、
行動は「問題」から「理解の入り口」へと変わります。
パパママからよくある質問3つ
Q1.表情や反応が乏しいのは、性格や愛着の問題なのでしょうか?
→必ずしもそうではありません。
感覚統合の視点では、刺激に対する脳の覚醒レベルが低いことで、反応が表に出にくい場合があります。
愛情や安心感が足りないのではなく、感じ取る力の使い方が違うだけというケースも多く見られます。
Q2.スキンシップを嫌がる子は、親との関係がうまく築けないのでしょうか?
→スキンシップを嫌がる背景には、触覚防衛反応など感覚の過敏さが関係していることがあります。
触れられること自体が不快な刺激になっている可能性があり、拒否は「嫌い」ではなく「つらい」というサインです。
無理をせず、その子が受け入れられる関わり方を探すことが大切です。
Q3.感覚統合の問題と、発達障害はどう違うのですか?
→感覚統合の特性は、すべてが発達障害に直結するわけではありません。
一方で、難聴・弱視・自閉スペクトラム症など、他の要因が関係している場合もあります。
気になる行動が続くときは、自己判断せず専門家に相談することが安心につながります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)