触られるのが苦手な子どもにどうアプローチするか
― 触覚のつまずきと「触覚防衛反応」を理解する ―
「手をつなごうとすると嫌がる」
「抱っこすると体を反らして逃げる」
「服のタグや特定の素材を極端に嫌がる」
こうした姿を目にすると、
「甘えが足りないのかな」
「抱っこに慣れさせた方がいい?」
と、保護者の方は悩みや不安を抱きがちです。
けれど、幼児教育や発達の視点から見ると、これらの行動はしつけや性格の問題ではないことが少なくありません。
背景にあるのは、触覚のつまずき、とくに触覚防衛反応という感覚の特性です。
本記事では、触覚防衛反応とは何か、なぜ起こるのか、そして家庭でできる関わり方までを、わかりやすく解説していきます。
※今回は前回出てきた「触覚防衛反応」という言葉にスポットを当てています。
「関わりづらい子」ではなく、「感じ方が違う子」
目次
・触られることを嫌がる子どもの具体例
・触覚防衛反応とは何か
・原始系と識別系の触覚の働き
・触覚の鈍麻と自己刺激行動
・触覚のつまずきが将来に与える影響
・家庭でできる具体的なアプローチ
・「何かおかしい」と感じたら相談を
触られることを嫌がる子ども
― 手つなぎ・抱っこを拒否する行動の背景 ―
触覚のつまずきがある子どもは、日常の中でさまざまなサインを見せます。
たとえば、
手をつなごうとすると、すっと手を引っ込める。
抱っこをしようとすると、体をのけぞらせて嫌がる。
保育園での集団遊びやスキンシップを避ける。
周囲から見ると、「冷たい」「なつかない」「協調性がない」と誤解されがちですが、本人にとっては触れられること自体が不快、あるいは怖い刺激になっている可能性があります。
このような反応は、親との関係性の問題ではなく、触覚の処理の仕方の違いとして理解することが大切です。
触覚防衛反応とは
― 触覚の「守りすぎ」が起きている状態 ―
触覚防衛反応とは、触覚刺激を必要以上に危険・不快なものとして感じてしまう状態を指します。
本来、触覚は安心や快の感覚をもたらすものですが、触覚防衛反応があると、日常的な刺激がストレスになります。
原始系と識別系の触覚
触覚には、大きく分けて原始系と識別系の二つの働きがあります。
原始系の触覚は、危険から身を守るための感覚です。
急に触られたときに「びくっ」とする、痛みや不快を感じて逃げる、といった反応を担います。
一方、識別系の触覚は、
「どこを触られているのか」
「どんな質感か」
を正確に感じ取るための感覚です。
安心して触れられる、心地よさを味わうために重要な働きです。
原始系にブレーキがかからない状態
通常は、識別系の触覚が発達することで、原始系の過剰な反応にブレーキがかかります。
しかし、触覚防衛反応がある場合、このブレーキがうまく働きません。
その結果、
軽く触れられただけでも驚く。
特定の素材や感触を強く嫌がる。
自分から触れるのは平気だが、人から触られるのは苦手。
といった行動が見られます。
参考:韓国の児童を対象とした小児感覚統合療法の有効性(PMC)
触覚の鈍麻に伴う自己刺激行動
― 爪かみ・指しゃぶりの意味 ―
触覚のつまずきは、過敏さだけでなく、鈍麻(感じにくさ)として現れることもあります。
触覚が鈍い場合、子どもは十分な刺激を得るために、自分で触覚を刺激する行動をとることがあります。
たとえば、
爪を噛み続ける。
指しゃぶりが長く続く。
服や物を強く触ったり、こすったりする。
これらの行動は、単なる癖や甘えではなく、体が必要としている感覚刺激を補おうとする行動として理解できます。
触覚のつまずきは何が問題か
― 将来につながる影響 ―
触覚のつまずきが十分にケアされないまま成長すると、さまざまな場面に影響が出ることがあります。
対人関係では、
スキンシップを避けることで距離感がうまくつかめない。
集団活動に参加しづらくなる。
生活面では、
衣服の不快感が強く、身支度に時間がかかる。
歯磨きや散髪など日常動作が苦痛になる。
さらに、安心できる身体感覚が育ちにくいと、情緒の安定や自己肯定感にも影響することがあります。
だからこそ、早い段階で「触覚のつまずき」に気づき、適切に関わることが大切です。
※子どもの自己肯定感についての記事です。
子どもの自己肯定感を育てるために大切なこと

触覚のつまずきへのアプローチ方法
― 家庭でできる具体的な関わり ―
タッチング
触覚防衛反応がある子どもには、いきなり触れるのではなく、予測できる・安心できる触れ方が重要です。
触れる前に声をかける。
一定の強さ・一定の時間で触れる。
短時間から始める。
「いつ・どこを・どう触られるか」が分かることで、原始系の過剰な反応が落ち着きやすくなります。
ふれあい遊び
遊びの中で触覚刺激を取り入れることも効果的です。
手遊び歌。
マッサージ遊び。
タオルやボールを使った遊び。
「楽しい」「安心」という感情と触覚刺激が結びつくことで、触れられる経験が少しずつ肯定的なものに変わっていきます。
無理に克服させるのではなく、その子のペースで慣れていくことが何より大切です。
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「これって個性?」
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幼児教育重視のベビーシッター 子育て・教育相談も重視します
触られるのが苦手な子どもは、困らせようとしているわけではありません。
その行動は、「こう感じている」という体からのメッセージです。
触覚防衛反応を理解することは、
子どもを変えることではなく、
関わり方を変えること。
その一歩が、子どもにとっての安心と成長につながっていきます。
パパママからよくある質問3つ
Q1.触られるのを嫌がるのは、親との愛着が弱いからでしょうか?
→多くの場合、愛着の問題ではありません。
触覚防衛反応があると、抱っこや手つなぎといった刺激が「安心」ではなく「不快」や「怖い」感覚として伝わることがあります。拒否の行動は、嫌いではなく、つらさを伝えるサインと考えることが大切です。
Q2.爪かみや指しゃぶりは、やめさせた方がよいのでしょうか?
→無理にやめさせる必要はありません。
触覚が鈍い子どもは、必要な刺激を得るために自己刺激行動をとることがあります。
背景を理解せずに制止すると、不安が強まることもあります。まずは感覚のつまずきを理解し、代わりとなる安心できる刺激を用意することが重要です。
Q3.家庭でできる関わりだけで改善しますか?専門家に相談すべきですか?
→軽度の場合は、家庭での関わりで楽になることもあります。
ただし、「日常生活に支障が出ている」「保護者が強い不安を感じている」場合は、専門家に相談することをおすすめします。早めの相談は、問題を大きくしないための前向きな選択です。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)