子どもの心を成長させる「よい」かかわり
― 子どもが感情を自分で整えられるようになるために ―
これまで何度か、アタッチメント(愛着)についてお伝えしてきました。
子どもが安心できる大人との関係を土台に、心が育っていくこと。
その重要性は、多くの保護者の方が実感されていると思います。
子どもへの愛着は「くっつき」と「言語化」が大事!
「アタッチメント(愛着)」について—子どもの“心の土台”になる力
今回はそのアタッチメントの中でも、特に大切な
「よい共感的なかかわり」に焦点を当てます。
子どもは、ただ共感してもらうだけで成長するわけではありません。
また、落ち着かせてもらうだけでも十分ではありません。
共感してもらいながら、一緒に感情を立て直してもらう経験
この積み重ねによって、子どもはやがて
自分自身で感情を適切に処理できる力を身につけていきます。
本記事では、
・子どもが感情にどう対処しようとするのか
・親のなだめ方にはどんなタイプがあるのか
・なぜ「共感+立て直し」の両立が重要なのか
を、具体例とともに解説していきます。
▼ この記事の目次
・子どもは感情にどう向き合っているのか
・子どもなりの感情への対処の仕方
・親のなだめ方に見られる3つのタイプ
・もっとも心が安定しやすい関わり方
・共感的なかかわりが育てる力
・まとめ:共感は感情調整力と社会性の土台になる
参考:乳児と親の愛着:定義、種類、先行要因、測定、結果(PMC)
子どもは感情にどう向き合っているのか
― 泣くだけではなく、必死に対処しようとしている ―
子どもが泣いたり、怒ったり、不安そうにしたりすると、
「感情をコントロールできていない」
と思われがちです。
しかし実際には、子どもは
感情に振り回されているだけではありません。
まだ未熟ではありますが、
子どもは自分なりに感情をどうにかしようと、必死に対処しています。
・泣いて助けを求める
・その場から離れようとする
・違うことに気を向ける
・問題を解決しようとする
これらはすべて、
感情を処理しようとする試みです。
次に、子どもがよく使う感情への対処の仕方を見ていきましょう。
子どもの感情への対処の仕方
― 3つの代表的なパターン ―
〇回避型対処
嫌なことから目を背け、注意を他に向ける方法です。
たとえば、
・嫌なことがあると、その場を離れる
・別の遊びを始める
・見ないふりをする
これは、感情の高まりを一時的に下げる効果があります。
子どもにとっては、とても自然な対処方法です。
ただし、問題そのものは解決していないため、
同じ場面で再び感情が大きく揺れることもあります。
〇問題焦点型対処
感情の原因そのものを解決しようとする方法です。
・壊れたおもちゃを直そうとする
・取られた物を取り返そうとする
・大人に説明しようとする
この対処は、非常に前向きです。
しかし、幼い子どもにとっては
力や知識、言葉が足りず、うまくいかないことも多いのが現実です。
うまくいかないと、
かえって感情が強まってしまうこともあります。
イヤイヤ期にもつながる、2歳前後によくみられるタイプです。
「イヤイヤ期」の乗り越え方 ― 心を育てる親の関わりと対処法 ―
〇再評価型対処
嫌な出来事を別の捉え方で見直し、気持ちを落ち着かせようとする方法です。
・「もういらない」と考える
・「たいしたことじゃない」と思おうとする
・「あとでいいや」と気持ちを切り替える
これは、感情を客観的に見ようとする高度な対処です。
この力は、周囲の大人との関わりの中で少しずつ育っていきます。
子どもが感情を調整していくために必要なこと
― 大人になだめてもらう経験 ―
子どもがこれらの対処を学び、使い分けられるようになるには、
大人からのサポートが不可欠です。
特に重要なのが、
大人になだめてもらう経験です。
ここで参考になるのが、
予防接種を受けに来た赤ちゃんが泣いたときの
親のなだめ方を観察した研究です。
この研究では、親のなだめ方に
3つのタイプがあることが示されました。
親のなだめ方の3タイプ
① 立て直しだけのタイプ
このタイプの親は、
「たいしたことないよ」
「チクっとするだけ」
「ほら、あれ見て」
と、子どもの不安には触れず、気をそらそうとします。
感情を早く収めようとする、善意の関わりです。
しかし、
子どもの「怖い」「不安」という気持ちは
十分に受け止められていません。
② 映し出しだけのタイプ
このタイプの親は、
子どもの感情に強く同調しすぎます。
・親も泣きそうになる
・「かわいそう…どうしよう…」と途方に暮れる
子どもは「分かってもらえた」と感じますが、
感情を立て直す方向には進みにくい状態です。
③ 両立タイプ(共感+立て直し)
このタイプの親は、
まず子どもの気持ちに共感します。
・子どもと同じような表情をする
・「怖いよね」「びっくりしたね」と映し出す
そのうえで、
「でも大丈夫だよ」
「お母さんが一緒にいるよ」
と、落ち着く方向へ導きます。
立て直し+映し出しの両立タイプを目指す
― 研究でも最も効果的だった関わり方 ―
研究では、この
「共感しながら立て直す」両立タイプが、
もっとも早く泣き止み、
落ち着いた状態を取り戻したことが示されています。
なぜなら、
・「分かってもらえた」という安心
・「大丈夫」という見通し
この両方を同時に得られるからです。
子どもは、
自分の感情を否定されず、
かといって感情に飲み込まれたままにもならない。
この経験が、
感情を自分で調整する力につながっていきます。
共感的なかかわりが育てる力
― 感情調整力と共感力、そして社会性へ ―
共感的なかかわりを繰り返し経験した子どもは、
次第に変化していきます。
・自分の感情に気づける
・言葉で気持ちを伝えられる
・落ち着く方法を知っている
さらに重要なのは、
他者の気持ちにも気づけるようになることです。
自分が共感されて育った子どもは、
他者にも共感しやすくなります。
この共感力は、
・友達関係
・集団生活
・社会性
と密接に関係しています。
※共感性についての記事です。
「共感性」を養う幼児教育 「思いやりのある子ども」は幸福度が高い

まとめよい共感的なかかわりは、心の土台になる
アタッチメントにおける
よい共感的なかかわりとは、
・子どもの気持ちを映し出す
・否定せず受け止める
・そのうえで、一緒に立て直す
このバランスの取れた関わりです。
共感することで、子どもは
自分の感情に気づき、
少しずつ調整できるようになります。
そしてその力は、
将来の人間関係や社会性を支える、
大切な土台になります。
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ご家庭に合った、無理のない共感的な関わり方を一緒に考えていきましょう。
パパママからよくある質問3つ
Q1.共感すると、子どもの気持ちがいつまでも落ち着かない気がします。
一時的に感情が強くなることはありますが、それは「分かってもらえた」ことで気持ちが表に出ている状態です。共感に加えて「大丈夫だよ」「一緒にいようね」と立て直しを行うことで、子どもは徐々に安心し、自分で感情を落ち着かせる力を身につけていきます。
Q2.「共感」と「甘やかし」はどう違うのでしょうか?
共感は感情を受け止めること、甘やかしは行動を無条件に許すことです。
「怖かったんだね」と気持ちを認めつつ、「でも叩くのはだめだよ」と伝えることは、共感であり、甘やかしではありません。感情と行動を分けて考えることが大切です。
Q3.共感しながら立て直す関わりは、いつ頃から意識すればよいですか?
できるだけ早い時期から意識することが大切です。乳幼児期は、感情を自分で整理できないため、大人に一緒に立て直してもらう経験が必要です。この積み重ねが、児童期以降の感情調整力や共感力、社会性の土台になります。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)