子どもの「ひとりごと」は心が育っている証拠
おもちゃで遊びながら、
ブロックを積みながら、
あるいは寝る前に、
子どもが誰もいないのに、ひとりで話している。
そんな姿を見て、
「これって大丈夫なの?」
「空想が強すぎるのでは?」
「注意したほうがいい?」
と、不安になったことはありませんか。
その「ひとりごと」こそ、子どもの心と思考が大きく育っている証**です。
そして成長とともに、自然と減っていくものでもあります。
今回は、発達心理学の代表的な理論である
ジャン・ピアジェと
レフ・ヴィゴツキーの考えをもとに、
「子どものひとりごと」が持つ意味を、やさしく解説していきます。
目次
- 子どもの「ひとりごと」は成長の途中にある自然な姿
- ピアジェが考えた「ひとりごと」――自己中心性という視点
- 社会性が育つと、ひとりごとはどう変わるのか
- ヴィゴツキーの「ひとりごと」論――外言と内言
- 外言とは何か?子どもが声に出して考える理由
- 内言とは何か?頭の中の「もう一人の自分」
- ひとりごとは、内言へ向かう大切な通過点
- ひとりごとは思考を整理するための道具
- 内言はいつごろ育つのか
- 成長の過程で、私たち大人にできること
1. 子どもの「ひとりごと」は成長の途中にある自然な姿
まず大前提としてお伝えしたいことがあります。
子どものひとりごとは、異常でも問題行動でもありません。
むしろ、心・言葉・思考がしっかり発達しているサインです。
特に幼児期(3〜6歳ごろ)は、
考えることと話すことがまだ完全に分かれていません。
「考える=話す」
この状態が、ひとりごととして表に出ているのです。
2. ピアジェが考えた「ひとりごと」――自己中心性という視点
ピアジェの「自己中心性」とは
ピアジェは、幼児期の子どもの思考の特徴として
**「自己中心性(エゴセントリズム)」**を挙げました。
これは「わがまま」という意味ではありません。
- 自分の視点が中心になりやすい
- 他者の立場を同時に考えることがまだ難しい
という、発達段階として自然な状態を指します。
ピアジェにとっての「ひとりごと」
ピアジェは、子どものひとりごとを
「相手に伝えることを目的としない言葉」
と捉えました。
つまり、
- 聞いてもらうためではない
- 会話として成立することを目的としていない
このため彼は、
「社会性が発達してくると、ひとりごとは減っていく」
と考えました。
※ピアジェは発達教育に関しての代表な研究者です。ブログにも「ピアジェの発達理論」のカテゴリーでまとめてあります。
子どもは“小さな科学者” ピアジェの発達段階理論と幼児教育の関係

3. 社会性が育つと、ひとりごとはどう変わるのか
ピアジェの理論では、
- 他者の存在を強く意識するようになる
- 会話が「相手ありき」になる
ことで、ひとりごとは次第に減少します。
実際、成長とともに
- 友だちとの会話が増える
- 相手の反応を見ながら話すようになる
と、独り言の頻度は自然と下がっていきます。
これは成長が止まったからではなく、社会性が育った結果です。
※関連の記事です。
【幼児期から育てる論理的思考力】“考える力”の伸ばし方
4. ヴィゴツキーの「ひとりごと」論――外言と内言
一方で、ヴィゴツキーは
ピアジェとは少し違う視点から、ひとりごとを捉えました。
彼は言葉を、次の2つに分けて考えました。
- 外言(がいげん)
- 内言(ないげん)
そして、ひとりごとはこの橋渡しだと考えたのです。
※ヴィゴツキーも発達教育において最重要人物の一人です。最近接領域という言葉も有名です。
「できそうで、できない」が重要 個別教育がもたらす子どもの飛躍

5. 外言とは何か?子どもが声に出して考える理由
外言の意味
外言とは、
他者とのやりとりのために使う言葉です。
たとえば、
「これ貸して」
「次はぼくの番だよ」
「ママ、見て!」
など、相手に向けて発せられる言葉です。
ひとりごとに見える外言の例
幼児期には、
「これはここで……あ、違う」
「こうしたら、できるかな?」
と、まるで自分に話しかけるような外言が多く見られます。
これは、
思考を外に出して整理している状態です。
6. 内言とは何か?頭の中の「もう一人の自分」
内言の意味
内言とは、
声に出さず、頭の中で行われる言葉です。
大人が、
「どうしようかな」
「さっきの言い方、まずかったかな」
と心の中で考えるとき、使っている言葉です。
内言の特徴
内言は、
- 省略されている
- 自分にしか分からない
- とても速い
という特徴があります。
そしてこれは、成長の結果として身につく力です。
7. ひとりごとは、内言へ向かう大切な通過点
ヴィゴツキーは、こう考えました。
ひとりごとは消えるのではない。
内言へと「変化」していく。
つまり、
- 声に出していた思考
- 自分に話しかける言葉
が、成長とともに頭の中へ移動するのです。
だから、ひとりごとが減ることは
考える力が弱くなった証ではありません。
むしろ、
考える力が内側に根づいた証なのです。
8. ひとりごとは思考を整理するための道具
子どもは、話すことで考えています。
- どうしたらいいか
- 何が問題なのか
- 次に何をするか
それを言葉にすることで整理しています。
ひとりごとは、
- 思考の交通整理
- 感情のクールダウン
- 行動の計画
といった役割を果たしています。
9. 内言はいつごろ育つのか
内言が本格的に育ち始めるのは、
おおよそ小学校低学年以降と言われています。
ただし、年齢には大きな個人差があります。
- ひとりごとが長く続く子
- 早く内言化する子
どちらも問題ありません。
大切なのは、
その子なりのペースで思考が育っていることです。
10. 成長の過程で、私たち大人にできること
ひとりごとを聞いたとき、
無理に止める必要はありません。
「うるさいからやめなさい」
「一人でぶつぶつ言わないの」
こうした言葉は、
思考を整理する大切な時間を奪ってしまうことがあります。
おすすめなのは、
- そっと見守る
- 必要なら「今、考えてるんだね」と受け止める
それだけで十分です。
ひとりごとは、
子どもが自分の力で考えようとしている姿なのですから。
関連リンク(参考)
- ピアジェの発達理論(概要)
https://www.britannica.com/biography/Jean-Piaget - ヴィゴツキーの内言・外言理論(解説)
https://www.simplypsychology.org/vygotsky.html
まとめ
子どものひとりごとは、
- 成長の証
- 思考が育っているサイン
- 内言へ向かう大切な通過点
です。
減っていくことも、
続くことも、
どちらも「順調な発達の途中」。
今日、もしお子さんがひとりで話していたら、
それはきっと、心の中で一生懸命考えている証拠です。
パパママからよくある質問3つ
Q1. 子どものひとりごとが多いのですが、注意したほうがいいですか?
注意する必要はありません。
子どものひとりごとは、考えや気持ちを整理している最中に自然と出てくるものです。特に幼児期は「考えること=話すこと」がまだ分かれていないため、声に出して思考している状態といえます。無理に止めず、そっと見守ることが大切です。
Q2. 成長すると、ひとりごとは本当になくなるのでしょうか?
多くの場合、成長とともに減っていきます。
これは、考えを声に出さなくても、頭の中(内言)で整理できるようになるためです。ひとりごとが減るのは、思考力や社会性が育った結果であり、発達が遅れているわけではありません。
Q3. ひとりごとが長く続いても問題はありませんか?
基本的には問題ありません。
内言へ移行する時期には個人差が大きく、ひとりごとが長く続く子もいます。それは「考える力が外に表れている」だけのことです。日常生活や対人関係に支障がなければ、心配せず見守って大丈夫です。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)