2025年戦隊シリーズ終了と子どもの教育について
子どもに影響を与えた「強さ」と「正しさ」
2025年、テレビ朝日系列で長年続いてきた戦隊ものシリーズが終了しました。
長年にわたり子どもだけでなく、大人からも愛され続けてきました。
私自身も見た記憶はあります。
よく覚えているのは『ジェットマン』『カクレンジャー』あたりです。
両方ともただかっこいいだけで終わるものではなく、今思うとドラマ性や演出面も凝っていたなと思います。
特にジェットマンのブラックコンドルは、敵のライバルとの戦いにしろ、最後のシーンにしろ、かなり鮮明に覚えています。
新シリーズとしてまた『ギャバン』が始まるようですが、今までのような戦隊ものではないようですが、どういう構成になるのか、どういうドラマ性にしてくるのか楽しみにしたいと思います。
それで、今回はこの戦隊シリーズが子どもの教育や成長にどのような影響を与えてきたかを考えたいと思います。アンパンマン、仮面ライダーなどもそうですが、物語が子どもの道徳に与える影響はそれなりに強いと思っています。
スーパー戦隊シリーズ(Wikipedia)
※関連記事です。
子どもが自分の役割を認識するということ
目次
- 2025年、戦隊ものがテレビから姿を消すという出来事
- 戦隊ものは「教育番組」ではなかったが、教育をしていた
- 子どもは最初に「強い」を選ぶ
- 成長とともに「正しい」を選べるようになる心の変化
- けんかの行動が変わるとき、心は育っている
- ルールを守る力は、押しつけでは育たない
- 戦隊ものが終わったあと、私たち大人にできること
- おわりに ― 教育のバトンは、次の形へ
1.2025年、戦隊ものがテレビから姿を消したという出来事
2025年、テレビ朝日系列で長年続いてきた戦隊シリーズが終了しました。
これは単に「一つの人気番組が終わる」という話ではありません。
戦隊ものは、何十年もの間、
子どもたちが毎週同じ時間に触れてきた物語の型であり、
同時に、子どもたちが社会を疑似体験するための環境の一部でもありました。
そこでは必ず、
・仲間がいる
・ルールがある
・対立が起きる
・選択を迫られる
といった「社会そのもの」が描かれていました。
戦隊ものの終了は、
子どもを取り巻く学びの環境が静かに変わる出来事だと捉えることができます。
2.戦隊ものは「教育番組」ではなかったが、教育をしていた
戦隊ものは、決して道徳を教えるための番組ではありません。
「こうしなさい」「これはダメです」と、正解を押しつけることもありません。
それでも子どもたちは、
・なぜその行動が問題だったのか
・なぜ仲間と衝突したのか
・どうすればよかったのか
を、物語を通して考え続けてきました。
幼児教育の観点から見ると、
これはとても重要な学び方です。
道徳やルールは、
説明されて理解するものではなく、経験を通して腑に落ちるものだからです。
戦隊ものは、まさにその「経験の場」を提供してきました。
3.子どもは最初に「強い」を選ぶ
ここから、子どもの心の成長に深く踏み込みます。
幼い子どもにとって、
最も分かりやすい価値は「強さ」です。
嫌なことをされたら、
・やり返す
・叩く
・押す
という行動を取るのは、珍しいことではありません。
これは、意地悪でも、性格が悪いわけでもありません。
まだ選択肢が少ない発達段階だからです。
幼い子にとって、
「話し合う」
「距離を取る」
「助けを求める」
といった行動は、
まだ頭の中に十分に存在していません。
そのため、
一番分かりやすく、即効性のある方法=力
を選んでしまうのです。
4.成長とともに「正しい」を選べるようになる心の変化
しかし、子どもは成長するにつれて、少しずつ変わっていきます。
・相手にも気持ちがあることに気づく
・叩くと、あとで困ることを経験する
・争わないほうが楽な場合があると知る
こうした経験の積み重ねによって、
子どもの中に「正しい」という視点が生まれてきます。
ここで大切なのは、
「強い」から「正しい」へは、一気に切り替わるわけではないということです。
揺れながら、迷いながら、
少しずつ選択肢が増えていきます。
※関連記事です。
子どもの「規範意識」をどう育てる?自由とルールのバランスが大事
5.けんかの行動が変わるとき、心は育っている
子どもの心の成長は、行動に表れます。
例えば、こんな変化があります。
小さい頃は、
けんかになれば「やっつける」という選択しかなかった子が、
成長するにつれて、
「やめて」と言う
その場から離れる
争わない道を選ぶ
ようになります。
これは、弱くなったからではありません。
心の中に選択肢が増えた証拠です。
戦隊ものの中でも、
最初は力で解決しようとするヒーローが、
失敗や衝突を経て、
「戦わない選択」をする場面が繰り返し描かれてきました。
子どもはそれを見ながら、
「強い=すぐ戦うことではない」
という感覚を、少しずつ身につけていったのです。
※関連記事です。
幼児期のけんかは必要?「ぶつかり合い」から育つ社会性と心の成長

6.ルールを守る力は、押しつけでは育たない
幼児教育の現場では、
「ルールを守らせたい」という悩みをよく耳にします。
しかし、ルールは
大人が一方的に教えても、心には残りません。
戦隊ものの中では、
・勝手な行動が仲間を危険にさらす
・ルールを破ることで全体が崩れる
といった結果が、物語として描かれていました。
子どもはそこで、
「ルールは縛るためのものではなく、守るためのもの」
だと、感覚的に理解していきます。
これは、
文部科学省が示す道徳教育の考え方
(行為の善悪を一方的に教え込むのではなく、考えさせる)
とも重なります。
参考:文部科学省「特別の教科 道徳」解説
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/doutoku/
7.戦隊ものが終わったあと、私たち大人にできること
戦隊ものが終わるからといって、
子どもが道徳を学べなくなるわけではありません。
家庭内でできることはいくらでもありますし、そもそもそちらこそ重要です。
・子どもが強さに憧れるとき
・正しさに迷うとき
・衝動的な行動をしてしまったとき
その場で正解を教える必要はありません。
「どうしてそうしたと思う?」
「ほかに方法はあったかな?」
と、一緒に考える時間を持つこと。
それこそが、戦隊シリーズが担ってきた役割を、
私たちが引き継ぐということなのかもしれません。
今日のおさらいQ&A3問
Q1.戦隊ものは、子どもの成長にどんな影響を与えてきたのでしょうか?
戦隊ものは、強さと正しさが必ずしも一致しない場面を繰り返し描いてきました。子どもはその中で、迷い、考え、選ぶ経験を積み重ねてきたと言えます。番組の有無よりも、こうした経験をどこでどう補うかが大切です。
Q2.小さい子がけんかで手を出すのは、道徳的に問題がありますか?
必ずしも問題ではありません。
幼い子が「やっつける」という行動を選ぶのは、まだ他の選択肢を十分に知らない発達段階だからです。成長とともに「やめてと言う」「離れる」「争わない」という選択が増えていきます。行動の変化は、心が育っているサインです。
Q3.子どもに「正しい行動」をどう教えればよいのでしょうか?
正解を先に教える必要はありません。
大切なのは、「どうしてそうしたの?」「ほかに方法はあったかな?」と一緒に考えることです。強さと正しさの間で迷う経験そのものが、道徳観を育てます。考える時間を共有することが、最も教育的な関わりです。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)