子どもは「何を描いたか」より「どう描いているか」
絵を描く姿から見えてくる、心と体の成長
子どもが一生懸命、紙に向かって絵を描いている姿。
大人にとっては微笑ましい日常の一場面かもしれません。しかし、その姿には、私たちが想像している以上に多くの「成長のヒント」が詰まっています。
「上手に描けているか」「何を描いたのか」に目が向きがちですが、実は本当に大切なのは描いている最中の姿そのものです。
姿勢、手の動き、目の動き、集中の仕方――それらは、子どもの心身の状態や発達段階を、言葉以上に雄弁に語ってくれます。
福祉や発達支援の現場でも、子どもに絵を描いてもらい、その様子から心や体の状態を把握することがあります。
今回は「絵の内容」ではなく、子どもが絵を描く姿に注目することの意味を、じっくり掘り下げていきます。
目次
- 子どもが絵を描く行為が、なぜそれほど重要なのか
- 福祉や支援の現場で「絵を描いてもらう」理由
- 絵を描く姿から見える、手先と眼の発達
- 姿勢とボディイメージが自然とあらわれる瞬間
- 眼球運動・手指操作と、学習・読書との深い関係
- 「描かせる」より「描いている姿を見る」という視点
- 私たちが絵を描く姿を重視する理由
- まとめ:絵を描く時間は、成長を見つめる時間
1. 子どもが絵を描く行為が、なぜそれほど重要なのか
子どもにとって「絵を描く」という行為は、単なる遊びではありません。
それは、身体を使い、感覚を総動員し、内面を外に表現する総合的な活動です。
紙に向かい、クレヨンや鉛筆を握り、目で見ながら手を動かす。
この一連の流れの中で、子どもは「自分の体をどう使うか」「思った通りに動かせるか」を無意識に学んでいます。
そしてもう一つ大切なのが、絵を描くことは言葉にならない状態を外に出す手段でもあるという点です。
気分が落ち着いているとき、不安があるとき、疲れているとき――それらは言葉より先に、行動や姿に表れます。
だからこそ、絵を描く行為そのものが、子どもの心身の状態を知る手がかりになるのです。
2. 福祉や支援の現場で「絵を描いてもらう」理由
福祉施設や発達支援の現場では、子どもに絵を描いてもらうことがあります。
これは「上手さ」を評価するためではありません。
・机に向かうときの姿勢
・道具の持ち方
・視線の動き
・集中の持続時間
こうした点を総合的に見ることで、今の心身の状態や発達の特徴を把握することができます。
重要なのは、一枚の絵を診断することではなく、描く過程を観察することです。
今回はまさに、その「過程」「姿」に焦点を当てていきます。
※話題作の『みいちゃんと山田さん』にも絵を描くシーンはないですが、福祉士の人が眼球の動きや字体、ボディバランスを見て判断するシーンがあります。
「姿勢が悪い子」何が問題か。『みいちゃんと山田さん』を見て

3. 絵を描く姿から見える、手先と眼の発達
子どもが絵を描いているとき、私たちは自然と手元を見ます。
しかし同時に、子どもの眼はとても忙しく動いています。
紙を見る
↓
手の動きを確認する
↓
また紙を見る
この往復運動が、無意識のうちに繰り返されています。
手先の細かな動きと、視覚情報を結びつける力は、この段階で少しずつ育っていきます。
線がまっすぐ引けなくても構いません。
はみ出しても、ぐにゃっとしても大丈夫です。
大切なのは、「自分の手を使って、目で確認しながら動かしている」という経験そのものです。
4. 姿勢とボディイメージが自然とあらわれる瞬間
絵を描く姿は、子どものボディイメージを映し出します。
体をどう支え、どこに重心を置き、どれくらい安定して座れているか。
体がまだうまくまとまらない時期の子どもは、
・椅子に深く座れない
・体が傾く
・頭が極端に近づく
といった姿勢になることもあります。
これは「だらしない」のではなく、発達の途中にある自然な姿です。
絵を描く時間は、体を一か所に保ちながら、手と目を協調させる活動。
だからこそ、ボディバランスの状態がとてもよく表れます。
※ブログでは発達のピラミッド・ボディイメージのカテゴリーでまとめてあります。
「ボディ・イメージ」とは?学びや自信を支える“身体の地図”
5. 眼球運動・手指操作と、学習・読書との深い関係
絵を描くときの眼球の動きは、後の学習と深くつながっています。
文字を読む、行を追う、黒板を見る――これらはすべて、眼球運動が土台にあります。
また、鉛筆を持つ力、線を調整する力は、将来の書字にも直結します。
つまり、絵を描く姿は学習の前段階を支える基礎でもあるのです。
無理に「きれいに描かせる」必要はありません。
むしろ、自由に描きながら、自然に目と手を使っている状態こそが理想的です。
6. 「描かせる」より「描いている姿を見る」という視点
大人はつい、「何を描いたの?」と聞きたくなります。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
しかし、少し視点を変えてみてください。
・どんな姿勢で描いているか
・どれくらい集中しているか
・途中で疲れていないか
そうした点に目を向けると、子どもの成長がより立体的に見えてきます。
絵は評価するものではなく、観察するもの。
この意識を持つだけで、関わり方は大きく変わります。
7. 私たちが絵を描く姿を重視する理由
私たちの会社では、子どもが絵を描く「姿」をとても大切にしています。
教育アドバイザーのアトム先生も、絵の完成度ではなく、描いている過程を丁寧に見ます。
なぜなら、その姿には
・その子らしさ
・今の発達段階
・無理の有無
が、はっきりと表れるからです。
子どもは言葉で説明できなくても、体と行動でたくさんのことを伝えています。
それを受け取るための、ひとつの大切な窓口が「絵を描く姿」なのです。
※アトム先生の紹介記事です。
幼児教育重視のベビーシッター 子育て・教育相談も重視します
8. まとめ:絵を描く時間は、成長を見つめる時間
子どもが絵を描いているとき、そこには心と体の成長が同時に存在しています。
上手かどうか、何を描いたかよりも、どう描いているかに目を向けてみてください。
その姿は、子ども自身が「今どこまで育っているか」を教えてくれます。
絵を描く時間は、評価の時間ではなく、理解の時間。
静かに見守るそのひとときが、子どもの成長を何よりも支えることになるのです。
参考:子どもの絵を「心の窓」として捉える研究(PMC)
パパママからよくある質問3つ
Q1. 子どもの絵が上手か下手かは、発達に関係ありますか?
上手・下手そのものは、発達の良し悪しを直接示すものではありません。
大切なのは完成した絵のクオリティではなく、描いているときの姿勢や手の動き、集中の様子です。線が歪んでいたり、形が整っていなくても、目と手を連動させながら描いている経験自体が、心身の発達をしっかり支えています。
Q2. 子どもが絵を描いているとき、親はどこを見ればいいですか?
絵の内容よりも「描いている姿」に注目してみてください。
椅子にどう座っているか、紙との距離、手首や指の使い方、視線の動きなどには、その子のボディバランスや発達段階が自然に表れます。評価や指摘をせず、静かに観察することが、子どもの安心感にもつながります。
Q3. 絵を描くことは、将来の勉強や読書にも役立つのでしょうか?
はい、深く関係しています。
絵を描く際の眼球運動や手先の細かな動きは、文字を追って読む力や、書く力の土台になります。楽しみながら描く経験を重ねることで、学習に必要な基礎的な力が無理なく育っていきます。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)