24時間保育園でのわいせつ事件から考える日本版DBS
何度か教育に携わる人たちの性犯罪と、日本版のDBSを取り上げてきました。
今回東京・新宿区の24時間保育園で起きた、保育士による男児へのわいせつ事件は相変わらず不快な気持ちにさせられます。
子どもを守るべき立場の「教育者・保育士」による性犯罪は、被害児童の人生に深い傷を残すだけでなく、現場で真摯に働く多くの保育士・ベビーシッターへの信頼まで傷つけます。
本記事では、今回のニュースの概要を整理したうえで、改めて教育者による性犯罪の深刻さ、日本版DBS(性犯罪歴確認制度)の重要性、そして真面目に働く保育士・ベビーシッターをどう守るべきかについて考えます。
目次
- ニュースの概要|24時間保育園で起きたわいせつ事件
- 教育者による子どもへの性犯罪のひどさ
- 日本版DBSとは何か|なぜ今、必要なのか
- 「法の理念」と「子どもを守る現実」の間で
- もう一つ許せない点|まじめに働く保育士・男性シッターへの被害
- 現場で真摯に向き合う支援者の存在
- 子どもを守り、現場を守るために私たちができること
- まとめ
1. ニュースの概要|24時間保育園で起きたわいせつ事件
2024年1月、東京・新宿区の24時間体制の保育園に勤務する40歳の男性保育士が、泊まり保育の際に男児の下半身を触るなどのわいせつ行為を行った疑いで逮捕されました。
問題は、複数の保護者が以前から園側に被害を訴えていたにもかかわらず、十分な対応が取られていなかったとされている点です。
警視庁には他にも数十件の相談が寄せられており、被害が一件にとどまらない可能性も指摘されています。
お泊まり保育でわいせつ行為か 24時間体制の保育園で働く40歳の保育士を逮捕(テレ東BIZ)
2. 教育者による子どもへの性犯罪のひどさ
教育者・保育士による性犯罪は、他の犯罪と比べても特に悪質です。理由は明確です。
子どもは善悪の区別がつきづらい
幼児期・児童期の子どもは、「これはおかしいこと」「大人がしてはいけないこと」を十分に理解できません。
その無知や純粋さにつけ込む行為は、まさに卑劣です。
恥ずかしさや恐怖で相談できない
被害にあった子どもは、
「怒られるかもしれない」
「自分が悪いと思ってしまう」
「恥ずかしい」
といった感情から、親や周囲に打ち明けられないケースが少なくありません。
一生消えない心の傷を残す
子ども時代の性被害は、自己肯定感の低下、人間関係への不安、トラウマとして大人になっても影響を及ぼすことがあります。
これは単なる「事件」ではなく、人生全体に影を落とす重大な人権侵害です。
弱者を狙った許しがたい犯罪
立場の弱い子どもを狙い、「教育者」という信頼の仮面を被って行われる犯罪は、社会全体で断じて許してはならない行為です。
3. 日本版DBSとは何か|なぜ今、必要なのか
日本版DBS(性犯罪歴確認制度)とは、子どもと接する職業に就く人について、過去の性犯罪歴を確認する仕組みです。
イギリスなどではすでに導入されており、教育・保育・福祉分野での採用時チェックが制度化されています。
制度にはプライバシーや更生の機会との兼ね合いといった難しい論点もありますが、子どもの安全を最優先するという観点では、導入の意義は極めて大きいといえます。
※日本版DBSに関してはこちらに詳しく書いています。
子どもを守る壁を築く 性暴力防止のため「しなければならない」こと

4. 「法の理念」と「子どもを守る現実」の間
私は大学で法学部に在籍し、憲法を中心に、
「表現の自由」「プライバシー権」「犯罪抑止とのバランス」といったテーマを、かなり真剣に議論してきました(こういった議論が行われるゼミでした)。
教室の中では、
「犯罪歴の開示は人権侵害ではないか」
「更生の機会を奪うのではないか」
といった意見が多く出ていたのを、今でもよく覚えています。
人権と防犯、更生、犯罪抑止など様々な視点からの意見を聞き、
「一度罪を犯した人間が、社会から排除され続けるのは本当に正しいのか」
「監視社会のような仕組みは危険ではないか」
そんな思いもありました。
しかし、実際に教育の現場に立ち、子どもや保護者と向き合う立場になってから、考え方は定まりつつあります。
目の前にいるのは、
まだ善悪の判断も十分につかない子どもや我が子を信じて預けてくれる保護者
です。
その現実を前にして、
この業界に身を置く人間として、日本版DBSの導入は“仕方がない”ではなく、“必要なこと”だと考えています。
大きな目線も必要だとは思いますが、取り返しのつかない被害を受けるのは、いつも子どもです。
そのリスクを少しでも減らせるなら、制度として踏み出すべき段階に、もう来ていると思っています。
参考:こども性暴力防止法(こども家庭庁)
5. もう一つ許せない点|まじめに働く保育士・男性シッターへの被害
子どもへの被害という点とは別にもう一つ許せない点があります。
この手の事件で本当に理不尽な被害を受けるのが、
真面目に、誠実に働いている保育士やベビーシッター、とくに男性保育者です。
一部の犯罪者のせいで、
「男性保育士は怖い」
「男性シッターは危ないのでは」
という偏見が広がると、
本来必要とされる多様な人材が現場から排除されかねません。
これは子どもにとっても不幸です。
ロールモデルの多様性や、大人との健全な関係性を学ぶ機会が失われてしまいます。
※男性ベビーシッターについての記事です。頑張っている人もたくさんいます。
男性ベビーシッターはリスクか、資源か

6. 現場で真摯に向き合う人がいる――アドバイザー・アトム先生の仕事ぶり
私は日々、子どもと関わる専門職の方々の仕事を間近で見ていますが、
中でも、アドバイザーのアトム先生の仕事ぶりには、正直、何度も背筋を正されます。
例えば、
たった数時間のシッティングや体験であっても、
その後に提出される報告書は、軽く原稿用紙5枚分、
多いときには2000字を超えることもあります。
内容も決して形式的なものではありません。
- その日の子どもの表情の変化
- 課題と課題解決法
- 子どもの気質、長所
- 最初は警戒していたのに、途中から距離が縮まった瞬間
- 何気ない遊びの中で見せた「その子らしさ」
- 保護者が何に悩み、どんな言葉に一番安心していたか
そういった細かな一つひとつがロジックを交えつつ書かれています。
この姿勢は子どもが好きであるのと同時に、おそらく「教育」そのもの、子どもの成長や教育を追及し、思考することが好きなんではないかと私は感じています。
子どもを“仕事の対象”としてではなく、“一人の人間”として見て、子どもの成長に本当に関心と喜びを感じる人なんだと思っています。
もちろん、その他のシッターさんも彼に影響を受けてか、本当にプロ意識をもって接してくれています。
こういう人たちが、毎日地道に子どもや保護者と向き合い、信頼を積み重ねている現実がある。
それなのに、一部の犯罪者の存在によって、
「保育」「シッター」「教育者」という言葉そのものが疑いの目で見られる。
私は、それが本当に悔しいし、腹立たしく思っています。
だからこそ、
この手の犯罪は、単に「犯罪者個人の問題」では終わらせてはいけない。
真面目に現場で踏ん張っている人たちの努力まで踏みにじる行為だということを、
もっと社会全体で共有されるべきだと思っています。
※鈴木アトム先生についての記事です。
幼児教育重視のベビーシッター 子育て・教育相談も重視します
7. 子どもを守り、現場を守るために私たちができること
今後、社会として必要なのは次の両立です。
- 子どもへの性犯罪に対しては、制度・法・運用の面から徹底的に厳しく対応する
- 一方で、真面目に働く保育士・ベビーシッターは、社会全体で支え、正当に評価し、応援する
日本版DBSの導入や、園・事業者側のガバナンス強化、保護者が声を上げやすい仕組みづくりなど、構造的な再発防止策が求められています。
8. まとめ
今回の事件は、「個人の問題」で片づけてよい話ではありません。
子どもを守る仕組みが十分に機能していたのか、制度として防げなかったのか、社会全体が問い直される出来事です。
- 性犯罪は断固として許さない
- 子どもの安全を最優先にする
- 同時に、誠実に働く保育士・ベビーシッターを守り、応援する
この両立こそが、安心して子どもを預けられる社会への第一歩だといえるでしょう。
Q&A三問
Q1. 保育士や教育者による性犯罪は、なぜ発覚しにくいのですか?
被害にあうのが幼い子どもである場合、善悪の判断がつきづらく、「何をされたのか」「誰に相談すればいいのか」が分からないことが多いからです。恥ずかしさや恐怖から黙ってしまい、被害が長期間見過ごされるケースも少なくありません。
Q2. 日本版DBSとは何ですか?本当に子どもを守る効果はありますか?
日本版DBSとは、子どもと関わる仕事に就く人の性犯罪歴を確認する制度です。イギリスなど海外では導入実績があり、採用段階でリスクを減らす仕組みとして一定の抑止効果が期待されています。万能ではありませんが、被害を未然に防ぐための「重要な一手」と言えます。
Q3. 男性保育士や男性ベビーシッターは危険なのでしょうか?
決してそうではありません。ほとんどの保育士・シッターは誠実に子どもと向き合っています。一部の犯罪者の存在によって、真面目に働く人まで偏見の目で見られるのは大きな問題です。大切なのは性別で判断することではなく、制度や仕組みで安全性を高めることです。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)