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【子どもの愛着】親だけでは決まらない。「よい」愛着を築くために

【子どもの愛着】親だけでは決まらない。「よい」愛着を築くために

昨日に続き、愛着についての記事です。
※前回【愛着】の発達について 親子関係の“安心の土台”をどうつくるか?

赤ちゃんは、ただ可愛い存在ではありません。生まれたその日から「この世界で安心して生きていくための土台」をつくるプロセスが始まっています。その中心にあるのが「愛着(アタッチメント)」です。
愛着は「母親との関係」だけを指すものではなく、子どもの資質・周囲の大人・家庭環境など、さまざまな要因が絡み合って形成されます。ボウルビィの愛着理論は、子どもの心の発達を理解するうえで非常に重要であり、保護者の方にも知っておいていただきたい内容です。

本記事では、愛着理論の基本から、愛着形成に影響する要因、健全な愛着を育むためのポイントまで、分かりやすく丁寧に解説します。

※愛着(アタッチメント)についての記事です。
 教育におけるアタッチメントとは? 大切にしたい心の安全基地


ボウルビィの愛着理論とは?

● ボウルビィ(John Bowlby)とは

ボウルビィ(1907–1990)は、イギリスの精神科医・精神分析学者であり、「愛着理論の父」と呼ばれる人物です。
彼は、乳幼児が養育者とどのように関係を築くかによって、その後の情緒・社会性・対人関係に大きな影響があることを研究によって明らかにしました。

ボウルビィの関心は「なぜ子どもは特定の大人にくっつこうとするのか?」「なぜその関係が生涯に影響するのか?」でした。その答えとして、彼が示したのが愛着行動と内的作業モデルという考え方です。


● 愛着理論の基本

ボウルビィの愛着理論の中心は以下の3つです。

① 愛着行動

赤ちゃんが泣く・笑う・甘える・後追いするなど、養育者を近くに引き寄せる行動のこと。
これは生まれつき備わっている生存のための本能的行動です。


② 安全基地

子どもは「この人は自分を守ってくれる」と信じられる相手がいると、安心して遊びや探検に向かえます。この存在を安全基地と呼びます。


③ 内的作業モデル

養育者との関係で得た経験をもとに、
「自分は大切にされる存在か?」
「他者は信じられる存在か?」
といった“心のルール”が形成されます。これが大人になってからの対人関係にも影響します。

愛着理論(Encyclopaedia Britannica)


愛着の対象は母親だけではない

かつては「母子関係こそが愛着の中心」と考えられていましたが、現代の研究では愛着対象は多様であることが分かっています。


●愛着対象となるのは、以下のような存在です

  • 母親
  • 父親
  • 祖父母
  • 保育者
  • ベビーシッター
  • 幼児教育者
  • 長く関わる親族
  • 特定の遊び相手・家庭外の安心できる大人 など

大切なのは「子どもが安心できる大人かどうか」です。
母親“だけ”でなくとも、複数の大人が安全基地になることは、むしろ子どもの適応力を高めると言われています。

教育におけるアタッチメント

愛着形成は“親だけ”では決まらない

愛着は親の養育態度だけで決まるわけではありません。
子どもの気質・家庭環境・ストレス要因・養育者側の心理状態など、複数の要因が関係します。

●愛着対象は多様に広がる

人間は、幼児期の後半にかけて複数の愛着対象を持てるようになります
そのため、母親・父親に加えて、幼稚園の先生やベビーシッターなど、日常的に子どもと触れ合う大人が愛着対象になりえます。

●子どもの資質と愛着形成

子どもには生まれながらの気質・特性があります。
例えば、

  • 不安を抱えやすい
  • 刺激に敏感
  • 人見知りが強い
  • 慎重でゆっくりタイプ
    こうした特性は愛着形成の「形」に影響しますが、良し悪しではありません。

大切なのは、子どもの資質に合った関わり方ができているかです。

●環境要因と愛着形成

環境要因は愛着に大きく影響します。
例えば、

  • 家庭の雰囲気(安心・不安・緊張)
  • 保護者のストレス状態
  • 生活の安定(睡眠・食事・生活リズム)
  • 兄弟姉妹との関係
  • 乳幼児施設での人間関係
    など。

つまり愛着は子ども・保護者・環境の相互作用でつくられるのです。


健全な愛着形成を築くために必要なこと

健全な愛着が形成されると、子どもは

  • 安心感
  • 探索意欲
  • 自己肯定感
  • 社会性
  • 感情調整力
    を土台として育っていきます。

そのために大切なポイントは以下の通りです。

●子どものサインを「受け止める」

泣く、ぐずる、抱っこを求める、目を合わせる……
これらはすべてコミュニケーションの始まりです。
すぐに正解を出す必要はなく、まずは**「気づいてもらえた」と感じさせること**が重要です。


●一貫性のある関わり

日によって対応が変わると、子どもは安心できません。
「この人はいつも自分に応えてくれる」という一貫性が、愛着の安定につながります。


●スキンシップや共感

抱っこ、おんぶ、手をつなぐ、優しく声をかける、気持ちに寄り添う。
身体的・情緒的な温かさが、愛着形成の大きな柱になります。


●家庭だけで抱え込まない

親が安心して育児できる環境は、子どもにとっても安心につながります。
信頼できる人に頼ったり、相談したりすることも、健全な愛着形成には不可欠です。


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愛着は「親が頑張れば100%決まる」という単純なものではありません。
子どもの資質、家庭環境、周りの大人、日々の関わりが折り重なってつくられる“関係の積み重ね”です。

愛着が安定している子どもほど、人生のいろいろな場面で挑戦し、困難に向き合い、豊かな対人関係を築けるようになります。


今日のおさらいQ&A3問


Q1. ボウルビィの愛着理論とは何ですか?

→子どもが特定の大人に安心感を求める行動を「生存のための本能」として捉え、そこから形成される心理的な「安全基地」や「内的作業モデル」が、その後の対人関係や自己肯定感に影響するとした理論です。


Q2. 愛着の対象は母親だけですか?

→いいえ。父親、祖父母、保育者、ベビーシッターなど、子どもが「安心できる」と感じる大人すべてが愛着対象になりえます。複数の愛着対象を持つことはむしろ適応力の向上につながります。


Q3. 健全な愛着形成のために親ができることは何ですか?

→子どものサインを受け止めること、一貫性のある対応、スキンシップや共感を大切にすること、そして家庭だけで抱え込まず、必要に応じて専門家に相談することが重要です。



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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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