幼児期に大切な感覚統合と発達ピラミッド〜小学校受験にも役立つ力〜

図のピラミッドは子どもの発達の階層構造を表しています。頂上には学習、集中力、情緒が位置しています。その頂上を積み上げるためには、ピラミッドの下層部が必要であり、それが積みあがれば中層、上層と発展していきます。つまり、ピラミッドの下層部や中層部、すなわち土台部分がしっかりしていないと頂上部にある学習(受験勉強を含みます)にたどり着けません。「土台」のない学習は大きな効果が期待できないのです。
そして、このピラミッドの土台を育むのに重要なのが乳幼児期であり、遊び(幼児教育)です。
子どもの健やかな成長と学びの基盤をつくるカギは「遊び」の中に隠されています。砂遊びやブランコといった体験は、触覚やバランス感覚を育む「感覚統合」を促し、姿勢や集中力を支える力に。さらに、目で見た情報と体の動きを結びつける力は「ボディイメージ」を育て、学習や運動をスムーズにします。そしてその土台の上に、言語理解や表現、指示理解、課題持続力といった力が積み重なり、コミュニケーション力や自己肯定感へと発展していきます。小さな遊びの積み重ねが、子どもの未来を大きく拓くのです。
① 感覚・運動の土台作り(ピラミッド下層より)
子どもの「学びの土台」を作るうえで欠かせないのが 感覚統合 です。感覚統合とは、日常の中で「触覚・前庭覚・固有覚・バランス・姿勢調整」に働きかける活動などを言い、体に入ってくる情報を脳が整理し、上手に使えるようになることをいいます。
たとえばブランコで揺れる、砂遊びで手を使う、平均台を歩くといった遊びは、楽しみながら脳と体の協調を促し、姿勢の安定や集中力、学習力につながります。小さな「遊び」が子どもの可能性をぐんと伸ばすのです。感覚統合を意識した関わりは、家庭でも取り入れられる身近な教育アプローチです。
→こられの能力を育む学習(遊び)の具体例:
- トランポリン(前庭覚・バランス)
- 坂道・平均台歩き(姿勢・固有覚)
- 指先遊び(触覚・手の操作性)
※ 詳しく調べたい方はこちらも参考にしてください。https://www.developmentaltherapy.com/sensory-integration-and-processing-a-guide-for-parents/?
② 見て動く力・ボディイメージの強化(ピラミッド中層より)
子どもが成長していくうえで大切なのが、目で見た情報と体の動きをつなぐ力です。これは「視覚と運動の協応」と呼ばれ、たとえばボールをキャッチする、線の上を歩く、ハサミで紙を切るといった活動に関わります。さらに、こうした経験を通じて「自分の体はどう動くのか」「どこまで手足が届くのか」といった「ボディイメージ」が育まれます。体のイメージがしっかりすると、姿勢の安定や運動のスムーズさだけでなく、集中力や学習面にもよい影響を与えます。日常の遊びや運動は、子どもの心と体を支える基盤をつくる大切な学びなのです。
→ これらの能力を育む学習(遊び)の具体例:
- 模倣運動(大きな動き、小さな動き)
- 障害物コース作り(運動計画力)
- 絵カードで体の部位当て(体の名称・位置感覚)
以前、集中力を養うには、体力(ボディーバランス)を養わなければならないという記事を書きました。参考にしてみてください。
https://lycopo.com/東京で選ばれるベビーシッター%e3%80%80カウンセリング/
③ 言語・学習・集中力(ピラミッド上層)
ピラミッドの上層部に位置するのは言語理解と表現する力、指示理解、課題持続力 です。言葉を理解し、自分の思いや気持ちを表現できることは、コミュニケーションの基盤となります。「指示を理解する力」は「これを片づけて」「ブロックを持ってきて」といったやり取りを通して、聞く力と行動を結びつける練習が積み重なります。
さらに遊びや学習の中で集中して取り組む「課題持続力」が育つと、最後までやり抜く力や自己肯定感につながります。これらの力はすべて連動しており、遊びや日常生活の中で自然に育まれるもの。小さな成功体験の積み重ねが、子どもの未来を大きく支える力となっていきます。
この上層部の能力は小学校受験につながる力になっていきます。
→これらの能力を育む学習(遊び)の具体例:
- しりとり・分類遊び(言語認知)
- 「3つの指示行動」ゲーム(記憶+行動)
- パズル・積み木模倣(図形構成)
遊びと学びについては密接に関わっています。
ピラミッドの土台部分を積み上げていくことによって、上層まで積みあがっていき、学習やそして受験勉強にもつながります。土台部分が乳幼児期に積みあがっていないと、学習に大きな効果は期待できません。
明日は実際私たちが子育て・教育相談のうえで提案、取り入れている遊びをもう少し詳しく、具体的にお伝え致します。