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ジョイントネスとは?乳幼児の発達を支える「人と響き合う力」

ジョイントネスとは?乳幼児の発達を支える「人と響き合う力」

赤ちゃんは、生まれたばかりのころから人に反応します。
大人の声に耳を傾けたり、顔をじっと見たり、笑いかけられると笑い返したりします。

このように、赤ちゃんと大人が互いに反応し合い、心がつながっていく力を考えるうえで大切な言葉が、ジョイントネスです。

少し専門的な言葉ですが、簡単に言えば、
人に感応し、人と響き合う力
と考えると分かりやすいです。

今回は、ジョイントネスとは何か、アタッチメントとの違い、そして乳幼児の発達にどのように関わるのかを、保護者の方に分かりやすく紹介します。

目次

  1. ジョイントネスとは?
  2. アタッチメントとの違い
  3. ジョイントネスが乳幼児の発達を促す理由
  4. ジョイントネスの2つの側面
  5. 家庭でできる関わり方

ジョイントネスとは?

ジョイントネスとは、赤ちゃんと大人が互いに感応し合い、情緒的につながることです。

たとえば、

  • 赤ちゃんが大人の顔をじっと見る
  • 大人が笑いかけると、赤ちゃんも笑う
  • 赤ちゃんが声を出すと、大人が「そうなの」と返す
  • 大人が歌うと、赤ちゃんがじっと聞く
  • 赤ちゃんが手足を動かすと、大人もリズムを合わせて反応する

こうしたやりとりの中に、ジョイントネスがあります。

甲南女子大学の遠藤利彦氏の講演録では、ジョイントネスは赤ちゃんと大人が互いに感応し合い、情緒的につながる中で、社会的な脳と心ができあがっていくものとして説明されています。

つまりジョイントネスは、まだ言葉を話せない赤ちゃんが、
「人っておもしろい」
「人の声を聞きたい」
「自分の反応に応えてくれる人がいる」
と感じていく出発点です。

参考(甲南女子大学)「子育て・子育ちの基本について考える ~アタッチメントと子どもの社会性の発達~」

アタッチメントについて

アタッチメントとの違い

ジョイントネスと似た言葉に、アタッチメントがあります。

アタッチメントとは、子どもが不安なときや困ったときに、特定の大人に近づき、安心を得ようとする関係です。
たとえば、怖いことがあったときにお母さんやお父さんのところへ行く、泣いたときに抱っこを求める、といった姿です。

一方、ジョイントネスはもう少し広い意味を持ちます。

言葉簡単な意味
ジョイントネス人に感応し、互いに響き合う力
アタッチメント不安なときに特定の人に安心を求める関係

焼津市の保育研修資料でも、ジョイントネスは「お互いに人をひきつけ合って心と脳が育っていく」概念であり、その後のアタッチメントの呼び水になると説明されています。

つまり、ジョイントネスは、赤ちゃんがまず人に反応し、人とつながろうとする土台。
アタッチメントは、その中で特定の安心できる人との関係が深まっていくもの、と考えると分かりやすいです。

※アタッチメントについてはブログのカテゴリーにまとめてあります。教育におけるアタッチメントとは? 大切にしたい心の安全基地


ジョイントネスが乳幼児の発達を促す理由

ジョイントネスは、乳幼児の発達を促す大切な力です。

赤ちゃんは、大人との関わりを通して、

  • 人の声を聞く
  • 表情を見る
  • 相手の反応を待つ
  • 自分の声や動きに応えてもらう
  • 心地よいやりとりを経験する

といったことを学びます。

この経験は、言葉、社会性、感情の発達にもつながります。

たとえば、赤ちゃんが「あー」と声を出したとき、大人が「あーって言ったね」と返す。
赤ちゃんが笑ったとき、大人も笑い返す。
このような小さなやりとりの積み重ねが、
「自分の反応は相手に届く」
「人と関わるのは心地よい」
という感覚を育てます。

これは、後のコミュニケーションの土台になります。


ジョイントネスの2つの側面

ジョイントネスには、大きく分けて2つの側面があります。


1. 社会的知覚

社会的知覚とは、人の顔・声・動きなど、人からの刺激に注意を向け、好んで見たり聞いたりする力です。

赤ちゃんは、単に周囲の音を聞いているだけではありません。
人の声、顔、表情、動きに特別な関心を向けていきます。

たとえば、

  • お母さんやお父さんの声を聞くと落ち着く
  • 顔をじっと見る
  • 話しかけられると手足を動かす
  • 歌や声かけに反応する

こうした姿は、社会的知覚の表れです。

人の声や表情に気づくことは、後の言葉の理解や、人との関わりの第一歩になります。


2. 社会的共振

社会的共振とは、他者の表情・声・動きに同調し、響き合う力です。

たとえば、

  • 大人が笑うと、赤ちゃんも笑う
  • 大人が高い声で話すと、赤ちゃんが嬉しそうに反応する
  • 手遊びのリズムに合わせて体を動かす
  • 大人の表情に合わせて、赤ちゃんの表情も変わる

このように、人と人がリズムや感情を合わせていくことが社会的共振です。

赤ちゃんは、ただ受け身で育つわけではありません。
赤ちゃんの笑顔や声も、大人の反応を引き出しています。

つまり、赤ちゃんと大人は一方通行ではなく、互いに影響し合っているのです。
赤ちゃん、なかなかの名指揮者です。大人の表情を、ちゃんと動かしています。


家庭でできる関わり方

ジョイントネスを育てるために、特別な教材は必要ありません。
大切なのは、赤ちゃんや子どもの反応に気づき、応えることです。


顔を見て話しかける

おむつ替えや着替えのときに、顔を見ながら声をかけます。

「気持ちいいね」
「お着替えしようね」
「こっち見てくれたね」

短い言葉で十分です。


子どもの声に返す

赤ちゃんが「あー」「うー」と声を出したら、返事をしてあげます。

「あーって言ったね」
「そうなの」
「お話してくれたのかな」

まだ言葉になっていなくても、やりとりの経験になります。


表情を合わせる

子どもが笑ったら、笑い返す。
驚いた顔をしたら、「びっくりしたね」と受け止める。

表情を返してもらうことで、子どもは人と気持ちがつながる感覚を経験します。


リズムのある遊びをする

手遊び、歌、いないいないばあ、抱っこでゆらゆらする遊びもおすすめです。

リズムのある遊びは、社会的共振が生まれやすい関わりです。

遊び育ちやすい力
いないいないばあ期待する力、相手を見る力
手遊び歌リズムに合わせる力
抱っこでゆらゆら安心感、身体の同調
声のまねっこやりとり、音への関心

大事なのは、上手にやることではありません。
子どもが楽しそうにしているか、反応しているかを見ながら、ゆっくり関わることです。


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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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