幼児の記憶はいつからか?
子どもの記憶と振り返る力はどう育つ?3〜4歳に起こる心の変化
「自分のいちばん古い記憶はいつだろう」と考えると、3歳や4歳ごろの場面を思い出す方も多いのではないでしょうか。私自身も、3歳のころ、保育園で先生に連れられていた場面をうっすら覚えています。今日は、そんな「子どもの記憶」と「振り返る力」について、わかりやすくお伝えします。
大人には当たり前に見える「思い出す」「反省する」「気にする」という力も、実は幼児期に少しずつ育っていくものです。
成人の最初の記憶が平均して3〜4歳ごろに集中しやすいこと、また幼い子どもの自伝的記憶は発達の途中にあることが研究で示されています。
参考:子どもの情緒発達(子ども百科事典)
目次
- 思い出す力はいつごろ育つのか
- 記憶が育つと「周りの目」も気になり始める
- 振り返る力は自己修正につながる
- 思い出すことが苦手な子への関わり方
- この時期に親が取るべき行動
1.思い出す力はいつごろ育つのか
子どもは突然、昨日の出来事を立派に語れるようになるわけではありません。2歳台でも、楽しかった出来事を断片的に話す子はいますが、出来事を順序立てて振り返ったり、「あのときこうだった」と自分の経験として語ったりする力は、3歳前後から伸びやすくなります。とはいえ、この時期はまだ記憶も言葉も発達の途中なので、「昨日なにしたの?」と聞かれても、時系列どおりに正確に答えるのは難しいことが少なくありません。
この背景には、「自分の経験を、自分のものとしてまとめる力」が育ってくることがあります。記憶は、ただ保存されるだけではなく、「自分に起きたこと」として意味づけられて初めて語りやすくなります。3〜4歳ごろは、その土台がぐっと育つ時期です。
2.記憶が育つと「周りの目」も気になり始める
2歳ごろの子どもは、まず「自分のやりたい」が前に出やすい時期です。「自分でやる」「いやだ」「これがいい」と強く主張するのは、わがままというより、自分という存在が育ってきた証拠でもあります。幼児期の前半には自己意識が育ち始め、感情の出し方にもその変化が表れます。
そして3〜4歳を過ぎるころから、子どもは少しずつ「見られている自分」を意識し始めます。たとえば、みんなの前で転ぶと急に恥ずかしそうにする、先生に注意されると必要以上に落ち込む、友だちのほうが上手にできたとわかると不機嫌になる、といった姿が見られます。4〜5歳ごろには、他の子との比較を自分の評価に使う傾向も確認されており、周りの評価に敏感になっていく土台が育っていきます。
4歳ごろになると、子どもは「外から見える自分」だけでなく、「心の中の自分」にも少しずつ気づき始めます。だからこそ、失敗した出来事をあとから思い出してしょんぼりしたり、「先生に怒られた」「笑われた」と気にしたりすることがあります。気持ちの育ちが進むぶん、不安が強い子では寝つきが悪くなったり、夜に目を覚ましやすくなったりすることもありますが、これはすべての子に必ず起こるわけではありません。
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3.振り返る力は自己修正につながる
過去を思い出せるようになると、子どもは少しずつ「前はこうだった」「今度はこうしよう」と考えられるようになります。これは、いわゆる反省や自己修正の芽です。たとえば、昨日おもちゃを取り合って泣いてしまった子が、次の日には少しだけ我慢しようとする。あるいは、「この前走って転んだから、今日はゆっくり行こう」と行動を変える。こうした変化は、記憶と自己調整の力がつながり始めたサインです。3〜7歳ごろは自己調整の力が大きく伸びる時期ですが、3〜4歳ではまだ効果は限定的で、支えが必要です。
ただし、思い出すことが苦手な子に、過去の失敗を何度も持ち出して注意しても、あまり効果が出ないことがあります。「昨日もやったでしょ」「前も言ったよね」と言われても、子どもの中でその経験がうまく整理されていなければ、注意が行動の修正につながりにくいのです。記憶の力がまだ育ちきっていない子ほど、“過去を責める”より“その場で支える”ことのほうが大切です。

4.思い出すことが苦手な子への関わり方
思い出す力は、日々の会話の中で育てていけます。
特に効果的なのは、親が「尋問」ではなく「一緒に思い出す相手」になることです。子どもの記憶は、大人との会話によって支えられやすく、開かれた質問や、出来事の流れを補う言葉かけが助けになります。親子で過去の出来事を振り返る会話のしかたは、その後の記憶の豊かさにも関係すると報告されています。
たとえば、公園から帰ったあとに「楽しかった?」だけで終わるのではなく、「最初に何して遊んだっけ?」「すべり台のあと、だれと話した?」「そのときどんな気持ちだった?」と、順番・人物・気持ちをやさしくたどるように聞くと、子どもは出来事を整理しやすくなります。答えられないときは、「ブランコしたよね」「赤いボールでも遊んだよね」と大人が少し手がかりを出してあげると十分です。正解を当てさせるより、「思い出す練習」そのものが大切です。
5.この時期に親が取るべき行動
この時期の親に大切なのは、子どもが失敗を“思い出して苦しくなる相手”ではなく、“思い出して整理できる相手”になることです。子どもが何かをうまくできなかったときは、すぐに評価するより、まず出来事を一緒に振り返ることが役立ちます。たとえば、「なんでできなかったの」ではなく、「あのとき、急いでたね」「貸してって言われていやだったね」と状況や気持ちを言葉にしてあげる。そうすると子どもは、ただ怒られた記憶ではなく、“自分の経験を理解できた記憶”として残しやすくなります。
また、次につながる声かけも大切です。たとえば、お友だちを押してしまったときに、「押したらだめ」で終えるのではなく、「次は『かして』って言ってみようか」と具体的な修正の形を示す。朝の支度で毎回怒ってしまうなら、「昨日は靴下で止まったね。今日は靴下のあとに何する?」と先を見通す会話に変える。振り返りは、責めるためではなく、次の行動を作るために使うのがポイントです。
そしてもう一つ大事なのは、恥ずかしさや落ち込みを頭ごなしに否定しないことです。4歳前後の子どもは、周りの目を気にし始めるからこそ、失敗がとても大きく感じられることがあります。そんなときに「気にしすぎ」「それくらい平気でしょ」と片づけると、子どもは気持ちの整理がしにくくなります。「恥ずかしかったね」「悔しかったね」と受け止めたうえで、「でも次はこうすれば大丈夫」とつないであげることが、安心と自己修正の両方を育てます。
今日のおさらいQ&A3問
Q1. 子どもはいつごろから昔のことを思い出せるようになりますか?
A. 個人差はありますが、3歳前後から少しずつ「思い出す力」が育ってきます。ただし、昨日の出来事を大人のように正確に順番どおり話せるとは限りません。
Q2. どうして4歳ごろになると周りの目を気にするようになるのですか?
A. この時期は「自分」という意識が育ち、同時に友だちや大人からどう見られているかも気づき始めるからです。そのため、恥ずかしさや悔しさを感じやすくなります。
Q3. 振り返る力を育てるには、親はどう関わればいいですか?
A. 「今日は何したの?」と聞くだけでなく、「最初に何をしたっけ?」「そのときどんな気持ちだった?」と、出来事や気持ちを一緒にたどる声かけが効果的です。責めるより、思い出す練習を増やすことが大切です。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)