子どもの描く絵には意味がある
年齢別の特徴と親の関わり方をわかりやすく解説
「うちの子の絵、顔ばかり描く」「太陽に目がついている」「4歳になって急に“人らしい絵”が増えた」――そんな変化には、ちゃんと理由があります。子どもの絵は、現実をそのまま写したものというより、その子が見たこと・感じたこと・考えたことを表す表現です。上手か下手かではなく、“今どんな世界を生きているか”を見ることが大切です。
目次
- 子どもの絵は「上手さ」を見るものではない
- 「ママ描いたよ」と渡される最初の絵の特徴
- 太陽や花に顔がつくのはなぜ?
- 4歳ごろの絵がぐっと変わる理由
- 子どもの絵は何を示しているのか
- 子どもの絵に対して大人ができること
子どもの絵は「上手さ」を見るものではない
子どもの絵を見るとき、大人はつい「似ているか」「上手に描けているか」で見てしまいがちです。ですが、幼児の絵は写実のためのものではありません。絵には、その子の気持ち、頭の中のイメージ、そしてその子なりの“世界の理解の仕方”が表れます。だからこそ、子どもの絵は「評価するもの」ではなく、「その子を知る手がかり」として見ることが大切です。
参考:論説:子どもの絵:エビデンスに基づいた研究と実践(PMC)
「ママ描いたよ」と渡される最初の絵の特徴
小さな子どもが初めて人物を描くとき、よく見られるのは、顔が大きい・目や口がはっきりしている・頭からそのまま手足が出ているといった描き方です。こうした初期の人物画は、研究では「おたまじゃくし人間」のような形として知られており、4歳前後からよく見られます。子どもはこの時期、見たままを正確に写すというより、「その人らしいところ」「自分にとって印象が強いところ」を取り出して描いています。だから、いつも笑っているお母さんなら口が大きく、髪型が印象的なら髪が強調される、ということがよくあります。
保育園や家庭で「ママ描いたよ」と手渡される絵は、単なる似顔絵というより、子どもからの小さなラブレターのようなものです。大人から見ると形は未完成でも、子どもにとっては「大好きな人を、自分の力で表した」大きな一歩です。ここで大切なのは、上手さよりも、「何をいちばん大きく描いたか」「どこを目立たせたか」に目を向けることです。

太陽や花に顔がつくのはなぜ?
子どもの絵では、太陽が笑っていたり、花に目や口がついていたりします。こうした表現は、発達心理学ではアニミズムと結びつけて語られることがあります。これは、子どもが無生物にも気持ちや命があるように感じる傾向のことです。
ただし、ここで大事なのは、「子どもは何もわかっていない」という意味ではないことです。後続研究では、幼い子どもでも生き物と無生物をある程度区別できることが示されています。そのうえでなお、太陽や花や石に気持ちを重ねるのは、世界を“自分との関係”の中で豊かに感じているからだと考えられます。つまり、擬人化された絵は、幼さのしるしであると同時に、想像力のあらわれでもあるのです。
4歳ごろの絵がぐっと変わる理由
4歳前後になると、子どもの絵は少しずつ変わってきます。大きな理由のひとつは、頭の中でイメージしたものを、紙の上に表せる力が育ってくるからです。3〜5歳ごろの子どもは、描く前に「これを描こう」と思い浮かべ、そのイメージを絵にしようとする段階に入ります。これは、絵がただの線ではなく、「何かを表すしるし」になってきたということです。
この時期の子どもは、ごっこ遊びでも先生やヒーロー、動物になりきることが増えます。4歳ごろは、想像の世界を広げる力がぐっと伸びる時期です。絵でも、「見たものを描く」だけでなく、「思い出したこと」「こうだったらいいなと思うこと」「お話のように頭の中で組み立てたこと」を描きやすくなります。さらに、絵に名前をつけたり、絵の下に“文字のようなもの”を書いたりして、絵と言葉を結びつけ始めるのもこの時期の特徴です。
子どもの絵は何を示しているのか
子どもの絵を見るときは、「この絵は何を意味するのだろう」と深読みしすぎるより、いくつかの視点でやわらかく見るのがおすすめです。まず見たいのは、何を大きく描いているかです。大きく描かれたものは、その子の関心が強いことが多いです。次に、何を繰り返し描くか。同じテーマを何度も描くときは、その子の中で印象に残っている体験や、心の中で何度も扱っているテーマであることがあります。そして、どんな線や形で描くかを見ると、今の発達段階や表現の育ちも見えてきます。
ただし、ここはとても大事ですが、1枚の絵だけで性格や家庭環境を決めつけることはできません。 絵の解釈は、どの要素を見るか、その子の文化的・教育的背景がどうかによっても変わります。だからこそ、絵は「診断の材料」ではなく、「会話の入り口」として使うのがいちばん自然です。
※子どもの絵についてはこちらもご覧ください。
子どもは「何を描いたか」より「どう描いているか」
子どもの絵に対して大人ができること
子どもの絵に対して、大人ができることは意外とシンプルです。ポイントは、「正しく教える」より「気持ちよく描けるようにする」ことです。
まず大切なのは、すぐに評価しないことです。「上手だね」だけで終わるより、「これ、どんなお話なの?」「ここは何を描いたの?」と聞いてみるほうが、子どもは自分の絵をもっと語れるようになります。大人が「教えて」と興味を持つこと自体が、子どもにとって大きな喜びです。
次に、ほめるなら具体的にほめることです。「すごいね」だけより、「この丸、すごく大きく描いたね」「色をたくさん使ったね」「一生けんめい描いていたね」のように、過程や工夫に注目した声かけのほうが、子どもの自信や意欲につながります。教育の現場でも、一般的なほめ言葉より、具体的なフィードバックのほうが学びを支えやすいとされています。
また、描き方を決めすぎないことも大切です。大人が「空は青だよ」「人の手はここにつけるんだよ」と直しすぎると、子どもの自由な表現はしぼみやすくなります。幼児期は、きれいに描く練習より、「描いてみたい」「自分で表したい」と思えることのほうがずっと大切です。
そして最後に、子どもの絵を飾ることです。家の壁や冷蔵庫、ちょっとしたスペースで十分です。自分の絵が飾られているのを見ると、子どもは「自分の表現は大事にされている」と感じます。これは、絵の上達だけでなく、「表していい」「話していい」という安心感にもつながります。
今日のおさらいQ&A3問
Q1. 子どもの絵は、どこを見ればよいですか?
上手か下手かよりも、何を大きく描いているか、何を繰り返し描くか、どんな気持ちで話しているかを見ることが大切です。絵は、その子の関心やイメージの世界を知る手がかりになります。
Q2. 太陽や花に顔がついているのはおかしいことですか?
おかしくありません。幼児期には、無生物にも気持ちがあるように感じる「アニミズム」が見られます。これは子どもらしい想像力の表れで、世界を豊かにとらえている証拠でもあります。
Q3. 子どもの絵に対して、大人はどう関わればよいですか?
「上手だね」だけで終わらせず、「これは何を描いたの?」「ここはどんなところ?」と興味をもって聞くのがおすすめです。具体的にほめ、飾ってあげることで、子どもの表現する意欲が育ちます。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)