子どもの言葉の発達には年齢ごとの目安がある
焦らず見守るための発達の流れ
子どもの言葉は、ある日突然話し始めるものではありません。
聞く力、声に出す力、人と関わる力、物に興味を持つ力が重なりながら、少しずつ育っていきます。
今回は、これまでお伝えしてきた「言葉の発達4つの土台」と関連づけながら、年齢ごとの発達の目安を分かりやすく整理します。
目次
- 言葉の発達は「早い・遅い」だけで見ない
- 言葉の発達を支える4つの土台のおさらい
- 胎児期〜6カ月未満:声や音を聞き、安心の土台が育つ時期
- 6カ月以上〜1歳3カ月未満:喃語や身ぶりで伝え始める時期
- 1歳3カ月以上〜2歳未満:片言や二語文で伝える力が育つ時期
- 2歳〜3歳:言葉で世界と関わる力が広がる時期
- 年齢の目安を見るときに大切なこと
今までの「子どもの言葉の発達」についての記事
言葉の発達についてー子どもの言葉は「人と関わりたい気持ち」から
言葉の発達は「早い・遅い」だけで見ない
子どもの言葉の発達は、保護者にとってとても気になるものです。
「うちの子は言葉が遅いのかな」
「同じ年齢の子はもっと話している気がする」
「こちらの言うことは分かっているのかな」
このように感じることは、決して珍しくありません。
ただ、言葉の発達は、単純に「何歳で何語話せるか」だけで判断できるものではありません。
子どもは、言葉を話す前から、
音を聞き、声を出し、人と関わり、物に興味を持つ中で、少しずつ言葉の準備をしています。
つまり、年齢ごとの目安は、子どもを比べるためのものではありません。
今、どのような力が育っている時期なのかを知るための地図のようなものです。
地図を見ても、歩く速さは子どもによって違います。
でも、どの方向に育っていくのかを知っていると、保護者も少し安心して見守りやすくなります。
言葉の発達を支える4つの土台のおさらい
これまでの記事では、子どもの言葉の発達を支える4つの土台についてお伝えしてきました。
| 土台 | 内容 |
|---|---|
| 音声知覚 | 音や声、言葉の違いを聞き取る力 |
| 音声表出 | 声を出す、まねする、言葉にする力 |
| 対人関係 | 人と関わりたい、伝えたいと思う力 |
| 対物関係 | 物に興味を持ち、名前や意味を知る力 |
今回の記事では、この4つの土台が、年齢ごとにどのような姿として見られやすいのかを整理していきます。
もちろん、発達には個人差があります。
同じ年齢でも、よく声を出す子、じっくり観察する子、体を動かすことが好きな子、物への興味が強い子など、育ち方はさまざまです。
大切なのは、「できている・できていない」と急いで判断することではなく、子どもの姿を丁寧に見ることです。
参考(日本言語聴覚士協会) 乳幼児健診入門ガイド
胎児期〜6カ月未満:声や音を聞き、安心の土台が育つ時期
胎児期から6カ月未満の時期は、言葉を話す前の、もっとも初期の土台が育つ時期です。
この時期の赤ちゃんは、まだ意味のある言葉を話すわけではありません。
しかし、母親の声や周囲の音を聞きながら、少しずつ音の世界に触れています。
生まれてからも、赤ちゃんは身近な大人の声、抱っこの感覚、表情、ぬくもりを通して、安心感を育てていきます。
この時期に育ちやすい力
この時期には、次のような力が少しずつ育っていきます。
・母親や身近な大人の声に親しむ
・周囲の音に反応する
・泣くことで不快や要求を伝える
・抱っこや声かけで安心する
・目が合ったり、表情を見たりする
・運動機能や知能機能が大きく発達していく
・特定の大人との情緒的なつながりが育つ
この時期の言葉の発達は、「話す」よりも、
聞くこと、感じること、安心できる人とつながることが中心です。
つまり、4つの土台で言えば、特に
音声知覚と対人関係の始まりが大切になります。
家庭でできる関わり
この時期は、難しい働きかけをする必要はありません。
抱っこしながら、やさしく声をかける。
おむつ替えのときに「すっきりしたね」と話す。
授乳やミルクのときに、穏やかな表情で関わる。
泣いたときに、できる範囲で応えてあげる。
こうした日常の関わりが、赤ちゃんにとっては大切な言葉の準備になります。
まだ言葉は出ていなくても、赤ちゃんは声や表情、ぬくもりを通して、
「この人は安心できる」
「声を聞くと落ち着く」
という感覚を育てています。
言葉の発達は、ここからすでに始まっています。
6カ月以上〜1歳3カ月未満:喃語や身ぶりで伝え始める時期
6カ月を過ぎるころから、赤ちゃんは声を出すことをより楽しむようになっていきます。
「あー」「うー」だけでなく、
「ばばば」「ままま」「だだだ」
のような喃語が増えてくることもあります。
また、声だけではなく、身ぶりや表情を使って、自分の気持ちや欲求を伝えようとする姿も見られます。
この時期に育ちやすい力
この時期には、次のような姿が見られやすくなります。
・抑揚のある声を出して遊ぶ
・喃語を楽しむ
・大人の声や表情に反応する
・手を伸ばして欲しいものを示す
・身ぶりや表情で意思を伝える
・「バイバイ」などの簡単な動きをまねする
・名前を呼ばれると反応することが増える
・大人とのやりとりを楽しむ
この時期は、4つの土台で言えば、
音声表出が目立ち始め、同時に対人関係も広がっていく時期です。
声を出す。
大人が反応する。
また声を出す。
笑い合う。
このようなやりとりの中で、赤ちゃんは
「声を出すと相手が反応してくれる」
「伝えることは楽しい」
と感じていきます。
家庭でできる関わり
この時期は、赤ちゃんの声に反応してあげることが大切です。
赤ちゃんが「ばばば」と言ったら、
「ばばば、だね」
とまねして返してみる。
手を伸ばしていたら、
「これがほしいのかな」
「ボールだね」
と気持ちや物の名前を言葉にしてあげる。
身ぶりをしたら、
「バイバイできたね」
「上手だね」
と応えてあげる。
赤ちゃんにとっては、自分の声や動きに大人が反応してくれることが大きな喜びになります。
この時期の関わりは、言葉を教え込むというより、
声や身ぶりでやりとりする楽しさを育てることが大切です。
1歳3カ月以上〜2歳未満:片言や二語文で伝える力が育つ時期
1歳3カ月を過ぎるころから、意味のある言葉が少しずつ増えてくる子もいます。
「まんま」
「わんわん」
「ブーブー」
「ママ」
「ない」
「いや」
このような片言の言葉で、自分の意思や欲求を伝えようとする姿が見られることがあります。
また、指さしや身ぶりと一緒に言葉を使うことも増えていきます。
この時期に育ちやすい力
この時期には、次のような姿が見られやすくなります。
・意味のある言葉が少しずつ出てくる
・指さしや身ぶりと一緒に片言で伝える
・大人の言葉の理解が進む
・「ちょうだい」「どうぞ」などのやりとりを楽しむ
・動作模倣が増える
・象徴遊び、ごっこ遊びの芽生えが見られる
・簡単な二語文が出始めることがある
・物の名前と意味がつながってくる
この時期は、4つの土台がかなり重なり合ってきます。
音を聞く。
声に出す。
人に伝える。
物の名前や意味を知る。
これらがつながることで、言葉が少しずつ「伝える道具」として使われるようになります。
たとえば、子どもが犬を見つけて指さしながら「わんわん」と言う。
これは、音声表出だけでなく、対人関係と対物関係も関わっています。
「犬を見つけた」
「大人にも伝えたい」
「わんわんという言葉で表そうとしている」
このように、たった一言の中にも、いくつもの発達の力が入っています。
子どもの一言、実はなかなか働き者です。
家庭でできる関わり
この時期は、子どもの言葉を受け止め、少しだけ広げて返すことが大切です。
子どもが「わんわん」と言ったら、
「わんわん、いたね」
「白いワンワンだね」
子どもが「まんま」と言ったら、
「まんま食べようね」
「ごはん、おいしいね」
子どもが「くっく」と言ったら、
「くつを履こうね」
「お外に行こうね」
このように、子どもの言葉を否定せず、意味を受け止めて、少しだけ言葉を足してあげます。
まだ発音がはっきりしなくても、言い間違いがあっても、すぐに直させる必要はありません。
まずは、
「伝わった」
「分かってもらえた」
という経験を大切にしましょう。
2歳〜3歳:言葉で世界と関わる力が広がる時期
2歳から3歳ごろになると、運動機能や指先の機能も発達し、できることが大きく広がっていきます。
歩く、走る、登る、つまむ、積む、描く、めくる。
こうした体の発達とともに、子どもは周囲の世界により積極的に関わるようになります。
そして、言葉も少しずつ文として使われるようになっていきます。
この時期に育ちやすい力
この時期には、次のような姿が見られやすくなります。
・二語文や簡単な文が増えてくる
・「これなに?」のような興味が出てくる
・言葉や身ぶりで周囲と交流する
・ごっこ遊びが広がる
・簡単な会話のやりとりが増える
・自分の気持ちを言葉で表そうとする
・文法の発達が進んでいく
・物の名前、特徴、使い方への理解が深まる
この時期は、言葉で世界と関わる力が広がる時期です。
「ママ、見て」
「これ、やる」
「ワンワン、いた」
「もっと、ちょうだい」
「ぼくの」
「いやだ」
このように、言葉で自分の気持ちや考えを表そうとする場面が増えていきます。
一方で、まだうまく言葉にできず、泣いたり怒ったりすることもあります。
これは、気持ちは大きく育っているのに、言葉で整理する力がまだ発達途中だからです。
いわば、心の中では長編小説が始まっているのに、出てくる言葉はまだ短文、という時期です。
大人でも説明が難しい気持ちを、小さな子が全部言葉にするのはなかなか大仕事です。
家庭でできる関わり
この時期は、子どもの言葉を広げながら、気持ちも一緒に受け止めることが大切です。
子どもが「いや」と言ったら、
「いやだったね」
「まだ遊びたかったんだね」
子どもが「もっと」と言ったら、
「もっとやりたいんだね」
「もう一回しようか」
子どもが「これ」と言ったら、
「赤い車だね」
「走らせてみようか」
このように、子どもの言葉を少し広げたり、気持ちを言葉にしたりしてあげます。
また、ごっこ遊びや絵本、外遊びも、言葉の発達にとてもよい機会です。
おままごとで、
「どうぞ」
「おいしいね」
「もう一つください」
絵本で、
「誰がいるかな」
「大きいね」
「どこに行くのかな」
お散歩で、
「赤い花だね」
「バスが来たね」
「葉っぱが落ちているね」
このように、生活や遊びの中で言葉を添えることで、子どもの言葉は自然に広がっていきます。
年齢の目安を見るときに大切なこと
ここまで、年齢ごとの言葉の発達の目安を見てきました。
ただし、何度も大切にしたいのは、
年齢の目安は、子どもを比べるためのものではない
ということです。
発達には個人差があります。
早く話し始める子もいれば、じっくり聞いてから言葉が増える子もいます。
言葉より先に、身ぶりや表情でよく伝える子もいます。
物への興味が強い子もいれば、人とのやりとりが好きな子もいます。
大切なのは、
「何語話せるか」だけでなく、
聞く、声を出す、人と関わる、物に興味を持つという4つの土台を見ていくことです。
たとえば、言葉の数は少なくても、
大人の言うことをよく理解している。
指さしで伝えようとする。
人の顔を見て反応する。
物に興味を持って遊ぶ。
このような姿があれば、言葉の土台が育っている可能性があります。
反対に、言葉の数だけを見てしまうと、子どもの本当の育ちを見落としてしまうこともあります。

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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)