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二者関係的敏感性と集団的敏感性 子どもの学びを支える2つの視点

二者関係的敏感性と集団的敏感性 子どもの学びを支える2つの視点

子どもは、安心できる大人との1対1の関わりの中で心を育てます。
一方で、集団の中で友だちと関わりながら、社会性や協調性も育てていきます。
乳幼児期には、この二者関係的敏感性集団的敏感性の両方がとても大切です。

目次

  1. 子どもには「1対1」と「集団」の両方の世界がある
  2. 二者関係的敏感性とは何か
  3. 二者関係的敏感性が育てるもの
  4. 集団的敏感性とは何か
  5. 集団的敏感性が育てるもの
  6. 二者関係と集団、それぞれに役割がある
  7. 二者関係にしかできない大切な関わり
  8. 最近接領域と、1対1の関わりの深い関係
  9. リコポ幼児教育が大切にしていること
  10. まとめ:1対1と集団、どちらも子どもの育ちに必要

子どもには「1対1」と「集団」の両方の世界がある

乳幼児期の子どもは、さまざまな関係の中で育っていきます。

家庭では、保護者との1対1の関わりがあります。
園では、先生や友だちとの集団の中で過ごす時間があります。
ベビーシッターや教育ナニーとの時間では、家庭に近い環境の中で、より個別的な関わりを受けることもあります。

どれか一つだけが大切なのではありません。

子どもには、安心できる大人と深く関わる時間も必要です。
同時に、友だちや集団の中で過ごす経験も必要です。

この2つの関わりを考えるうえで大切なのが、二者関係的敏感性集団的敏感性という考え方です。

少し難しい言葉ですが、簡単に言えば、

二者関係的敏感性とは、子ども一人ひとりの気持ちや状態に、1対1で丁寧に気づき、応答する力。
集団的敏感性とは、集団全体を見ながら、その中にいる子どもたち一人ひとりの状態にも気づき、場を整える力。

ということです。

東京大学発達保育実践政策学センターでも、集団的敏感性について「集団全体に目を配りながら子どもの個別性に敏感に応答するもの」と紹介しており、1対1の関わりである二者関係的敏感性とは異なる視点として整理されています。

参考(東京大学発達保育実践政策学センター)集団的敏感性・二者関係的敏感性


二者関係的敏感性とは何か

二者関係的敏感性とは、子どもと大人が1対1で関わる中で発揮される敏感性です。

たとえば、子どもが少し不安そうな顔をしている。
いつもより声が小さい。
遊びに入る前に、大人の顔をちらっと見る。
何かをやりたいけれど、失敗が怖くて手が止まっている。
本当は眠いのに、うまく言葉にできずにぐずっている。

こうした小さなサインを、大人が読み取ります。

そして、子どもに合わせて関わります。

「少し不安だったかな」
「一緒にやってみようか」
「ここまでは自分でできたね」
「もう少し待ってみようか」
「今は疲れているから、少し休もうか」

このように、子どもの状態をよく見て、その子に合った声かけや支えをすることが、二者関係的敏感性です。

ポイントは、ただ手厚く関わればよいわけではないということです。

先回りしすぎると、子どもが自分で試す機会を失ってしまいます。
放っておきすぎると、不安なまま取り残されてしまいます。

大切なのは、必要なときに応じ、必要がないときは見守ることです。

これは、簡単なようでとても専門性のある関わりです。
いわば、子どもの心の小さな天気予報を読むようなものです。晴れ、くもり、ちょっと雷注意報。ここを見誤らないことが大切です。


二者関係的敏感性が育てるもの

二者関係的敏感性は、子どもの安心感を育てます。

子どもは、自分の気持ちや状態に気づいてもらえることで、

「この人は自分を見てくれている」
「困ったときに助けてもらえる」
「自分の気持ちは受け止めてもらえる」
「失敗しても大丈夫」

と感じられるようになります。

この安心感は、子どもの心の土台になります。

そして、その土台があるからこそ、子どもは新しいことに挑戦できます。

たとえば、積み木を高く積む。
初めての絵本に興味を持つ。
言葉で気持ちを伝えてみる。
苦手な遊びにも少しだけ参加してみる。
できなかったことに、もう一度挑戦してみる。

こうした小さな挑戦の積み重ねが、学びにつながります。

また、二者関係的敏感性は、子どもの感情調整にも関わります。

子どもは最初から、自分の気持ちを上手に整えられるわけではありません。
怒り、悲しみ、不安、悔しさ、眠さ、疲れ。
そうした感情を、大人に受け止めてもらいながら、少しずつ自分で扱えるようになっていきます。

「嫌だったね」
「悔しかったね」
「でも、もう一回やってみようか」
「大丈夫、一緒にいるよ」

このような関わりは、単なる慰めではありません。

子どもが自分の感情を理解し、立て直していくための大切な支えです。


集団的敏感性とは何か

一方で、集団的敏感性とは、集団の中で発揮される敏感性です。

園や集団保育の場では、大人が一人の子どもだけを見ているわけにはいきません。
複数の子どもたちが同時に動き、遊び、話し、時にはぶつかり合います。

その中で大人は、集団全体の安全や雰囲気を見ながら、一人ひとりの状態にも気づく必要があります。

たとえば、

ある子が遊びに入れず、少し離れた場所で見ている。
別の子たちは、おもちゃの取り合いになりそうになっている。
活発な子の勢いに、静かな子が押されている。
全体が少し興奮してきて、けがにつながりそうになっている。
一人の子だけでなく、集団全体の空気が乱れてきている。

こうした状況を見ながら、大人は場を整えます。

「順番に使おうね」
「こっちにも遊ぶ場所を作ろうか」
「今は少し落ち着いて遊ぼう」
「一緒に入れてって言ってみようか」
「みんなが安全に遊べるようにしようね」

集団的敏感性とは、子どもたち全体の関係性を見ながら、安全で安心できる場をつくる力です。

東京大学発達保育実践政策学センターは、集団的敏感性がアタッチメントの安定性と関連するものとして紹介されていることにも触れています。


集団的敏感性が育てるもの

集団的敏感性は、子どもにとって「みんなの中で安心する力」を育てます。

子どもは、1対1の関わりだけで育つわけではありません。
友だちと関わる中で、自分とは違う気持ちや考えに出会います。

順番を待つ。
おもちゃを貸す。
貸したくない気持ちを伝える。
一緒に遊ぶ。
自分の思い通りにならない経験をする。
友だちの楽しそうな様子を見て、自分もやってみたくなる。

こうした経験は、集団の中だからこそ得られるものです。

ただし、集団は子どもにとって楽しいだけの場所ではありません。

不安になることもあります。
圧倒されることもあります。
うまく入れないこともあります。
自分の気持ちを我慢しなければならないこともあります。

だからこそ、集団の中には、全体を見守る大人の敏感性が必要です。

集団的敏感性があると、子どもは「この場所は安心できる」「みんなの中にいても大丈夫」と感じやすくなります。

その安心感が、社会性や協調性、友だちとの関わりを育てていきます。


二者関係と集団、それぞれに役割がある

二者関係的敏感性と集団的敏感性は、どちらが上というものではありません。

それぞれに役割があります。

視点二者関係的敏感性集団的敏感性
関わり方1対1で深く関わる集団全体を見ながら関わる
見るものその子の気持ち、状態、発達、サイン集団の空気、安全、子ども同士の関係
育ちやすい力安心感、信頼感、自己効力感、感情調整社会性、協調性、順番を待つ力、集団での安心
得意なこと個別の困りごとや発達に合わせやすい子ども同士の関わりを育てやすい
注意点関わりすぎると先回りになることがある一人ひとりの小さなサインが埋もれることがある

家庭や個別保育では、二者関係的敏感性が発揮されやすくなります。
園や集団保育では、集団的敏感性がとても重要になります。

どちらも、子どもの育ちには欠かせません。

大切なのは、子どもが1対1で深く受け止められる経験と、集団の中で安心して関わる経験の両方を持てることです。


二者関係にしかできない大切な関わり

私たちリコポ幼児教育のサービスは、基本的にご家庭での個別の関わりを大切にしています。

つまり、子どもと大人の二者関係を中心にした関わりです。

もちろん、集団には集団の良さがあります。
友だちと関わる力、順番を待つ力、集団の中で生活する力は、園や学校生活においてとても大切です。

しかし、二者関係にしかできないこともあります。

たとえば、子どもの小さな変化に気づきやすいことです。

「今日はいつもより甘えたい様子がある」
「この遊びには興味があるけれど、少し不安そう」
「言葉にはしないけれど、本当はもう一回やりたそう」
「失敗したあとに、少し表情が固くなった」
「今は教えるよりも、気持ちを受け止める時間が必要」

こうした細かなサインは、集団の中ではどうしても見えにくくなることがあります。

しかし、1対1であれば、その子のペースに合わせて関わることができます。

急がせずに待つ。
必要なところだけ手伝う。
その子の興味から学びにつなげる。
苦手なことに、少しずつ近づける。
感情が崩れたときに、丁寧に立て直す。

これは、二者関係だからこそできる関わりです。

特に乳幼児期の子どもは、まだ自分の気持ちを言葉でうまく説明できません。

だからこそ、大人が表情、声、動き、視線、沈黙、遊び方から、その子の状態を読み取ることが大切です。

二者関係的敏感性は、子どもの「今」に深く寄り添う力です。


最近接領域と、1対1の関わりの深い関係

この二者関係的敏感性は、ヴィゴツキーの「最近接領域」という考え方とも深く関わります。

最近接領域とは、簡単に言えば、子どもが一人ではまだできないけれど、大人や周囲の支えがあればできる領域のことです。ヴィゴツキーの最近接領域は、子どもが一人でできることと、支援があればできることの間にある学びの範囲として説明されています。

幼児教育で大切なのは、この「ちょうどよい一歩」を見つけることです。

簡単すぎると、子どもは飽きてしまいます。
難しすぎると、不安になったり、やる気を失ったりします。

その子にとって、

「少し難しいけれど、手伝ってもらえばできそう」
「一人では不安だけれど、一緒なら挑戦できそう」
「今の自分より、少しだけ先に進めそう」

というところを見つける必要があります。

これは、子どもをよく見ていなければできません。

その日の体調。
気分。
興味。
得意なこと。
苦手なこと。
集中できる時間。
失敗したときの反応。
どのくらい手伝えば、自分でできるのか。

これらを丁寧に見ながら、関わり方を調整する必要があります。

1対1の関わりは、この最近接領域を見つけやすいという大きな強みがあります。

たとえば、積み木を積む場面でも、

大人が全部積んでしまえば、子どもの経験にはなりにくいです。
反対に、難しすぎる積み方を求めると、子どもは嫌になってしまいます。

そこで、

「ここを持ってみようか」
「次はどの色にする?」
「倒れないように、そっと置いてみよう」
「ここまでできたね。最後の一つだけ一緒にやってみよう」

と、その子に合わせて支えます。

これが、最近接領域に合わせた関わりです。

二者関係的敏感性があるからこそ、大人は子どもの「今できること」と「もう少しでできそうなこと」を見つけやすくなります。

※関連記事です。「できそうで、できない」が重要  個別教育がもたらす子どもの飛躍

最近接領域

リコポ幼児教育が大切にしていること

リコポ幼児教育では、子ども一人ひとりに合わせた関わりを大切にしています。

私たちが行うのは、ただ預かることでも、ただ教えることでもありません。

子どもの表情を見ます。
遊び方を見ます。
言葉の出方を見ます。
感情の揺れ方を見ます。
興味の向き方を見ます。
ご家庭の方針や保護者の想いも大切にします。

そのうえで、その子にとって今どのような関わりが必要なのかを考えます。

今は安心感を育てる時期なのか。
少し挑戦を増やす時期なのか。
言葉を引き出す関わりが必要なのか。
感情の立て直しを支えることが大切なのか。
遊びの中で考える力を伸ばす時期なのか。

このように、一人ひとりの発達や状態に合わせて関わることが、私たちの大切にしている教育です。

集団には、集団の中でしか育たない力があります。
そして、二者関係には、二者関係の中でしか育ちにくい力があります。

私たちは、その両方が子どもの育ちに必要だと考えています。

園や集団生活での経験を大切にしながら、家庭での個別の時間では、その子だけを丁寧に見つめる。
集団の中で頑張っている子どもが、1対1の安心できる関わりの中で、自分の気持ちを整え、次の一歩に向かえるようにする。

これが、リコポ幼児教育が大切にしている二者関係の価値です。

※関連記事です。幼児教育重視のベビーシッター 子育て・教育相談も重視します


まとめ:1対1と集団、どちらも子どもの育ちに必要

二者関係的敏感性と集団的敏感性は、どちらも乳幼児期の育ちに大切なものです。

二者関係的敏感性は、子ども一人ひとりの気持ちや状態に丁寧に気づき、応答する力です。
子どもの安心感、信頼感、自己効力感、感情調整、学びへの意欲を支えます。

集団的敏感性は、集団全体を見ながら、子どもたちが安心して関われる場を整える力です。
子どもの社会性、協調性、集団の中での安心感を支えます。

1対1の関わりだけでは、集団の中で学ぶ経験は不足します。
一方で、集団の関わりだけでは、一人ひとりの小さなサインが十分に受け止められないこともあります。

だからこそ、乳幼児期にはこの2つをしっかり両立していくことが大切です。

子どもには、深く受け止められる時間が必要です。
そして、みんなの中で育つ時間も必要です。

リコポ幼児教育では、二者関係の中で子ども一人ひとりを丁寧に見つめながら、園や集団生活にもつながる力を育てていきたいと考えています。

子どもが安心して自分を出せること。
人と関わることを怖がらずにいられること。
少し難しいことにも「やってみよう」と思えること。
集団の中でも、自分らしく過ごせること。

その土台を、日々の関わりの中で育てていく。

それが、私たちが大切にしている幼児教育です。


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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)

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