言葉の5つの役割 将来につながる言葉の力
乳幼児期の言葉は、将来の学びと人間関係を支えている
言葉は、誰かと話すためだけのものではありません。
子どもは言葉を通して、考え、自分の行動を整え、気持ちを表し、「自分」という感覚を育てていきます。
乳幼児期の言葉の育ちは、将来の基礎学力・問題解決能力・対人関係の力にもつながる大切な土台です。
※言葉の力シリーズはブログのカテゴリーにもまとめています。 子どもの言葉の育ち方 有意味語から文へ
目次
- 言葉はコミュニケーションだけの道具ではない
- 役割1:他者とコミュニケーションを図る
- 役割2:物事を考える
- 役割3:行動をコントロールする
- 役割4:自分を表現する
- 役割5:自我を育む
- 乳幼児期の言葉は将来必要な能力につながっている
- 家庭でできる言葉を育てる関わり
1. 言葉はコミュニケーションだけの道具ではない
「言葉の発達」と聞くと、まず思い浮かぶのは、
「話せるようになること」
「会話ができるようになること」
かもしれません。
もちろん、言葉は人とやりとりするために大切です。
けれど、言葉の役割はそれだけではありません。
子どもは言葉を使って、
| 言葉の役割 | 育つ力 |
|---|---|
| 人と伝え合う | コミュニケーション能力 |
| 物事を考える | 思考力・理解力 |
| 行動を整える | 自制心・見通しを持つ力 |
| 自分の気持ちを表す | 自己表現・感情理解 |
| 自分を理解する | 自我・自己肯定感 |
このように、言葉は子どもの心と頭の成長に深く関わっています。
乳幼児期の言葉は、単に「単語を何個言えるか」だけで見るものではありません。
その子が世界をどう理解し、人とどう関わり、自分の気持ちをどう受け止めていくか。
そこまで含めて、言葉の発達なのです。
参考(文部科学省)「幼稚園教育要領 第2章 ねらい及び内容」

2. 役割1:他者とコミュニケーションを図る
言葉の一番分かりやすい役割は、他者とコミュニケーションを図ることです。
子どもは言葉を使って、
「ちょうだい」
「いや」
「もっと」
「見て」
「一緒にやろう」
と、自分の思いや要求を相手に伝えるようになります。
まだ言葉が少ない時期でも、指さし、表情、声、身振りを使って、子どもは一生懸命に伝えようとしています。
そこに大人が「これがほしいんだね」「見てほしかったんだね」と言葉を添えることで、子どもは少しずつ言葉で伝える力を育てていきます。
コミュニケーションの力は、将来の友だち関係にもつながります。
自分の気持ちを伝える。
相手の言葉を聞く。
順番を待つ。
お願いする。
謝る。
相談する。
これらはすべて、言葉を使った人間関係の調整です。
つまり、乳幼児期の「ちょうだい」「いや」「いっしょに」が、将来の対人関係の土台になっていくのです。
3. 役割2:物事を考える
言葉は、考えるための道具でもあります。
たとえば、子どもが積み木で遊んでいるとき、
「高くする」
「こっちに置く」
「倒れた」
「もう一回」
という言葉を聞いたり、自分で使ったりします。
すると、ただ手を動かしているだけではなく、
「どうしたら高く積めるかな」
「なぜ倒れたのかな」
「次はどうしようかな」
と考える力が育っていきます。
言葉があることで、子どもは経験を整理できます。
「大きい・小さい」
「多い・少ない」
「前・後ろ」
「同じ・違う」
「なぜ・どうして」
こうした言葉は、物事を比べたり、分類したり、原因を考えたりする力につながります。
将来の学習で必要になる読解力、算数の理解、理科的な考え方も、実はこうした言葉の土台とつながっています。
たとえば、「どちらが多い?」「どうしてこうなった?」「次は何をすればいい?」と考える力は、乳幼児期の遊びの中でも育っています。
言葉は、頭の中を整理するための引き出しのようなものです。
引き出しが増えるほど、子どもは経験をしまいやすく、取り出しやすくなります。
4. 役割3:行動をコントロールする
言葉には、自分の行動をコントロールする役割もあります。
たとえば、大人が子どもに、
「ゆっくり歩こうね」
「順番を待とうね」
「熱いから触らないよ」
「片づけてから次で遊ぼうね」
と声をかける場面があります。
最初は、大人の言葉によって子どもの行動が整えられます。
けれど成長していくと、子どもはその言葉を自分の中に取り込んでいきます。
たとえば、遊びながら自分で、
「そーっと」
「じゅんばん」
「だめだめ」
「あとで」
と言うことがあります。
これはとても大切な姿です。
子どもが言葉を使って、自分の行動を調整しようとしているからです。
将来、学習や生活の中では、
・今やることを理解する
・順番を守る
・ルールを意識する
・気持ちを落ち着かせる
・見通しを持って行動する
といった力が必要になります。
これらは、言葉によって支えられています。
「まだ遊びたいけど、先に片づける」
「怒っているけど、叩かずに言葉で伝える」
「難しいけど、もう一回やってみる」
このような行動調整の力は、乳幼児期の声かけの積み重ねから育っていきます。
5. 役割4:自分を表現する
言葉は、自分の気持ちや考えを表現するためにも大切です。
子どもは最初、泣く、怒る、笑う、抱っこを求めるなど、身体全体で気持ちを表します。
そこに少しずつ言葉が加わっていきます。
「うれしい」
「かなしい」
「こわい」
「いやだった」
「できた」
「もう一回やりたい」
このような言葉を使えるようになると、子どもは自分の気持ちを相手に伝えやすくなります。
もちろん、乳幼児期の子どもが最初から上手に言えるわけではありません。
だからこそ、大人が気持ちに言葉を添えることが大切です。
「悔しかったんだね」
「まだ遊びたかったんだね」
「びっくりしたね」
「できてうれしいね」
このように言葉にしてもらうことで、子どもは自分の感情に名前をつけていきます。
感情に名前がつくと、子どもは少しずつ自分の気持ちを理解できるようになります。
気持ちを理解できるようになると、相手にも伝えやすくなります。
これは、将来の自己表現力や相談する力にもつながります。
「困っています」
「手伝ってほしいです」
「私はこう思います」
「これは嫌です」
こうした言葉で自分を守り、伝える力の芽は、乳幼児期から育っているのです。
6. 役割5:自我を育む
言葉は、「自分」という感覚を育てることにも関わっています。
子どもは成長とともに、
「ぼく」
「わたし」
「自分で」
「これがいい」
「いや」
「できた」
という言葉を使うようになります。
これは、単なる自己主張ではありません。
自我が育ってきている大切なサインです。
特に「いや」「自分で」は、保護者にとって大変に感じやすい言葉です。
朝の忙しい時間に「自分で!」が始まると、時計だけが味方をしてくれないこともあります。
けれど、この時期の子どもは、言葉を使って
「自分には意思がある」
「自分で選びたい」
「自分でやってみたい」
と表現しているのです。
もちろん、すべてを子どもの思い通りにする必要はありません。
大切なのは、気持ちを受け止めながら、必要な枠組みを伝えることです。
「自分でやりたかったんだね」
「でも、道路では手をつなごうね」
「赤い服と青い服、どちらにする?」
「ここまでは自分でやって、最後は手伝うね」
このような関わりは、子どもの自我を尊重しながら、社会の中で行動する力を育てます。
言葉は、自分の気持ちを知り、自分で選び、自分を大切にするための土台でもあるのです。
7. 乳幼児期の言葉は将来必要な能力につながっている
乳幼児期の言葉の発達は、その場の会話だけで終わりません。
将来に必要なさまざまな能力と深くつながっています。
| 将来必要な力 | 言葉とのつながり |
|---|---|
| 基礎学力 | 読む・聞く・説明を理解する力の土台になる |
| 問題解決能力 | 状況を整理し、原因や方法を考える力につながる |
| 対人関係調整能力 | 気持ちを伝え、相手の話を聞き、折り合いをつける力になる |
| 自制心 | 自分に言葉をかけ、行動を整える力につながる |
| 自己肯定感 | 自分の気持ちを理解し、受け止めてもらう経験から育つ |
たとえば、小学校以降の学びでは、先生の説明を聞く、文章を読む、問題の意味を理解する、自分の考えを書く、といった力が必要になります。
これらはすべて、言語能力と関係しています。
また、友だちとの関係でも、言葉は欠かせません。
「貸して」
「あとで使っていいよ」
「それは嫌だった」
「一緒にやろう」
「ごめんね」
こうした言葉が使えることで、子どもは人との関係を調整しやすくなります。
つまり、乳幼児期の言葉は、将来の学力だけでなく、人間関係、自己理解、問題解決にもつながる大切な力なのです。
8. 家庭でできる言葉を育てる関わり
言葉を育てるために、特別な教材をたくさん用意する必要はありません。
日常の中で、子どもの経験に言葉を添えることが何より大切です。
子どもの気持ちを言葉にする
「うれしかったね」
「悔しかったね」
「びっくりしたね」
「まだやりたかったね」
気持ちを言葉にしてもらうことで、子どもは自分の感情を理解しやすくなります。
行動の見通しを言葉で伝える
「ごはんを食べたら、お風呂に入ろうね」
「靴を履いたら、お外に行こうね」
「あと1回したら、おしまいにしようね」
見通しを言葉で伝えると、子どもは行動を整えやすくなります。
子どもの言葉を少し広げて返す
子どもが「わんわん」と言ったら、
「わんわんいたね。白い犬だね」
「いや」と言ったら、
「いやだったんだね。まだ遊びたかったんだね」
このように、子どもの言葉を受け止めて少し広げることで、表現力が育ちます。
問い詰めず、会話を楽しむ
「これは何?」
「何色?」
「何個ある?」
と質問ばかりになると、子どもにとって会話がテストのように感じられることがあります。
ときには、質問よりも、
「大きいね」
「転がったね」
「おもしろい形だね」
「もう一回やってみたいね」
と、子どもの見ている世界に言葉を添えることを大切にしましょう。
言葉は、覚えさせるものというより、やりとりの中で育つものです。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)