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読んだ本の感想シリーズ 『歴史の大局を見渡す』①

読んだ本の感想シリーズ 『歴史の大局を見渡す』①

私は忙しくても、量やジャンルにもよりますが、できれば1日1冊、なるべく2日に1冊は読むようにしています。読むものは小説、歴史、ビジネス書、SFなどなるべく幅広いジャンルを読んでいます。

今回ブログに読書の感想を書こうと思ったのは、読書のすばらしさを伝えようとか、いかに読んだ本がすばらしかったかを伝えたいという訳ではなく、ただアウトプットすることでより自分自身の理解や定着が深まればといいと思い、ブログに書くことにしました。
もちろん本の魅力や読書の魅力は伝わってほしいという想いはありますが、メインの動機は不純ですので適当に読んでいただけたらと思います。


歴史を学ぶ意味は、結局「人間は変わらない」と知ることにある

今回取り上げる本は『歴史の大局を見渡す』(アリエル・デュラント、ウィル・デュラント)です。
歴史の大局を見渡す ──人類の遺産の創造とその記録 (フェニックスシリーズ)単行本(ソフトカバー) – 2017/1/21

ジャンルとしては「歴史」になるでしょうか。
これを選んだ理由はシリコンバレーで話題になったこと、私自身が歴史が好きであることが理由です。

この本を読んで私が強く感じたのは、歴史の中心にあるのは、制度や技術以上に「人間そのもの」だということでした。
時代は変わっても、国が変わっても、人が抱える欲望、不安、野心、希望、信仰、争いの構図は驚くほど似ています。

だからこそ、歴史を学ぶ価値がある。この本は教えてくれる一冊と思います。


なぜこの本を読もうと思ったのか

先ほども軽く書きましたが、私がこの本を読もうと思った理由は、まず話題作であることでした。
イーロン・マスクや、シリコンバレーの著名人たちが勧めている本として見かけることもあり、手に取ってみました。

もう一つは私が歴史が好きだからです。
日本史、中国史、近現代史、政治史、経済史など知識は不足しますが、物語として見ることはもちろんですが、制度、宗教、出来事の背景などを読み、考えることはとても好きです。
また、歴史を学ぶ意味は、単に昔の出来事を知ることではなく、何が失敗し、何が成功につながったのかを知ることにあるか、現代の流れにも適用できることが多いということも興味深く思っています。

人間は自分の時代だけを見ていると、つい「今起きていることは特別だ」と感じてしまいます。ですが歴史を見れば、似たような失敗も、似たような熱狂も、似たような希望も、何度も繰り返されてきたことが分かります。
例えば、トランプ政権によりアメリカは分断されていると言われますが、今から約180年前アメリカは今よりもひどい状況で分断されていました。
「工業か、大規模農業か」、「内需か外需か」、「黒人は奴隷か、労働力か」国論は2分され、アメリカ史上最大の戦死者数がでる内戦に突入しています。

ベトナム戦争、赤狩りでものやはり世論は分断されましたし、メディアをうまく利用し、敵を作って攻撃して支持を集めるという点では、トランプ大統領も、赤狩りを行ったマッカーシー上院議員も似ていると言えます。もちろん、立場、背景も違いますし、トランプ大統領はまだ過程の段階にあるとも言えるので、この2人に大きな違いはあります。

そう考えると、歴史を知ることは知識のためだけではなく、現在を見誤らないための参考書とも言えます。その意味で、この本は読んでみたい一冊でした。

ジョセフ・マッカーシー(wikipedia)


この本はどんな本なのか

『歴史の大局を見渡す』は、膨大な歴史の細部を追いかける本ではありません。
むしろ逆で、長い歴史を一歩引いて眺めながら、そこに繰り返し現れてきた共通点を拾い上げていく本です。
生物学と歴史、人種と歴史、人の性質と歴史、モラルと歴史、宗教と歴史、経済と歴史、歴史と戦争など全13章、それぞれのジャンルと歴史がどのように関わり、どのような結果を導いてきたかを書いています。

「歴史とは何か」
「人間社会は何によって動くのか」
「文明はなぜ栄え、なぜ衰えるのか」
「進歩とは本当に進歩なのか」

そうした問いに対して、著者たちは非常に大きな視野から答えようとしています。
読んでいて感じるのは、これは単なる歴史の本ではなく、人間についての本でもあるということです。

ここで私が思い出したのが、旧アニメ『銀河英雄伝説』の第2期のオープニングで登場する一節です(新しいアニメ版ではなく、古い方です)。
「時は移り、ところは変われど、人類の営みに何ら変わることはない」
私は銀河英雄伝説が大好きなのですが、あの言葉はオープニングの演出もあって、よく覚えていました。そして、この言葉はこの本を表現している一語であるとも思います。


宗教と歴史 ー第7章ー

全部の章を読み解き紹介する時間はさすがにないので一部だけピックアップします。


宗教は単なる「怪しい」ものか

宗教というと、人によっては怪しいものという理解をしている方もいると思います。私もその一人です。

しかしデュラント夫妻はあくまで宗教を「真理の問題」というより、「社会を支える機能の問題」として見ています。

デュラント夫妻はまず、宗教はほぼすべての時代・地域で見られ、苦しむ人への慰め、しつけ、人生への意味づけ、共同体の安定に役立ってきた、としています。さらに宗教の起源を、自然への恐れとそれをなだめる儀礼に求め、その後に祭司たちがそれを道徳や法の支えへ育てた、と説明します。

これはかなり理解できます。
火山の爆発や、日食を見て、災いの予兆としたり、神の怒りとしたりして、信仰が生まれていき、そして、それが日本だと「お日様がみているよ」西洋だと「神様が見ているよ」というのが、倫理観を構築し、広めていったことも何となく理解できます。

さらに、死んだら天国に行ける、死んだら生まれ変わるという言葉が死や病への恐怖をやわらげていったことも想像できます。

一方で劇薬にもなります。そ一つは他宗教の人間に対しての差別や戦争、迫害を正当化することです。


宗教の必要性と危うさ


デュラント夫妻は教会の腐敗、偽文書や偽遺物、異端審問、宗教戦争、奴隷制廃止での主導権の弱さなども強く批判しています。つまりこの章は、宗教を礼賛する章ではなく、必要性と危うさを同時に見る章となっています。

また、宗教の衰退には科学の発展、宗教改革、聖書批判、他宗教との比較、産業化、戦争の惨禍などが重なったと整理しています。

これも分かります。日食の科学的解明が進んだり、治水の技術が上がる、物理の研究が進めば、川の神様に捧げるいけにえは意味がないと気づきます。そうなっていくと自然と信仰はなくなります。


それでも人(社会)に宗教は必要だった

ただし、ここで終わりません。
デュラント夫妻の中心命題は、宗教は何度も死んだように見えて、何度も復活してきたとしています。宗教は中世の十字軍や、魔女狩り、やカトリックの腐敗そして、宗教改革、科学の発展で終わりを遂げたわけではありません。
フランス革命後の宗教回帰、19世紀アメリカの宗教復興などを例に、宗教には“復活の癖”があると述べます。
そして、法律や国家が弱い時代には宗教と禁欲主義が強くなり、逆に国家権力が強く社会秩序を支えられる時代には懐疑や享楽主義が広がりやすい、と見ています。
日本は戦国時代には本願寺が宗教の一大勢力として振舞っていたとはいえ、大きな宗教戦争もなく、現代でも宗教はそんなに浸透していないように思えます。
しかし、明治期には神道が国家神道として、一つの道徳観を形成していました。

デュラント夫妻は「大衆道徳を長く維持するうえで、宗教に代わるものを人類はまだ十分に見つけていない」としています。
彼らは、少なくとも近代以前には、宗教の助けなしに社会の 道徳形成 をうまく保った有力な例はない、と言います。
さらに共産主義国家でさえ、教会の代わりに政治的信念体系が「慰めと希望」を売る新しい宗教のように働いたのではないか、と述べています。
最後は「貧困があるかぎり神々は残る」としています。

宗教はしばしば非合理で、歴史上たくさんの罪も犯してきた。けれどそれでも、苦しみに意味を与え、秩序と道徳を支える社会的装置として、簡単には消えないものと思います。

アメリカは建国当時はみな移民で、みな貧乏でした。
しかし、現代のアメリカは建国以来の経済格差が開いてしまっています。
フィラデルフィアなど一部の都市部では、薬物がまん延していると言われています。
トランプ政権のベネズエラ元大統領の捕縛も、一応の名目上は薬物の取り締まりでした。

「社会の格差やそれに対しての絶望、科学の発展による宗教の衰退→道徳観の欠如→宗教(特定の考え)による新たなる道徳の構築」という流れが出てきても、私は決しておかしくはないと思っています。
※ただ「宗教もまた麻薬である」という視点も持つべきだとは思います。

この本の7章は「宗教は正しいか」を論じる章というより、「なぜ人類は宗教を捨てきれないのか」を歴史から考える章だと言えます。
これは言い換えると、人間は結局いつの時代も弱いと言えることかもしれません。


まとめ

『歴史の大局を見渡す』第7章が面白いのは、宗教を単なる信仰の問題としてではなく、人間社会を支えてきた仕組みとして見ているところにあります。
宗教は歴史の中で争いや抑圧も生んできた。だが同時に、人間の不安を受け止め、共同体をまとめ、道徳を支える役割も果たしてきた。
だからこの章を読んで感じるのは、「宗教は良いか悪いか」という話ではなく、むしろ、「人はなぜ、何かを信じずには生きにくいのか」という問いです。
そして、その宗教と倫理観の歴史は現代にも投げかけられて、適用もでき得ると思っています。

次回は別の章に触れてみます。



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