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心のたくましさを身につけるには、少しのストレスも大切

心のたくましさを身につけるには、少しのストレスも大切

前回の記事では、ウィニコットの「錯覚から脱錯覚へ」という考え方について紹介しました。
赤ちゃんは最初、「自分が求めたら世界が応えてくれる」という安心の中で育ちます。
そして少しずつ、「世界は自分の思い通りだけではない」という現実にも出会っていきます。

※前回の記事です。錯覚から脱錯覚へ 子どもが現実と向かい合うための子育て

このとき、子どもは小さなストレスを経験します。

「すぐに抱っこしてほしいのに、少し待たなければいけない」
「おもちゃを使いたいのに、友達も使っている」
「自分でやりたいのに、うまくできない」

こうした経験は、子どもにとってつらいことでもあります。
でも同時に、心のたくましさを育てる大切な機会にもなります。

目次

  1. 子どもは「思い通りにならないこと」に出会っていく
  2. 小さなストレスは、心を育てる経験になる
  3. 大切なのは「放置」ではなく「支えられたストレス」
  4. 崩れた気持ちを立て直す経験が力になる
  5. 家庭でできる関わり方
  6. まとめ:心のたくましさは、安心の中で育つ

子どもは「思い通りにならないこと」に出会っていく

乳幼児期の子どもは、少しずつ現実の世界と出会っていきます。

赤ちゃんのころは、泣くとすぐに抱っこされ、空腹になればミルクをもらい、不安になれば大人がそばに来てくれます。
この経験はとても大切です。

子どもはその中で、
「自分は大切にされている」
「困ったときには助けてもらえる」
という安心感を育てます。

しかし、成長とともに、すべてがすぐに思い通りになるわけではなくなります。

少し待つ。
順番を守る。
友達と分け合う。
できないことに挑戦する。
失敗して、もう一度やってみる。

こうした場面で、子どもの心は一度揺れます。

「いやだ」
「できない」
「もうやらない」
「悔しい」

この揺れが、心の成長につながる入り口になります。

アタッチメントについて

小さなストレスは、心を育てる経験になる

ストレスと聞くと、悪いもののように感じるかもしれません。
もちろん、強すぎるストレスや、長く続く不安、助けてもらえない状態は、子どもにとって望ましいものではありません。

しかし、日常の中にある小さなストレスは、子どもが心を育てる経験になります。

たとえば、

場面子どもの経験
順番を待つすぐにできない気持ちを少し整える
失敗するもう一度やってみるきっかけになる
おもちゃを貸す自分以外の人の気持ちに気づく
できないことに挑戦する工夫する力が育つ
少し待つ我慢ではなく、気持ちの調整を学ぶ

子どもは、思い通りにならない場面で、
「どうしよう」
「何とかしなきゃ」
と感じます。

この「何とかしなきゃ」という気持ちが、成長のきっかけになります。

大人がすべて先回りして困りごとをなくしてしまうと、子どもは自分で立て直す経験を持ちにくくなります。
反対に、強すぎるストレスを一人で背負わせると、安心感が崩れてしまいます。

大切なのは、その中間です。

参考(ハーバード子ども発達センター)“Toxic Stress”


大切なのは「放置」ではなく「支えられたストレス」

ここで誤解してはいけないのは、ストレスが大切だからといって、子どもを突き放せばよいわけではないということです。

子どもに必要なのは、
支えられた中で経験する小さなストレスです。

たとえば、子どもがおもちゃを取られて泣いたとします。

このとき、
「それくらい我慢しなさい」
「泣かないの」
と突き放すと、子どもは気持ちの立て直し方を学ぶ前に、不安になってしまうことがあります。

一方で、すぐに大人がすべて解決して、
「はい、じゃあ別のおもちゃをあげるね」
「相手の子に返してもらうね」
と先回りしすぎると、子どもが自分の気持ちと向き合う時間がなくなります。

おすすめは、まず気持ちを受け止めることです。

「使いたかったんだね」
「取られてびっくりしたね」
「悔しかったね」

そのうえで、

「どうしようか」
「貸してって言ってみる?」
「少し待ってみる?」
「一緒に言ってみようか」

と、子どもが少しだけ自分で動けるように支えます。

これは放置ではありません。
子どもが自分の感情を立て直すための、横にいる支えです。


崩れた気持ちを立て直す経験が力になる

子どもは、思い通りにならないときに気持ちが崩れます。

泣く。
怒る。
黙る。
投げ出す。
大人に助けを求める。

こうした反応は、未熟だからこそ自然なものです。
大切なのは、そのあとです。

少し落ち着く。
もう一度やってみる。
別の方法を試す。
言葉で伝えてみる。
大人と一緒に解決を考える。

この経験が、心のたくましさにつながります。

心のたくましさとは、泣かないことではありません。
怒らないことでもありません。

本当のたくましさは、
崩れたあとに、少しずつ立て直せることです。

子どもが泣いたあとに、もう一度積み木を積む。
怒ったあとに、「貸して」と言ってみる。
失敗したあとに、「もう一回」と言える。

こうした小さな立て直しが、将来のレジリエンスにつながります。

レジリエンスとは、困ったことや失敗から回復する力です。
幼児期のレジリエンスは、大きな試練で鍛えるものではありません。
日常の小さな「うまくいかなかった」を、大人に支えられながら乗り越える中で育っていきます。


家庭でできる関わり方

家庭でできることは、特別な訓練ではありません。
日常の中で、子どもが少しだけ困る場面、少しだけ待つ場面、少しだけ考える場面を大切にすることです。


1. すぐに正解を出しすぎない

子どもが困っていると、つい大人がすぐに助けたくなります。

もちろん危険なときや、本当に困っているときは助けてよいです。
ただ、少し待てそうな場面では、

「どうしたらいいかな?」
「もう一回やってみる?」
「ここを持ってみる?」

と、子どもが考える余白を残してあげましょう。


2. 気持ちは受け止め、行動は整える

子どもの気持ちは受け止めます。
でも、すべての行動を許すわけではありません。

「怒ったんだね。でも叩くのはだめだよ」
「悔しかったね。でも投げると危ないね」
「もっと遊びたかったね。でも今日は帰る時間だよ」

このように、気持ちと行動を分けて伝えることが大切です。

子どもは、
「気持ちは分かってもらえる」
「でも行動にはルールがある」
ということを少しずつ学んでいきます。


3. 立て直せた瞬間を認める

子どもが少しでも立て直せたら、その姿を言葉にしてあげましょう。

「もう一回やってみたね」
「待てたね」
「言葉で言えたね」
「泣いたあと、落ち着けたね」

結果だけではなく、立て直そうとした過程を認めることが大切です。

子どもは、
「自分はできた」
「少し頑張れた」
「次もやってみよう」
と感じやすくなります。


4. 大人が一緒に落ち着く

子どもの感情が崩れたとき、大人も一緒に感情的になると、子どもはさらに不安になります。

まず大人が少し落ち着いて、
「大丈夫、今は悔しいね」
「一緒に考えよう」
と関わることが大切です。

大人が落ち着いた存在でいることは、子どもにとって心の安全基地になります。
子どもはその安全基地を頼りにしながら、少しずつ自分で落ち着く力を身につけていきます。

※関連記事です。非認知能力は「安定したアタッチメント」から育つ


まとめ:心のたくましさは、安心の中で育つ

子どもは、錯覚から脱錯覚へと進む中で、少しずつ「思い通りにならない現実」に出会っていきます。

すぐに叶わない。
待たなければいけない。
友達にも気持ちがある。
自分でやってもうまくいかない。

こうした経験は、子どもにとって小さなストレスになります。

でも、そのストレスは、大人に支えられている限り、心のたくましさを育てる大切な機会になります。

大切なのは、子どもを突き放すことではありません。
また、すべてを先回りして取り除くことでもありません。

気持ちを受け止める。
少し待つ。
一緒に考える。
もう一度やってみる。
立て直せたことを認める。

この繰り返しの中で、子どもは
「うまくいかなくても大丈夫」
「何とかできるかもしれない」
「助けてもらいながら、自分でも立て直せる」
という感覚を育てていきます。

心のたくましさは、泣かない強さではありません。
泣いても、怒っても、崩れても、また少しずつ戻ってこられる力です。

その力は、安心できる大人との関係の中で育っていきます。

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