赤ちゃんの顔の認識 視力が低くても、顔には敏感に反応する
赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から大人と同じように世界をはっきり見ているわけではありません。
けれど、ぼんやりした視界の中でも、赤ちゃんは人の顔に特別な関心を向けます。
顔は、赤ちゃんにとって「安心できる人」を知るための、とても大切な手がかりです。
目次
- 赤ちゃんの視界はまだぼんやりしている
- それでも赤ちゃんは顔に敏感
- Fantzの研究が示したこと
- 顔は、人を識別する大切な情報源
- 赤ちゃんにとって養育者を知ることは大切
- 大人ができる関わり方
- まとめ:赤ちゃんは顔を通して人と出会っていく
赤ちゃんの視界はまだぼんやりしている
前回までの記事では、赤ちゃんの視力や空間の認識についてお伝えしました。
赤ちゃんは、生まれた瞬間から大人と同じように世界を見ているわけではありません。
新生児の視力はまだ低く、世界はぼんやりと見えています。
色や細かな形、遠くのものも、大人のようにはっきり分かるわけではありません。
それでも赤ちゃんは、ただ何も分からずに世界を見ているわけではありません。
明るさ。
動き。
輪郭。
近くにあるもの。
声と一緒に見える顔。
抱っこの中で見える表情。
こうした限られた情報を手がかりに、少しずつ世界を知っていきます。
※赤ちゃんの視力についての記事です。乳児の空間の認識 赤ちゃんには世界がどう見えているのか
それでも赤ちゃんは顔に敏感
赤ちゃんの視力は未熟です。
それなのに、赤ちゃんは人の顔に強く反応します。
保護者の顔をじっと見つめる。
顔が近づくと視線を向ける。
声をかけられると表情を見ようとする。
抱っこの中で、養育者の顔を見つめる。
こうした姿は、赤ちゃんが「顔」という情報に敏感であることを感じさせます。
顔には、赤ちゃんにとって大切な情報がたくさんあります。
誰がそばにいるのか。
自分に話しかけているのか。
安心できる人なのか。
笑っているのか。
怒っているのか。
自分を見てくれているのか。
もちろん、赤ちゃんが最初から大人のように表情を細かく読み取っているわけではありません。
それでも、顔は赤ちゃんにとって、人と出会うための大切な入口になります。
ファンツの研究が示したこと
赤ちゃんが何に関心を向けるのかを調べた有名な研究者に、ロバート・ファンツがいます。
ファンツは、赤ちゃんにいくつかの図形や模様を見せて、どれを長く見るのかを調べました。
この方法は「選好注視法」と呼ばれます。まだ言葉で答えられない赤ちゃんでも、どこを長く見るかを調べることで、何に関心を向けているかを推測できます。
ファンツの研究は、赤ちゃんが単純な面よりも模様のあるものをよく見ること、そして早い時期から図形や形の違いに反応することを示しました。新生児が白黒の模様を無地の面より長く見ることを示した研究も、乳児に初期の形の知覚能力があることを示すものとして知られています。
また、発達心理学の教科書的な整理では、ファンツの選好注視法によって、非常に幼い赤ちゃんでも、顔のような図形、同心円のような模様、無地の円盤などを見分ける力があることが示されたと説明されています。
この研究から分かる大切な点は、赤ちゃんは「視力が低いから何も分からない」のではないということです。
赤ちゃんは、ぼんやりした視界の中でも、形や模様、人の顔らしい配置に注意を向けながら、世界を少しずつ受け取っています。
参考(日本心理学会)赤ちゃんはどのように顔を見ているのですか?
顔は、人を識別する大切な情報源
人間にとって、顔はとても重要な情報源です。
私たちは、顔を見て相手を識別します。
家族なのか。
初めて会う人なのか。
笑っているのか。
困っているのか。
自分に関心を向けているのか。
安心できる相手なのか。
顔には、その人が誰かだけでなく、気持ちや関係性の手がかりも含まれています。
赤ちゃんにとっても、顔は大切です。
特に、身近な養育者の顔は、赤ちゃんが「この人は自分を守ってくれる人だ」と知っていくための大切な手がかりになります。
顔の認識に関する乳児研究のレビューでも、顔を認識し区別する力は、人間の社会生活にとって特に重要であると整理されています。
赤ちゃんは、顔だけを見て養育者を理解しているわけではありません。
声。
におい。
抱っこの感覚。
授乳やお世話のリズム。
近くにいる安心感。
こうした情報と顔が結びつきながら、赤ちゃんは「この人は安心できる人だ」と感じていきます。

赤ちゃんにとって養育者を知ることは大切
赤ちゃんにとって、最初に必要なのは、たくさんの人を区別することではありません。
まず大切なのは、身近な養育者の存在を知ることです。
自分を抱っこしてくれる人。
泣いたときに来てくれる人。
お腹がすいたときに世話をしてくれる人。
やさしく声をかけてくれる人。
安心できる表情を向けてくれる人。
赤ちゃんは、こうした日々の関わりの中で、人を知っていきます。
新生児は顔らしい刺激に注意を向けやすいことが知られており、ゆっくり動く顔のような刺激を、ばらばらの配置や空白の刺激よりもよく追うことを示した研究もあります。
これは、赤ちゃんにとって「顔」がただの模様ではなく、人との関わりにつながる大切な情報であることを考える手がかりになります。
赤ちゃんにとって、顔を見ることは、世界を見ることの一部です。
そしてそれは、人とつながることの始まりでもあります。
大人ができる関わり方
赤ちゃんの顔への敏感さを考えると、大人ができることはとてもシンプルです。
近くで顔を見せる。
やさしく声をかける。
赤ちゃんが見ているときに、ゆっくり表情を返す。
笑顔で応える。
赤ちゃんが疲れていそうなときは、刺激を減らす。
無理に見せようとしすぎない。
大切なのは、「たくさん見せること」よりも、「安心して見られること」です。
赤ちゃんはまだ視力が未熟です。
遠くから複雑なものを見せても、十分に受け取れないことがあります。
しかし、抱っこの距離で見える養育者の顔、聞き慣れた声、やさしい表情は、赤ちゃんにとってとても大切な刺激です。
赤ちゃんが顔を見つめているときは、急いで何かを教えなくても大丈夫です。
「見ているね」
「ママだよ」
「パパだよ」
「おはよう」
「気づいたね」
そんなやさしいやり取りの中で、赤ちゃんは人との関わりを学んでいきます。
まとめ:赤ちゃんは顔を通して人と出会っていく
赤ちゃんの視力は、最初から完成しているわけではありません。
新生児の世界はぼんやりしています。
遠くのものや細かな情報は、まだ十分には見えません。
それでも赤ちゃんは、人の顔に敏感です。
顔は、人を知るための大切な手がかりです。
身近な養育者を知るための入口です。
安心できる人との関係を築くための情報源です。
赤ちゃんは、顔、声、におい、抱っこの感覚、日々のお世話のリズムを通して、少しずつ「この人は自分を守ってくれる人だ」と感じていきます。
だからこそ、大人ができることは、難しいことではありません。
近くで顔を見せる。
やさしく声をかける。
赤ちゃんの視線や表情に応える。
疲れているときは無理に刺激しない。
そのような日々の関わりが、赤ちゃんにとっては大切な学びになります。
赤ちゃんは、顔を通して人と出会い、安心できる世界を少しずつ広げていきます。
☆ご希望の方はオンライン15分何でも相談(無料)をご利用ください。
〇 無理な勧誘なし 〇 パパ・ママどちらの参加も歓迎 〇カメラOFFでもOK 〇LINE通話で実施
※お申込みは公式ライン、もしくはお問い合わせフォームから「無料面談希望」と記入してご連絡ください。
☆体験ベビーシッター【※特別価格 2,000円(税込)/1時間 交通費(実費) 最大4時間】
も募集しています。
体験後にすぐご入会いただく必要はありません。
ご兄弟・お友達での参加も可能です。その場合1人につき+500円/1時間となります。
もちろん、その場合も一人ひとりのお子様に対してのカウンセリングを行います。
体験の詳しい情報・流れはこちらへ。しっかり子どもの状態をフィードバックします。
シッター体験では何をするの?詳しい内容や流れをわかりやすくご紹介
こちらの記事をご覧いただければ、サービス内容、体験、安全、体制など分かるようになっています。
サービス・体制など全般のご案内
ご家庭に合った最適なサポート方法を、ゆっくり一緒に考えていきましょう。
執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)