自己教育力とは?子どもが自ら学び、成長していく力
子どもの成長を考えるうえで、大切な力の一つに「自己教育力」があります。
自己教育力とは、簡単に言えば「自分から学び、自分を成長させていく力」のことです。
大人に言われたからやる。
叱られるから行動する。
ほめられるために頑張る。
もちろん、幼い時期には大人の声かけや支えが必要です。
しかし、子どもが本当に成長していくためには、少しずつ「自分で考え、自分から学ぼうとする力」を育てていくことが大切です。
目次
- 自己教育力とは
- 自己教育力が大切な理由
- 幼児期に育つ自己教育力の土台
- モンテッソーリ教育と自己教育力
- 自己教育力を養うために大切なこと
1. 自己教育力とは
自己教育力とは、自分自身で学び、自分をよりよく成長させていこうとする力です。
たとえば、子どもが何かに興味を持ち、
「これは何だろう?」
「どうしてこうなるんだろう?」
「もう一回やってみたい」
と自分から考えたり、試したりする姿があります。
このような姿は、自己教育力の芽生えです。
自己教育力は、ただ知識を覚える力ではありません。
疑問を持つこと、自分で考えること、失敗してもやり直すこと、工夫しながら挑戦すること。
そうした力が合わさって、子どもの「自ら学ぶ力」になっていきます。
※参考(日本モンテッソーリ教育綜合研究所)「モンテッソーリ教育とは」
2. 自己教育力が大切な理由
子どもたちは、これから長い人生の中で、さまざまなことを学んでいきます。
学校の勉強だけではありません。
人との関わり、生活習慣、仕事、新しい知識や技術など、大人になってからも学び続ける場面はたくさんあります。
そのときに大切になるのが、自己教育力です。
誰かに言われないと動けない。
指示がないと学べない。
失敗するとすぐにあきらめてしまう。
このような状態では、変化の多い社会の中で、自分らしく成長していくことが難しくなります。
一方で、自己教育力が育っている子どもは、目の前のことに興味を持ち、自分で考え、必要なことを学ぼうとします。
「どうすればできるかな」
「前よりうまくなった」
「もう少しやってみよう」
このような気持ちは、将来の学習や仕事、人間関係にもつながっていきます。
3. 幼児期に育つ自己教育力の土台
自己教育力というと、小学生や中学生になってから必要になる力だと思われるかもしれません。
しかし、その土台は幼児期から育ち始めています。
幼児期の子どもは、毎日の生活や遊びの中でたくさんのことを学んでいます。
積み木を高く積もうとする。
虫や草花を見て不思議がる。
自分で靴を履こうとする。
絵本を見ながら想像を広げる。
うまくいかなくても、もう一度挑戦する。
これらはすべて、学びの入り口です。
幼児期の学びは、机に向かって知識を覚えることだけではありません。
自分で感じ、考え、試し、気づいていくことそのものが学びです。
この時期に「やってみたい」「知りたい」「できるようになりたい」という気持ちを大切にすることで、自己教育力の土台が育っていきます。
4. モンテッソーリ教育と自己教育力
自己教育力を考えるうえで、モンテッソーリ教育の考え方は参考になります。
モンテッソーリ教育では、子どもには自分で自分を成長させていく力があると考えます。
これは、自己教育力と深く関わる考え方です。
子どもは、ただ大人から教えられるだけの存在ではありません。
興味のあるものに手を伸ばし、試し、失敗し、また挑戦しながら、自分の力で成長していきます。
ただし、大人が何もしなくてよいということではありません。
大切なのは、子どもをよく観察し、その子の発達や興味に合った環境を整えることです。
子どもが自分で選び、自分で取り組み、自分で気づけるように、大人は必要なときにそっと支えます。
子どもを信じて待つこと。
先回りしすぎず、挑戦できる環境を用意すること。
この関わりが、自己教育力を育てる大切な支えになります。
5. 自己教育力を養うために大切なこと
自己教育力を育てるためには、大人がすべてを教え込みすぎないことが大切です。
もちろん、危険なことや社会のルールは、大人がきちんと伝える必要があります。
しかし、子どもが自分で考える前に、大人がすぐに答えを出してしまうと、学ぶ機会が減ってしまいます。
たとえば、子どもが何かを作っていてうまくいかないとき、すぐに大人が完成させるのではなく、
「どうしたら倒れにくくなるかな?」
「もう一回やってみる?」
「どこを変えたらよさそう?」
と声をかけることで、子どもは自分で考える経験を積むことができます。
また、結果だけでなく過程を見ることも大切です。
「何度も試していたね」
「さっきとやり方を変えたんだね」
「最後まで考えていたね」
このように、子どもの工夫や努力に目を向けることで、子どもは挑戦することに価値を感じるようになります。
失敗を悪いものとして扱いすぎないことも重要です。
子どもは失敗を通して学びます。
うまくいかなかった経験から、次はどうすればよいかを考えます。
「うまくいかなかったね。でも、もう一回考えてみようか」
「ここまでできたね。次はどうする?」
このような声かけが、子どもの自己教育力を育てます。
子どもは、本来、自分から学び、成長していく力を持っています。
その力を信じ、環境を整え、必要なときに支えること。
それが、幼児教育においても、家庭での子育てにおいても、とても大切な関わりなのです。
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執筆:中山 快(株式会社リコポ 代表)